万事快調 [DVD]

監督 : ジャン=リュック・ゴダール  ジャン=ピエール・ゴラン 
出演 : イヴ・モンタン  ジェーン・フォンダ  ヴィットリオ・カプリオーリ 
制作 : ジャン=リュック・ゴダール  ジャン=ピエール・ゴラン 
  • 日本コロムビア (2002年7月20日発売)
4.08
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988001920328

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  • 先日読んだ『トリュフォーの手紙』(山田宏一)で、フランソワ・トリュフォーのジャン=リュック・ゴダールとの喧嘩状の中で、ゴダールがトリュフォーの『アメリカの夜』を批判したことに対し、トリュフォーがゴダールの本作を思いっきり俎上にのせていたので今回観賞してみることにした。

    1972年フランス・イタリア映画。監督はジャン=リュック・ゴダールとジャン=ピエール・ゴランのジガ・ヴェルトフ集団。
    主演はイヴ・モンタンとジェーン・フォンダの2大スターで、ほかに社長役ヴィットーリオ・カプリオーリが味わい深かったほか、当時ゴダールの妻であったアンヌ・ヴィアゼムスキーも端役で出演している。
    先のトリュフォーの手紙によれば嫌がるジェーン・フォンダを無理矢理出演させたとのこと。

    夫婦であるジャック(イヴ・モンタン)とスーザン(ジェーン・フォンダ)はそれぞれCM監督とラジオ記者である。ある時、2人はスーザンの取材のため工場の無期限スト現場に突入することになった。しかも、行ってみると社長(ヴィットーリオ・カプリオーリ)は軟禁状態。資本家である社長と新左翼(?)と目される過激な労働者集団が労働争議をしていたのだ。そこに秩序だてた交渉を行おうとする組合のメンバーも現れて三つ巴の争いになっていく・・・。

    ゴダールがジガ・ヴェルトフ集団として撮った末期の作品。労働闘争という政治メッセージが強い作品と言われるが、自分にはそういうことを抜きにしてブラック・ユーモアの作品だと思われた。(笑)
    資本家と新左翼(?)の過激労働者と組合のそれぞれの言い分はどれも説得力があり、三つ巴の争いという背景が面白おかしく仕上げられている。そこにゴダールならではの撮影手法がいろいろと加わり、映画として飽きさせないような作りになっている。舞台ミュージカル風の俯瞰図や、煽情的な挿入歌、セリフとナレーションとの絶妙なミックスなどなど、とても面白かった(もっともトリュフォーは冒険心のかけらもなくうんざりするとバッサリ切り捨てていたが(笑))。それにお茶目な社長へのブラックユーモア溢れる仕打ちなどもストーリーとして面白く仕上がっていると思われる。
    一方で、こんなストーリーでイヴ・モンタンとジェーン・フォンダの必要性があったのかと思っていたら(笑)、後半は一転して、男女2人の過去からの葛藤とすれ違いが描かれていて、さすがゴダール、これはこれでまた面白かった。
    社長や組合員やイヴ・モンタンなどなどそれぞれに独演場が用意されていて、これを観ているだけでもとても楽しいものであったが、特に、ある意味ゴダール自身の仮託であるかのようなイヴ・モンタンの、1968年5月革命以降の立ち位置とトリュフォーを揶揄するかのようなセリフにはとても興味深かった。
    本作は過激な労働争議やみじめな資本家、労働者を抑え込もうとする警察が描かれているほか、映画作家としての葛藤(イヴ・モンタン)や女性の社会進出問題(ジェーン・フォンダ)なんかも描かれていて、一見、社会問題提起の映画かと思いきや、終始喧騒でブラックユーモアたっぷりに描かれているので、むしろゴダールならではの映画作りの妙として楽しむことができる作品であったと思う。
    作品名の「万事快調」とはおそらくやせ我慢の意で使用しており、その後のジガ・ヴェルトフ集団解散の事実からしてみても、ゴダール自身の心境であったとも言えるだろう。

  • 【万事快調】ゴダールの中では比較的低評価の作品だが、ジガ・ヴェルトフ集団解散直前の映画製作への葛藤が伺え興味深い。攻撃的な政治映画ではあるがユーモラス、従来の枠組を逸脱していない為分かり易い。資本主義社会を辛辣に皮肉る10分に及ぶスーパーでの横移動長回しは圧巻。70点

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