COPY

アーティスト : syrup 16g 
制作 : 五十嵐隆  syrup 16g 
  • UK.PROJECT (2001年10月4日発売)
3.69
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・音楽
  • / ISBN・EAN: 4514306004526

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしきSyrup16gの1stアルバム。とにかく濃い。そして重たい。これを1stとして持ってこれるシロップは流石としか言いようが無い。ただ、この音源はある一定の域に居る人間には、とてつもなく心地良いだろう。普段感じている言葉に出来ない思いを全て唄ってくれているから。重たい深い色をした液体の中にじわじわと浸かるような感触は心地良い温度の風呂に浸かっているよう。濃い楽曲をお求めの方はぜひ。

  • 2001年ファーストアルバム

    She was beautiful
    無効の日
    生活
    君待ち
    デイパス
    負け犬
    (I can't)Change the world
    Drawn the light
    パッチワーク
    土曜日

  • She was beautiful
    無効の日
    生活
    君待ち
    デイパス
    負け犬
    (I can’t)change the world
    Drawn the light
    パッチワーク
    土曜日

  • 「心なんて一生不安さ」生活

  • 好きなバンドを見つけて、嵌って行く時間が愛しい。あと何回こんな経験できるんだろ。

  • 曲自体は悪くないけど、coup d'Etatで事足りる(Drawn the light、土曜日)

  • シロップのアルバムの中で一番好き。好き過ぎてどうしようもない。

    まず冒頭のShe was a beautifulから無効の日への流れが、シロップらしくてぐっときます。
    回想。過去の綺麗な日の思い出。穢れない記憶の中だけの世界。
    家から出ない私にとっては、あなたにとってはなんてことのない一言が、表情が、ずっとずっと何年も消えないくらいに大切な宝物になったりする。

    そして無効の日。
    すごく主観的なある一日の事を歌っているのに、そこには感情とか主観とかいうものが全く抜け落ちている。そこにあるのはとてつもない無力感とある種の諦念。
    この感じはsonic disoderのサビ部分の感じと良く似ているんだけど、無効の日の方が無力感と諦念はより強い。
    この独特の現実からの乖離感みたいなものはシロップにしか出せない味で、シロップに惹かれてやまない理由でもあると思う。
    この曲ってただだらだらと、ゆるやかに盛り下がっては盛り上がっての繰り返し。この6分間が私にとっての至福。ひたすらエンドレスリピートで浸っていたい曲です。気持ち悪いくらいすき笑

    他はデイパス、パッチワーク、負け犬が好きです。
    デイパスのサビの歌詞は酷い笑
    パッチワークのサビ。お得意の悲観思想を、あんな美しいメロディーで歌うのは卑怯だ。
    シロップの歌詞には共感できるものも多いけど、「惜しみなく楽したい」だけは共感できない笑

    冒頭2曲に全部持っていかれるアルバムだと思ってます。

  • じんわりと薄暗い。

    まだ、どこかバラつきのある1枚。

    「生活」がとにかく突出している。

    「土曜日」ほど、不思議な感覚は無い。

  • 彼女は美しかったと歌い続けるShe was beautiful、一転して無効の日、生活と続いて....また最後、土曜日で美しく静かに終わる。
    だけど、全曲ネガティブで抉り出されるような現実が甘いメロディーに包まれている。
    心に残る、刺さる言葉、日常を導いてくれた言葉に溢れてるアルバム。
    シロップは鬱アーティストと言われるけれど、このどうしようもない現実や自分の先のかすかな諦めと希望は私には鬱じゃなく、救いだったように思う。

  •  もう諦めたよ。どうでもいいや。なるように、なっちまぇ(笑)

     そんな達観、中学・高校くらいの馬鹿者達なら、きっと誰だって思い描いている幻想だろう。全てを捨て去る、なんてことは僕らが思っているよりずっとずっと不可能で、正真正銘の果報者だけが果たせる贅沢な行いだ。それでも望みもしないのに、全てを失ってしまうことは、なぜこうも僕らの目の前に立ちふさがる?

     Syrup16gというバンドは、こうした思春期と自意識を徹底的にこじらせた阿呆達の悲しみを、もったいないくらいに美しく、これ以上ないくらいに生々しい形まで練り上げる。フロントマンである五十嵐隆の書く意味深で破滅的な歌詞と、その張り詰めた嘆美なサウンドが織りなす独特の世界観は、間違いなく2000年代にメジャー・シーンに現れたどのバンドとも重ならない、血走った才気を漲らせていた。本盤は、インディー・レーベルから出され高評価を受けた、彼ら初となるフル・アルバムである。

     そこにこめられた音楽は、不必要なほど重いメッセージを含んでいて、それなのに軽く耳の奥まで響き渡る。憂鬱で、心地よい脱力感。まるで麻薬のようなアルバムだと、私などはつくづく思う。1曲目から、光だけを並べたような透明な音に乗せられて、「彼女は美しかった」と過去形で歌われる。彼が必死にしがみついている記憶の中の「She」とは、幼い日の母親の記憶なのか、それとも若気の至りで一途に憧れた、とっくに人生を別にしたあの娘のことか。

     その詩的で無害な世界から一転、次曲のイントロから強引に引き込まれるのは、「本気出してないままで終了です。後は箒で、掃いて捨てる」なんて調子でダメになりきっちまった現在の日常。それからも、病的に内省的で、空回りした自尊心の結果生まれた強烈な自己嫌悪を、これまた徹底的に観察した言葉が続く。「真理なんてでたらめ、勇気なんて出さないでくれ」「もしも僕が犬に生まれたら、それでもう、負け」「俺は何を望めばいい?全てを失ってもなお、 I can’t change the world」。ここで変わることが願われているのは、世界の方ではない。その世界に認識し、関わっていくだろう「私」。すっかり歪んだ自我を変えることができないという諦めは一見強烈な絶望のようだが、一方でそれを受け入れる準備が出来た証左でもある。

     そしてアルバムの最後の土曜日は、再び優しい音色に戻る。「土曜日なんて来るわけねぇ、ただ望んでいるばかり」。この土曜日は、安息の時間を表すシンプルな比喩だろう。負けることも、そしてその日々が終わらないことも全て受け入れ、それでも明日を生きていく決意。彼らは徹底的にネガティブなようで、実は万人に向けた明日への音楽を歌っている。

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