- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784991126093
作品紹介・あらすじ
宮本常一は民主主義の理論家だ!──宇野重規(政治学者)
不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。民俗学者・畑中章宏と編集者・若林恵が、「忘れられた日本人」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。
『宮本常一:歴史は庶民がつくる』『感情の民俗学』(畑中章宏)と『実験の民主主義』(宇野重規+若林恵)の必読副読本!
感想・レビュー・書評
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本筋ではないかもしれないが、11章「道具」がとても面白かった。本書は『忘れられた日本人』の入門書になっているのだが、お二人の対談がそこから逸脱する箇所が最も興味深いのが不思議なところ。対談の妙なのかもしれない。
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民俗学者として、昭和初期の日本各地を巡った宮本常一氏の名著を底本として、土着型な民主主義の成り立ちに迫っていく。「世間」という、英訳しづらい日本の概念を紐解いていくことで、封建制度や家父長制のような表の歴史からは見えなかった、ダイナミックな日本の村落の姿が浮かび上がってくる。
民主主義とは古代アテネに始まるというのが一般的だが、日本を含むアジアの農耕社会ではより複雑な民主的枠組みが形成されてきた。集団合議や年齢階層別の寄り合いといったシステムは、「お互い様」という横の繋がりの狭い世間において有効に機能してきた。
翻って現代の民主主義では、代表制によって選ばれた政治家と実行する官僚・公務員の役割が分けられ、結果システム不全が見られて久しい。私たち自身も、警察や救急、教育、インフラ維持といった役目を公的機関にアウトソーシングすることで、実行の責任を負わずに安易に意思決定者としての批判的振る舞いをしているケースもある。
考えてみれば、村落共同体が数多あった昔の方が多様性は色濃くあったわけで、民主主義の在り方もいろいろ参照すべき事例が埋もれている。デモクラシーとは何か、自らの足元を照らすべきタイミングに立っている。 -
東2法経図・6F開架:382.1A/W17w//K
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横の社会→再帰的に縦の社会 縦のイメージ上書き→乗り越えるべき後進性 翻訳:日本列島の流動性や移動性 反作用:としよりたち 村八分←近代以降・法律浸透後 寄合:一種の知h式体験・経験の交換 実施:承認・行使の民主主義 自律的コミュニティの自己組織化 経営体:平塚らいてう・武家 与謝野晶子・商家 双系制 世間:折り重なった複数の世間に同時に生きる 世間師 環世界:マルチスピーシーズ 進歩:音声言語の真実らしさ 世界の中世化 文字化と時間概念 傍流たれ 実験:貧しき秀才たち 道具:自立共生 伝承:やり取り
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