アマデウス [DVD]

監督 : ミロス・フォアマン 
出演 : F・マーレイ・エイブラハム 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
4.09
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135528162

感想・レビュー・書評

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  • 自分が何より願ってついぞ与えられなかった才能を持つ天才を激しく憎みながらも魅せられてしまう、凡人の焼け付くような矛盾と高揚感と狂気、そして、二人それぞれの悲哀を描いた秀作です。

    物語は、ある寒い夜に自殺を図って失敗した老人の、神父に向けた独白から始まります。自分はオーストリア帝国のヨゼフ二世に仕えた宮廷音楽家のサリエリで、在りし日にモーツァルトを殺したのは自分であると…。

    日々神に祈り、誓い、自分を律して品性を守りながら、ようやくオーストリアの宮廷音楽家の地位に登りつめたサリエリに対し、下劣で幼稚で金にも女にもだらしがないくせに、サリエリが狂おしいほどに神に願い続けて得られなかった音楽の天賦の才を持つモーツァルト。

    サリエリが、どれほど努力してもモーツァルトの足元にも及ぶことが出来ないことを思い知らされ、苦しめられている最中、モーツァルトはそれを知ってか知らずか、サリエリの自尊心を傷つけるような事を幾つもしてしまいます。

    やがてサリエリは、モーツァルトを、そして、誓いをたてた自分ではなく、下劣なモーツァルトに才能を与えた神をも憎むようになります。
    才能はあるのに、下品な奇行と異質さから世間からは爪弾きにされ、貧しいままのモーツァルト。
    サリエリは、味方のふりをしながら徐々にモーツァルトを貶め、やがて殺すことで、モーツァルトと神に復讐することを誓います。
    奇しくも、最愛の父親を亡くして廃人のようになってゆくモーツァルト。サリエリは最後の復讐にとりかかりますが…。

    モーツァルトを激しく憎みながらも、その才能に狂おしく魅せられ、モーツァルトの作品が上映されればすべての夜に足を運んでしまうサリエリ。モーツァルトを追い詰めている張本人のはずなのに、死を前にした彼に手を差し伸べ、彼が作品を作るのを手伝い、その途方もない才能が作品を産み出す奇跡的な瞬間に出会って恍惚と溺れてしまう矛盾。(このシーンは言葉にできない緊張感があり、たまらなく美しいです。)
    彼は、あれほど望んだはずのモーツァルトの死に立会った瞬間、愕然とし、絶望し、心を病んでいきます。

    物語の最後、神父に激しくぶつける感情と去りぎわに囁かれる台詞は、とても精神を病んだ老人の戯言とは思えない真理に満ちていて、誰もがサリエリになり得るのだと思い知らされるようで、恐怖すら感じてしまいます。神父の悲壮な表情がまた見事です。

    モーツァルトやクラシックになじみのない人にも強い印象を残す映画だと思います。

    • シャクナゲとエビネさん
       私はモーツァルトへの思い入れがそれほど強くないのですが、この映画にはぐっと来ました。モーツァルトの音楽を「感じる」ことができる人にはたまら...
       私はモーツァルトへの思い入れがそれほど強くないのですが、この映画にはぐっと来ました。モーツァルトの音楽を「感じる」ことができる人にはたまらない映画だと思います。
       映画の始まりに流れる「小ト短調」、いいですね!
      2016/09/08
    • hotaruさん
      そうですね。始まりの「小ト短調」は、これからすごい物語が始まることを告げる象徴としても、サリエリの狂おしい心の象徴としてもぴったりですよね。
      そうですね。始まりの「小ト短調」は、これからすごい物語が始まることを告げる象徴としても、サリエリの狂おしい心の象徴としてもぴったりですよね。
      2016/09/09
  • 映像、脚本、演出、音楽、すべてにおいて傑作。

    冒頭の神父とのやり取り「パッパーパラパパラパー」「私じゃない」ここの哀愁で一気に引き込まれる。
    サリエリがモーツァルトのために作った会心のマーチ、それをモーツァルト自身が即興でアレンジしていく様は残酷なまでに作品のテーマを浮き彫りにしていて印象的。しかも、実際に曲がみるみる改良されていくのが素人目にも伝わってきて舌を巻く。
    ラスト、レクイエムの完成に向け、個々の楽器が一つまたひとつと折り重なってオーケストラを成していく様は正に圧巻。

    これが完成された映画でなくてなんなのか。

  • 1984

  • 前に見た時は、モーツアルトのイメージが随分
    壊れてしまったなぁと思った。
    下品で あの笑い方が 気に入らなかった。

    今回見たときは 免疫ができたのか
    嫌みに感じなかった。
    不思議に モーツアルトの真摯を感じた。
    しかし、どこかが軽いね。
    音楽と人格が違うと言うのは言えるかも。

    サリエリが モーツアルトを理解していた。
    サリエリは 自分を凡庸というが、
    モーツアルトを見抜いたと言うことで言えば、
    才能はあったのだろう。
    モーツアルトの天才ぶりは 一度も書き直すことなく
    書いていることへの驚き。
    大衆オペラと言っているが その芸術性も。
    父親に叱咤されているアマデウス。
    レクレイムを 自分のために作らせる。

    アマデウスの奥さんが 実にこどもっぽい雰囲気で、
    なんというか アンバランスさえ感じさせる。

  • 人の感情って面白いよね。

  • 嫉妬うずまく愛憎劇 たまりません。 しっかしこのジャケットかっこいいなあ

  • ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ
    『後宮からの誘拐』
    『フィガロの結婚』
    『ドン・ジョヴァンニ』
    『魔笛』
    の作られた背景を楽しく知ることのできる作品。
    オペラの内容の一つ一つは知っていても、その作品が作られた背景を知らない人も多いのでは。
    この映画をきっかけに音楽家の伝記物映画に興味を示すようになりました。



    サリエリが好き。
    自らの手で最も敬愛していた存在を死に至らしめてしまったと後悔し続けるサリエリ。愛しいのか憎いのか、息を引き取る瞬間まできっと分からなかったことでしょう。
    憎く愛しいアマデウスの奏でるレクイエムを書き取るサリエリ。
    死の間際のあの時が一番幸せだったんじゃないかな。

  • アカデミー賞作品を一通り観てみよう企画の一環で観てみました。うん、観て良かった!クラシックとかモーツァルトとか全く関心持てなかったんですけど、この映画をきっかけに興味を持つようになりました。

  • アマデウス・モーツァルトの半生を、彼と敵対したといわれる宮廷音楽家サリエリによる回想で描く。

    特にラストについては、諸説あるみたいで、必ずしも事実とは言えないらしい。ただ、その生き方がドラマだったことは間違いないような気がする。

    長いけれども、最後まで飽きずに観ることができました。

  • おもしろいんだけどながい

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