風の谷のナウシカ [DVD]

監督 : 宮崎駿 
出演 : 島本須美  納谷悟郎  松田洋治  高畑勲  久石譲  辻村真人  京田尚子 
  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
4.13
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本棚登録 : 4536
感想 : 505
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241980069

感想・レビュー・書評

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  • 映画館で見れるチャンスを生かして、何年ぶりかに見直してみました。
    ストーリーは周知の通り、人類文明がほぼ壊滅したあとの「腐海」と残された人類がどう生きていくのか、というお話。
    架空の蟲たちと不思議な飛行物体が織りなす壮大な世界観は、今見ると語るに時間が足らなかったんだろうな、と思います。
    クシャナ殿下は身勝手な侵略者になってしまっているし、巨神兵の存在、ペジテがなぜ争うのか、もちょっとわかりにくい。

    このあと世界はどうなるのか?その疑問も解けないけれど、人類が腐海を少し知って穏やかな生活をもう一度始める、というのは原作ともある程度一致したラストかも。
    人の世の政治と愚かさと、不思議な腐海の生き物とその存在の謎と、そこにかっこいい飛行シーンが加わっていることで、いろんな疑問を残しても楽しめます。

    ナウシカはジブリのヒロインの中でも特に能力が高く、魅力的なヒロインですね。
    他の作品のヒロインと違って、徹底的に優しいけれど、肉体的にも精神的にもすごく強く、か弱さはほとんどない。
    ロマンと不思議の塊で、1984年の公開から36年経っても、テーマも古びていない。ずっと面白いです。

  • 宮崎駿原作・脚本・監督による長編アニメーション。瘴気を発する菌類の森“腐海”に覆われつつある地上を舞台に、人間同士の争いに巻き込まれながらも地球を救うために立ち上がる少女ナウシカの姿を描く。
    「Oriconデータベース」より

    ラピュタとともに子どものころに一番最初に見たアニメ映画.

    ★特に印象に残ったセリフ★
    「きれいな水と土では腐海の木々も毒をださないとわかったの 汚れているのは土なんです」

    「腐海の木々は人間が汚したこの世界をきれいにするために生まれてきたの大地の毒を体に取り込んできれいな結晶にしてから死んで砂になって行くんだわ」

    自分が自然科学に興味をもつきっかけになったのは、こういたアニメと自然に触れるという実体験からかもしれない.だいぶ前に製作された映画なのに、内容はちっとも古くない.いまだに定期的に見たくなるし、テレビでも放映されるのはそこに込められたメッセージが人にとって大切なものだからなのだろう.

  • コロナ禍で連想したのが、カミュ「ペスト」、トーマス・マンというかルキノ・ヴィスコンティの「ヴェニスに死す」、ヴェルナー・ヘルツォーク「ノスフェラトゥ」、ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ」、そしてこの「ナウシカ」だったのだ。
    せっかくなので、以前手放してしまった漫画を再読した。
    岡田斗司夫や町山智浩やの音声でさんざん予習した。
    今後、赤坂憲雄「ナウシカ考」も読むつもり。
    そして宮崎駿のフィルモグラフィー全体を見直してみるつもり。
    という一環で、おそらく5,6回目の鑑賞をしたわけだが、やはり言うまでもない素晴らしさ。
    まとめきれないので箇条書きにする。

    ・あえてヒコーキとは言わず船と呼ぶ。同じく、大地を海に見立て、あえて風を波と表現する感覚。鳥という比喩も。ここで海と大地と空が重なってダブらされて、美しい語感が作品全体を覆う。この言語表現もすさまじいんだな。
    ・ガンシップってほとんど大砲。面白い乗り物だ。やはり乗り物の鋲は必須なんだな。
    ・音楽がいい。時代を感じさせる電子音から、オーケストラの音楽へと。緩急が凄い。音楽と無音。いきなり無音になったことで無風を伝える、とか。
    ・ナウシカのかすれ声・おらび声。島本須美大好きだ。
    ・自然の摂理をわかっていない者としてクシャナを描く、勇気。漫画を読むだにおそらく思い入れあるキャラクターだろうに、映画では愚かさの側面を大きく出して、あえて捨て駒として使う。これはやはり思い切りがいいというにとどまらない勇気だ。
    ・救世主はユパなのかも、というミスリードが序盤に。これは忘れていた。
    ・かなり台詞で説明している。このあたり「もののけ姫」のわかりづらさに繋がるのだろう。
    ・宙に浮かぶモノの影とか。
    ・愛ずる蟲を取り上げる父の影。→漫画版では母親の横顔(愛してくれなかった)が描かれるが、映画でも親子関係を精神分析的に読み解きたくなるポイントがあるんだな。
    ・クロトワ、やはりいい役どころだ。ともすれば悪しき宗教に傾くかもしれないところへ、この人がいるだけでいい歯止めになる。「エヴァ」の加治リョウジに似ている。
    ・ナウシカの顔について。漫画やイラストで記憶が上書きされているが、意外と古臭い、というか名作劇場っぽい。というか一番印象塗り替えに買っているのは、髪形なのだと気づいた。この子の髪形は、現実の女性にも普通に転用可能なのに、アニメならではの表現……風でなびいたり、怒りで逆立ったり……になっている。この印象が強い。
    ・この舞台を世界というには、あまりに狭い……トルコ周辺とネットでは言われているが。漫画では土鬼も関わるので地図と重ね合わせる意味もあるが、映画だともっと限定されているので、むしろ地形図や略図で足りそう。舞台は風の谷と酸の海と宇宙船周辺に限定されているのだ。ここも今回見て改めて知ったこと。
    ・連想したのは、堤抄子「聖戦記エルナサーガ」のギムレー。魔獣の息で人の住める場所が限定されている、というファンタジーで、おそらくナウシカに影響されているのだが。この漫画では世界のことをギムレーと呼ぶ。そして住める土地が広がった暁には、いやこの世界をギムレーと呼ぶのはもうやめよう、といった記述がある。
    ・溜めがほとんどなく、巨神兵が撃つ。同じく、ほとんど溜めなく、ナウシカが王蟲に蹴散らされる、それも無音で。これぞ演出。
    ・確かに奇蹟だ、高畑勲が批判したように。悪い意味での宗教ものになってしまった、と。皆がラストに集って(FF4のように)、あー伝説と同じでよかったねー。みんな持ち場に帰っていって大団円。え、それで!? という。
    ・こんなにすさまじい作品に反省点を見い出して、その悔しさを原動力に諸作や漫画を作り上げる、この永久機関のごとき内燃機関よ。
    ・このDVDには原画担当の庵野秀明と演出助手の片山一良のコメンタリーが入っている。これも無類に面白い。

  • ジブリアニメの原点であり、日本アニメの宝。

    小学校高学年の頃、体育館だったかで皆で観て、
    空中戦での地に足が付かないドキドキ感、
    別世界へ連れていってくれる壮大な世界観に
    圧倒されました。

    1000年後の未来
    錆とセラミック片におおわれた荒れた大地に
    くさった海…腐海と呼ばれる有毒の瘴気を発する
    菌類の森がひろがり 衰退した人類を脅かす世界

    潮風に守られ自然と共生して暮らす「風の谷」。
    そこの若き姫ナウシカを主人公に描きます。
    風の谷での、中世ヨーロッパ風の暮らしは、
    どこかノスタルジーを感じさせます。

    人類絶滅の危機においても争いを止めない人々。
    巨神兵が持ち込まれてしまい、
    風の谷も争いに巻き込まれます。
    怒れる王蟲の大群が押し寄せる風の谷。
    ナウシカは命を挺して王蟲の怒りを鎮めます。
    そのとき、奇跡が起きました。

    一寸の虫にも五分の魂。人も地球の一部だもの。
    なるべく虫も殺さぬ心持ちの私としては
    とても共感できる世界観でした。

    ほらね、怖くない。
    ね?怯えていただけなんだよね。

    当時アニメ界から失脚していた宮崎駿が、
    ひとり籠って描き続けていた漫画が原作とか。

    わしらの姫様はこの手を好きだと言うてくれる。
    働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい。
    あんたは火を使う。
    そりゃぁ、わしらも ちょびっとは使うがのぉ。
    多過ぎる火は何も産みゃぁせん。
    火は森を1日で灰にする。
    水と風は100年掛けて森を育てるんじゃ。
    わしらは水と風の方がえぇ。

    姫ねえ様が死んじゃった…
    身をもって王蟲の怒りを鎮めてくだされたのじゃ
    あの子は谷を守ったのじゃ…

    良かった
    王蟲 ありがとう ありがとう

    奇跡じゃ 奇跡じゃ
    なんと言う労りと友愛じゃ 王蟲が心を開いておる
    子供達よ わしの盲た目の代わりに
    よぉく見ておくれ

    姫ねえ様、真っ青な異国の服を着てるの
    まるで金色の草原を歩いてるみたい

    おぉっ
    その者 蒼き衣を纏いて 金色の野に降り立つべし
    おぉ、おぉっ うぅっ 古き言い伝えは 真であった

  • 小2の娘がノベライズ版を読んで「おもしろいよ。DVD観たい~」と言ってきたのを機に、レンタル。

    最初から最後までちゃんと観たのは、27~28年ぶり。

    初回は金曜ロードショーで、2週連続宮崎作品を流した際に。
    まず、「ラピュタ」、翌週「ナウシカ」。当時小学4年か5年か・・・どちらも、その時に初めて観た。

    「ラピュタ」がとっても面白く、終始ドキドキわくわくしながら観終えた。しかし、「ナウシカ」はダメだった。当時の自分には難しすぎた。つまらなかった。飽きた。途中で何度も寝そうになった。いや、寝たかも。

    さて、超久しぶりに、腰を落ち着けて観てみたら・・・。なんだ、面白いじゃないか。大人の鑑賞に堪える映像美とストーリー展開、そして、“訴えたいこと山ほどあるんだろう”と思える、そのテーマ性。

    ・・・しかし、小2がよく、これ見て面白いと思えるな・・・と、やっぱり不思議。

    ★4つ、8ポイント半。
    5.09.27.了。

     調べてみたら、1982年の作品だとか。32年前。30年経っても評価され続けているのだから、やはり宮崎アニメの中でも上位の名作なのだろう。

    ※個人的には、10回以上観ていてなお、毎回夢中で観られる『ラピュタ』が、彼の最高傑作だとうは思うけど。

    ※本作品自体は、長大に続いた原作漫画のほんの一部を切り取ったおハナシらしい。原作本、読んでみたくなった。

  • 中学生の頃に見た以来、テレビで久しぶりに見た。中学生の頃の印象は「難しい映画だなあ」だったけど、今みたら、とてもよく理解できるし、ストーリーが全く色あせてなくて、むしろ今の時代に必要なメッセージがたくさん込められているような気がして、夢中で見てしまった。虫が人間よりも生命力が強くて繁殖していく、というのは案外、本当に将来の地球の姿かもしれないなあ。人間なんて、地球の生命の歴史で見たら、まだ生まれたての赤ちゃんだもの。地球を支配しよう、なんておこがましいことだよなあ。

    それにしても、この世界観のすごさは圧倒される。おもしろかった!

  • オームの大群が押し寄せてくるところが幼心には怖すぎて以来、敬遠していたナウシカ。数十年ぶりに観て号泣・・・

    「ほらね、怖くない。ね?怯えていただけなんだよね」という言葉が印象的。キツネリス・クシャナ殿下・・・・オームにもナウシカが全力で諭している

    怖くて得体が知れないから、攻撃して奪って支配下におこうと躍起になる

    自然のメカニズムも人の心もまず「知る」ことが第一歩で、ナウシカのように相手の言葉で話して歩み寄ることが次の一歩なのだろうなあ

  • 舞台は「火の7日間」といわれる最終戦争で現代文明が滅び去った1000年後の地球。風の谷に暮らすナウシカは、「風の谷」に暮らしながら、人々が忌み嫌う巨大な蟲・王蟲(オーム)とも心を通わせ、有害な瘴気覆われ巨大な蟲たちの住む森「腐海」の謎を解き明かそうとしていた。
    そんなある日、「風の谷」に巨大な輸送機が墜落、ほどなく西方のトルメキア王国の軍隊が侵攻してくる。
    墜落した輸送機の積荷は、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという最終兵器「巨神兵」であった。そして、少女ナウシカの愛が奇跡を呼ぶ…。 
    宮崎駿の原作コミック3巻までを映画化したアニメ映画。
    猛々しさと優しさを併せ持つナウシカという新しいタイプのヒロイン、剣士であり真理を追い求めるユパなどの魅力的なキャラクター、自然と文明の対立という重厚なテーマ、疾走感溢れるアクションは良かったけど、クシャナのキャラクター改変や自然と文明の対立という重厚なテーマの掘り下げ方不足は後年宮崎駿さんが「もののけ姫」で不満解消するほど引っ掛かっていたぐらいの欠点があるし、後半の構成が荒かったりする映画。
    だけどこの映画があってスタジオジブリに繋がることを考えると、宮崎アニメファンなら一見の価値がある映画。

  • まともに観たのは10年以上ぶり。
    こんなに絵が綺麗なら、当時はどれだけ凄かったんだろう。
    もののけ姫はこれとキャラクターやストーリー構成が似てるね。普通こんな聖人君子が主人公だと辟易しそうなもんだけど、アシタカと言いナウシカと言い、胸を打たれるのはどうしてだろう。

  • 今まで何度もテレビ放送されてきたし、子供の頃から何度も見ている作品のはずなのに、大人になったいま、久しぶりに最初から最後までじっくりと鑑賞したら、そのクオリティの高さに今更ながら驚いた。
    作画デザイン、シナリオ、セリフ、音楽、そしてメッセージ性、どれも格式高く、とても見ごたえがある。間違いなく名作である。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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