フレイミング・パイ

アーティスト : ポール・マッカートニー 
制作 : ポール・マッカートニー 
  • EMIミュージック・ジャパン (1997年5月16日発売)
3.30
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・音楽
  • / ISBN・EAN: 4988006729247

感想・レビュー・書評

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  • 本作が発売された97年、私は、高校に入ったかどうかといった頃で、丁度、寝る間も惜しんでストーンズを聴き込んでいた頃。
    そんな中、リアルタイムで触れたポールの新作は、どうにも元気が無いというか、なんとなく寂しい感じを受けたのを今でも覚えています。
    "あぁ・・ポールはもう疲れちゃったのかな・・・"等と思い、その後まもなくリリースされたストーンズの新作("Bridges To Babylon")を聴いて、"格好良い!!やっぱ、ストーンズは若い!!"とか考えてました。(来日公演も決定した頃だったし)

    ただ、それは、あの時、ストーンズ三昧の生活を送っていたため、他のものを受け付けづらかった、というだけで、今、改めて聴いてみると、本作は、結構良い作品です。
    出だしから、幻想的な気分にさせられる"The Song We Were Singing"はアルバムの世界へと引き込むにこの上無い曲だし、"The World Tonight"や"If You Wanna"では、ドラムとエレクトリック・ギターが力強く、"なんで、大人しく聴こえたのかな〜?"と、不思議になるぐらい。
    そう・・・大人しく聴こえたと言えば・・・恐らく、"Somedays"の印象が強かったのでしょう。
    なんとなく、ビートルズ時代の名曲"For No One"をマイナー調にした感じの印象を受けたこの曲は、しかし今聴くと、とても美しい曲だと思います。
    ジョージ・マーティンによるオーケストラ・アレンジが、"Eleanor Rigby"の様でもあり、まさに、リボルバーの頃のポールと同じ力を感じます。
    そういえば、この曲のレコーディングでは、"オーケストラのスコア"を書いてくれないか"と頼むポールに対してジョージ・マーティンが"あの頃の感覚をまだ無くしていないようだね"と言ったとか。
    しかも、ポールは、この曲を、リンダがいない1時間程の間で書いてしまったとか!
    ・・ポールが疲れたとか思ってた当時の私は、馬鹿でした(笑)

    "Young Boy"は、シングル化されただけあって、当時も、メロディアスで綺麗な曲だなぁと思っていました。
    そういえば、日本でも、何かテレビ番組のテーマ曲で使われてましたね。
    なんだっけ?旅番組か何かだったっけ?

    大阪公演で演奏され、ライヴアルバムにも収録された"Calico Sky"は、ハリケーンのため、電気もつかなかった日の思い出として作られた曲。
    全ての戦争の武器を放棄する、なんて内容が入っているので、"世が世ならプロテスト・ソングと言われただろうね"というのは、ポールの弁。

    タイトル曲"Flaming Pie"は、ジョンが言っていた"フレミング・パイに乗った男が、現れて、こう言ったんだ。お前達は、"e"が"a"になったBeatlesだってね"という言葉が元になって作られた曲。
    ノリの良い軽快でファンキーなナンバーですね。

    "Heaven On A Sunday"では、ポールの息子・ジェイムズがギターで登場。
    父親顔負けの演奏を披露してくれます。
    考えてみたら、ジョージの息子も"Brainwashed"でギターを弾いてたし、ジュリアン、ショーンの両レノンもミュージシャン。リンゴの息子、ザック・スターキーにいたっては、The Whoで叩いたり、父親同様、様々なアーティストと交流して、レコーディングに参加、その技術は父親以上とも言われています。
    以前、実しやかに噂された、2世ビートルズだって、やろうと思えばやれる実力はある気がします・・・って、曲作りに関してはどうなんだろう?(笑)
    ジュリアンは、ファースト・アルバムは凄く良かったし、ショーンも1枚、好きなのがあるんだよなぁ。

    さて、話を戻しますが、9曲目のスティ−ヴ・ミラーの弾くブルースのリフから生まれた"Used To Be Bad"は、まぁ、普通のブルーズです。
    リラックスして録れて楽しかったから収録した、という感じの曲じゃないでしょうか。

    "Souvenir"は、ジョン・ジェイコブズが参加、彼の持っていた小型サンプラーが使用されています。

    "Little Willow"(小さな柳)は、亡くなった親しい友人の子供を励ますための気持ちをこめて書いた曲だとか。
    そういえば、"Hey Jude"も、ジュリアンを励ますための曲だし、"Freedom"は、NYへの応援歌でもあるし、ポールには、応援ソング的な曲も多いですね。

    "Really Love You"は、リンゴとポールの共作ですが、これまで、1つも共作が無かったというのが、チョット意外でした。

    リンゴのドラム(と、バック・ヴォーカル)に、ジョージ・マーティンの壮大なオーケストラの"Beautiful Tonight"は、後半、スピードがアップする転調部分からがいいですね〜。
    ホーンとか、エレクトリック・ギターの音が、地味ながら雰囲気を盛り上げる上で一役かっています。

    "Great Day"で終わるのが、なんとなく、アビィ・ロードっぽい(笑)
    荘厳な曲の後に、短い作品で終わらせてるところが。

    やはり、こうして落ち着いて聴いてみると、結構良い作品です。
    でも、インパクトには欠けるなぁ。そういう意味では、名作というより、ポールらしい、よく出来た秀作、といった方がいいかも。

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