ツィゴイネルワイゼン [DVD]

監督 : 鈴木清順 
出演 : 原田芳雄  大谷直子  藤田敏八  樹木希林 
  • パイオニアLDC
3.76
  • (49)
  • (51)
  • (74)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 349
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102642518

感想・レビュー・書評

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  • 鈴木清順監督による大正浪漫三部作、第一弾。もう全編を通して官能の入り混じる美に身を貫かれ、脳が溶けてぐしゃぐしゃになってしまうんじゃないかと思った。内に狂気を秘めたる学者とその友人である狂気そのものの無頼漢。二人の妻からとろとろと零れ落ちるエロスはタナトスへの導きであり、気が付けば美と静寂に彩られていたはずのその風景は冥界への入り口へと変貌を遂げる。極彩色の着物を着こなす豊二郎の妻が美味しそうに腐りかけの水蜜桃をほおばる姿の妖艶さといったら!決して引き返せない悦びに身を委ねてしまいたくなる、傑作中の傑作。

  • 陸軍士官学校の教授・青地(藤田敏八)と親友・中砂(原田芳雄)が旅先で小稲(大谷直子)という芸者と懇意になります。
    その後、中砂は園という小稲に似た女と結婚しますが、園は豊子を産んで間もなく病死。後妻として小稲を迎え入れます。この辺りから鑑賞者は異常なシーンを目の当たりにし、青地と小稲母娘が再会する頃には現実と虚構がごちゃまぜになります。観る人を選びますが、独創性に溢れた魅力的な映画だと思います。

  • 昨日疲れてたんで、途中で寝て、昨日と今日で2回に分けて見たけども、前に見た時よりも面白かったと思う!分けわかんなくて良かったのと、映像の表現が楽しい!編集のリズムとか構図もかなり独特のものがあって、個性があって良いなー!出てる役者さんも好き!

  • 鈴木清順監督の有名作。鈴木監督のことはあまり知りませんでしたが10代の頃から映画の存在だけは知っていて、旧名作を漁り始めた40代になってから、いつか見なければいけないと思っていて、先日ようやく借りた映画です。タイトルと監督の名前以外のことは事前情報はなしで視聴しました。私の好きな俳優原田芳雄さんが出ていらしてとても期待したのですがアングラ舞台劇のような雰囲気の映画だとは知らず面食らいました。ストーリーは特に奇想天外ではなく映像や台詞のトリッキーな部分に魅入られる映画です。目を舐めるシーンで丸尾末広氏の作品を思い出してしまいました。しかし私には刺激が足りない映画でしたが世間の評価はかなり高いようです。

  • 鈴木清順監督による『浪漫三部作』の第一作。独特のカメラワークで、清順美学と呼ばれるのも頷けます。大谷直子、大楠道代二人の大女優がしのぎを削っています。原田芳雄が格好良い!

  • 正直いうと最後まで見終わるのに2度うたた寝してしまった。
    寝てしまったのは単純に退屈だからという、単純な理由というよりも
    この映画の持つ空気感とかテンポによるものだと思う。

    あまりストーリー性を追い求める映画じゃないかな。
    空気感、美意識みたいなものを本能のまま受け取れば良いと思う。

  • 怖い、恐い映画でした。
    とくに中砂糺とそれにまつわる青地の幻想はなんとも居心地が悪い。
    男と女のどろりとした世界です。
    艶かしすぎてエロスより気持ち悪さが前面に感じちゃう~
    砂浜の決闘移行は心持ち穏やかになれました。
    お化けよりニンゲンこわい。

  • 謎。としかいいようがなく、見終わった後の強烈なインパクトはしばらく頭から離れない。DVDだとインタビューもあるんだ・・・気になる。

  • 一体この作品はどこからおかしくなってきたのかと、とても気になって、144分という長尺にも関わらず思わず2回も続けて観てしまいました。
    いや~2回観てもまったくわかりませんね。
    どこからが現世でどこからが常世なのか、本当は誰が生きていて誰が死んでいるのか。。。

    現世と常世の境界線を表すような橋、トンネル、切り通しがたびたび登場しますが、その橋やトンネルの向こう側とこちら側のどっちがあの世でどっちがこの世なのかが、さっぱりわかりません。
    「何度聴いてもわからない」というサラサーテの盤の如く、「何度観てもわからない」作品なんでしょうね。

    作中に「夜道で狐に化かされたことがあったもので」という青地のセリフがありますが、観終わった後はまさしく狐に化かされたような気分になりました。
    不思議で妖しくて、背筋がぞくっとするような恐ろしさがあって。。。
    そして自分も「もしかしたら生きてるって勘違いしてるだけかも?」と思ったら、怖くて2~3日は夜中にトイレに行けなくなりました(笑)。

    万人受けする作品ではないだろうけれど、映画好きならこれは一見の価値ありの作品ですね。

    (1980年 日本)

  • 「オペレッタ狸御殿」を劇場で観て以来、もう鈴木清順は当分いいやと思っていた。で、10年くらいぶりにおそるおそる本作をレンタル。原作が内田百閒だったからつい・・・。が、原作にはおかまいなしに、清順ワールドが再び炸裂。
    もうわかった。それこそ、頼むから静かにしてくれ。と言いたくなった。
    不自然な映画というべきか、人工的な映画と言うべきか、いずれにしても共感を誘うような映画ではない、「気取り」に彩られた映画。こういう映画は往々にして疲れる。インパクトだけ与えようとして。とはいえ面白い場面もあるにはあった。

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