この森で、天使はバスを降りた [DVD]

監督 : リー・デビッド・ズロートフ 
出演 : アリソン・エリオット  エレン・バースティン 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.59
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135525383

感想・レビュー・書評

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  • 古い名作は、いいものだなあ。
    そして良い邦題だなあ。

    刑務所を出所したパーシーは、田舎町へ。
    息子を戦争で亡くした老婆の営むレストラン"スピットファイヤー"で働きはじめるが、村人達はよそ者のパーシーに対して冷たい。
    過去の傷を抱えたパーシー、秘密を持つハナ、弱く夫に逆らえない主婦シェルビー、そんな3人がレストランを売却するために作文コンテストを開催する。

    古い名作とよばれてる映画は、ノターリマターリしつつも、
    安定感あって、しかし大体は最後に風呂敷畳むときにわりと雑。
    これも例にもれない。

    テンション上がらないけど、
    ただ映画っぽく、観て、セリフの重みや映像や音楽から色々感じて、
    そして、そんな映画あったなあと思い出す、そんな作品。

  • 刑務所内の観光課に服役し働くパーシーは、静かで自然豊かな最北の地ギリアドにやって来て、街の食堂で働く。詮索好きでよそ者を受け入れない街の人々に辟易するものの、店主のハナが腰を痛めたことで、甥の妻も加わり、店が終わるとハナの言いつけどおり森の男の為に裏庭に食料を置く毎日。10年前から店を売りに出していたハナに応募金付きの作文コンテストの提案をし、ハナの甥はパーシーの人気に異常に嫉妬し彼女の犯罪歴から疑い続ける。

    ベトナムで心を病んだ森に住むハナの息子のイーライ、9歳から義父に性的虐待を受け妊娠し子供を失い義父を殺したパーシー、息子に会いたいハナ、夫に馬鹿扱いされるシェルビー。心に痛みを抱えながら生きる人々の係わり合いと癒しが描かれる。
    どうしてパーシーが死ななきゃいけないんだろうと後半はすごく理不尽な気持ちになる映画。良い映画だったのに...パーシーにしてみれば、子供と一緒に死んでしまいたかったし、苦しくて仕方ないのだろうからイーライを守れたことでこれでよかったのかもしれないけど、なんか街の連中の気持ちや甥の処遇が少しは変わったんだろうけど、主人公が死んで報われないのは後味が悪いなと思った。

  • ハナの息子について、もう少し詳しく知りたかった。彼はベトナム戦争でどんな思いをしたのだろうか?
    主人公と周りの人々の心の通い、そしいて訪れる疑心、などが予想通りに進んで行って、少し物足りなかったような。

    パーシーの歌声が綺麗だった。

  • 掘り出し物だった!!
    ただラストが切なかったです……死ぬ必要なかったんじゃ…

  • 公開していた頃、物凄く見たい!と思っていた映画の一つ。
    で、友人がそれを買って貸してくれたんだけど…それがもう数年前の話で、実はそれをそのまま借りっぱなしという!(笑)
    すまぬ友よ!もうすぐ返す!アンドリュー見たら返す!!(笑)

    そんな訳で最近になってようやく見たんだけど、これがまたとても感動…!
    良い映画に違いないと思っていたけど、本当に良い映画だったです。

    刑務所で刑期を終えた主人公パーシーは北部の小さな町で新しいスタートを切ろうとします。そして、町にある寂れたレストランで住み込みで働き始めます。
    その町はとても小さくて寂れていて、他所の人間は訪れることのない町です。それなので、町の人々は、パーシーを好奇の目で見てきました。
    しかし徐々にパーシーを理解してくれる人が現れ、また、パーシーの行動によって今まで水面下で燻っていた問題が表面化していくようになっていきます。問題が表面化してくると、中にはそれを全てパーシーのせいにする人も現れてきました。
    しかし、パーシーの最終的な行動が、全てを問題を解決していったのです。

    町に住む人々は、それなりに問題を色々と抱えてます。
    家庭の問題だとか親子の問題だとか…町全体としても排他的な雰囲気だとかを抱えています。この映画の最後でパーシーは死んでしまうのだけど、それが引き金となったかのように町は明るくなっていったようでした。
    この映画は感動です!
    パーシーという一人の人間の行動によって、色々なものが結果的に良い方向へと進んでいくわけですね。ペイフォワードみたいです。といってもあの映画とは基本的に感覚が違いますが、周囲に良い影響を残して自分は死んでしまうという辺りが何だか似ているなあと…そして自分自身を内省して生まれ変わろうとしたという部分でもちょっと似ていると思います。

    こういう映画は、主人公が自分を犠牲にしたから感動する、というわけではないんですよね!(個人的に)
    主人公はあくまで自分の為に行動している。
    どんなに回りに非難されても、自分自身の意思を持っている。
    そうして死ぬ時もそれは変わらない。
    ある意味では、死の瞬間も自分自身にとっては満足な行動をしたんじゃないかなあと思うんです。

    返って、残された人々の方が悲しい存在に思える。
    死によって初めて内省するのだからそれほど悲しいこともないだろうなあ。
    そして、この映画では自然が多く出てきた所が良かったです!
    ああいう広々とした景色は良いなあと思う。
    少なくとも自分の近所では感じられないものだし、日本の中でももっと自然の多い場所に行けば見られるのかなあという感じもするけど、やはりあの自然の広さは素晴らしい!
     
    この映画はオススメできる映画の一つだと思います。
    密やかに涙が出ますね!
    都会といわれる場所に住んでいて情報社会についていくのに疲れた時は本当に良いです。

  • 森の中でのパーシーが子守唄?!のようなのものを歌っている時に、彼がパーシーの頭にそっと手を置いている描写がなんだかジーンときた。

  • 邦題は広げすぎ。実話なのかと思ったが違うようなので、だとしたら脚本か編集のどちらかが下手。人を殺して感動させようとする手法には辟易。

  • 人として清らかなのは法を犯した彼女か
    法を犯さない人々か

    悲しいのに暖かい映画。

  • キリスト教圏のお家芸的な聖人物語。とはいえ、レミゼラブルや、グリーンマイルなんかは聖人物語だけれど、少々色が違うとは思う。レミゼラブルはいいところも悪いところもそれに描かれ、さらに丁寧に緻密に物語がつくられているし、グリーンマイルは聖人を殺してしまったことに対する贖罪みたいなのがテーマとなっている点で一段深い。この映画自体は、序盤は別段そういう雰囲気でもなかったのだけれど、後半で急に主人公が聖人にされてしまうあたりがかなり無理やりではある。一応、主人公は傷害致死で服役していて、犯罪者という形をとっているけれど相手は殺されてしかるべきなクズで、日本なら五年も服役しなくてもいいのでは?というくらいの罪なのだけれど、まあ、それはいいとして、ともかく、このあたりはジャンルジャンもうそうなのだけど初期条件としては整っているのかもしれない。そうして、凡人でありながらも聖人となる。このあたりはなんとなく遠藤周作的聖フランチェスコ風なのかもしれない。ただし、映画の中での時間は短く彼女は聖人たるようなことをしているわけでもなく、ほんとうにただ普通にそこにいただけであり、彼女が徐々に打ち解けていく空気や雰囲気自体は非情に暖かくて見ていて引きこまれたのに……要するに無理やり終盤で「聖人物語」へと転換させてしまったせいでストーリーが破綻し、聴衆自体もついていけなくなってしまったといった具合だろうか。

    とはいえ、それは日本での話。キリスト教圏で、聖人物語や悔恨が好きなアメリカ人からすればこれはヒットするかもしれない。これは民族性や文化的に受け容れられやすいといった感じなのだけれども、彼女が死ぬ必然などなかったし、あまりにも間抜けな死に方をしているのもいただけない。聖人物語自体は嫌いじゃないのだけれど、あまりに無理やりすぎた感が否めない。服役をすませたぶっきらぼうな少女が田舎の喫茶店で働きながら心を開いていくというのはなんともいい感じだったのだけれども……。とはいえ、田舎の閉鎖社会を良くも悪くも描いてるのは間違いない。意図しているのかどうか知らないが、いい面も悪い面も緻密に描かれている。余所者には冷たく、あれこれ詮索し、あからさまに陰口をたたき(この一見矛盾したような行動をとるのがいかにも閉鎖社会)、一旦受け容れると心を開き温かく接してくれるが、他者がなにかすればそれを自分も知らなければならないと思いこんでいて、あれこれと干渉する。誰か一人に問題が起こればよくも悪くも全員でことに当たろうとし、事件があれば良くも悪くもそれを糧にして結束を深める。日本ではよく懐古主義なんかが唱えられるけれど、あれもこれも全員が知っているだとか、無理やり干渉してくるだとかは正直いただけないし、現代社会は無関心主義だと言われるけれど、目の前で困っている人がいたら心根さえ優しければ助けるわけで、逆に言うと以前と異なって個人個人の裁量――に任されるようになった社会というのが妥当な気がする。あれこれ干渉したりするのは別にやさしいからじゃなくてそういう風習だから性質だからなのであって、裁量に任されたらそこらへんは個人個人の性質が前面に出てくるだろうと言う話ではないのだろうか。

    あと、やっぱり起こり始めるポイントが日本とアメリカは全然違うと思う。日本人は基本的に怒り出すには怒り出すための間というか流れがあって、突発的に怒り出す人は半分精神障害を煩っているような具合に見られるけれど、アメリカ映画は間も流れもなく突発に怒り出すのが普通なのでこのあたりも国民性なのだろうとは感じるが、やはりついていけない。評価は辛口になってしまったけれど、ラスト三十分までの一時間半に関して言えば文句なしの採点だった。あれこれ噂する周囲に、自分は元犯罪者です、と大っぴらに言えるところとかは気持ちよかったし。ちなみに萩原朔太郎の田舎の詩を思い出したので。

    ・田舎を恐る

    「わたしは田舎をおそれる、
    田舎の人気のない水田の中にふるえて、
    ほそながくのびる苗の列をおそれる。
    くらい家屋の中に住むまづしい人間のむれをおそれる。
    田舎のあぜみちに座っていると、
    おおなみのような土壌の重みが、わたしの心をくらくする、
    土壌のくさったにおいが私の皮膚をくろずませる、
    冬枯れのさびしい自然が私の生活をくるしくする、

    田舎の空気は陰鬱で重苦しい、
    田舎の手触りはざらざらして気もちがわるい、
    わたしはときどき田舎を思うと、
    きめのあらい動物の皮膚のにおいに悩まされる。
    わたしは田舎をおそれる、
    田舎は熱病の青じろい夢である」

  • 65点
    5年間の服役を終え、刑務所を出所して森の奥のギリアドという田舎町のレストラン"スピットファイヤー・グリル"で働く主人公パーシーの姿を描く。悪くはないが、期待したほどでもなかった。邦題とパッケージのイメージから想像していた内容と違いすぎてたからかな?

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