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- / ISBN・EAN: 4988006704794
感想・レビュー・書評
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レディヘを聴いていると、村上春樹の小説を読んだかの後ような気持ちになります。
というのも、自分は確かにここに立っているにもかかわらず地面はなくて、代わりにどこまでも広がる漆黒の闇の上を歩いているような、そして見えているのか見えていないのかもわからないような光のある方向へとふらふら進んでいるような、そんな不思議な気持ちになるんです。
実際レディヘのフロントマンであるトム・ヨークは村上春樹のファンだそうです。
んでそのせいかトム・ヨークはなかなかの詩人です。
90年代の若者を代表するような喪失感ややるせなさをありのまま表現したり、恋愛などの人間関係における心理を描き出したりしているのですが、どれも痛々しいです。
しかし、だからこそ私はこのバンドに好意を持てるんですがね。
このザ・ベンズというアルバムは、ファーストアルバムのパブロ・ハニーが地をはう幼虫であるとしたら、まだ未熟なものの美しく形が整っている、いわばサナギです。
まぁもちろんのこと捨て曲なんて存在しないし、どの楽曲も輝いています。
まず1番からなかなかポップで柔らかいメロディが流れてきます。
しかしながら、歌詞はシニカルで極めて悲痛です。
2番はタイトルトラックですが、私のケータイのアドレスはこの曲の歌詞からいただいています。
アドレス決めるときにたまたま聴いていたってだけの話なんですけどねw
歌詞の内容は自分の存在意義について考えすぎた挙げ句深く沈み込みすぎてしまい潜水病になってしまった、そしていつものように一日を過ごすのに、心の奥底では世界が変わってくれないか、そうなってくれば幸せになれるんじゃないかと思っているというものです。
しかしそれをさらりと歌い上げてしまうトム・ヨークと、重さを感じさせないメロディ構成には脱帽です。
それからはアコースティックでスロウなナンバーが続きます。
歌詞はいたって悲痛なのですが、それを吐き出すように叫んで歌うのがグランジ・オルタナである一方、トム・ヨークは囁くように、自らに語りかけるように歌い上げます。
それ故どれも綺麗にまとまっています。
これが彼らが一線を画している点の一つでもあります。
まぁそんな曲が並びます。
んで10番のブラック・スターはもの悲しく美しい曲です。
そしてこのCDはラストへと向かっていきます。
ラストに収められているストリート・スピリットという曲、この曲がくせ者です。
この曲はそれまでずっと悲痛さを感じさせないメロディの曲が並ぶなか、1曲だけメロディからして重苦しい曲です。
メロディも歌詞も一体となって聴き手に重くのしかかってきます。
まぁこのアルバムを締めくくるにふさわしい曲なのですが、特に最後の"Immerse your soul in love"の繰り返しの部分はきます。
ヤバイです。
んで国内盤の場合は2曲のボーナストラックが収録されているんですが、なんとなくとってつけた感があるので私はいつもストリート・スピリット以降は真面目に聴きません。
このザ・ベンズ以降レディオヘッドは積極的にコンピューターを取り入れ、OKコンピューターやキッドAといった傑作を生み出します。
ちなみに評価は割と低いですが、その後のアムニージアックやヘイル・トゥ・ザ・シーフといったアルバムも面白いです。
まぁ正直ケミカル・ブラザーズとかオウテカとかボーズ・オブ・カナダとかのエレクトロニカの2番煎じ感が無くもないですが。
しかしどれ聴いてもおもしろいです。
ただこのザ・ベンズはトム・ヨークがやりたいことをアウフヘーベンしていく前のある種純粋な気持ちとそれ故の葛藤が収められています。
オススメです。
余談ですが坂本龍一はレディオヘッドのことをレイディオヘッドと呼んで高く評価しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的にradioheadの最高傑作。?High And Dry ?Fake Plastic Trees ?My Iron Lung ?Black Star ?Street Spirit (Fade Out)が特に好き。最高death!
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月に埋もれて死ぬ
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これはradioheadの曲で一番初めに聞いた「killer cars」という曲が入ってるアルバムになります( *^-゚) 今でも「killer cars」は好き(*゚ー゚*)
後、The Bendsのアルバムの中では、「high and dry」も名曲ですね♪かなりあたしも好きです(>_<)
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泣きたくなるような名曲がたくさんあります。
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Radioheadの2ndアルバム。
美しいギター・ロック。 -
「パブロ・ハニー」もよいですが、このアルバムは特に好きです。Syrup16gこと五十嵐隆が弾き語りしたという曲も収録されておりますね。
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いわゆる「顔のやつ」。現在のスタイルも私は好きですが、やっぱりこれが最高傑作。
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レディオ・ヘッド初期の大ヒットアルバム。メランコリック感が漂う。
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トムの歌を活かした曲が多く、個人的にはレディオヘッドの中で一番。