仕立て屋の恋 [DVD]

監督 : パトリス・ルコント 
出演 : ミシェル・ブラン  サンドリーヌ・ボネール  リュック・テュイリエ 
制作 : ジョルジュ・シムノン 
  • アミューズ・ビデオ (2005年8月3日発売)
3.68
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  • レビュー :40
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4900950229406

仕立て屋の恋 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • これは恋する女性に無償の愛を捧げた男の物語。

    1989年フランス映画。監督・脚本はせつない男の描き方が上手いパトリス・ルコント。主演は仕立て屋イールを演じるミシェル・ブラン。また、ヒロインはイールの家の向かいに住むアリス役のサンドリーヌ・ボネール。原作はジョルジュ・シムノンということで、ストーリー構成を考えると、ひょっとするとオリジナルはもっとミステリー的色彩が強い物語のような気もしますが、パトリス・ルコントが演出すると、このようなせつない男の物語になってしまうわけですね!

    仕立て屋を生業とするイール(ミシェル・ブラン)はその黒一色の不気味な姿、声を掛けにくい雰囲気などから友達付き合いが一切なく、住んでいるアパルトマンの周囲からも敬遠されていた。またイール自身、オタクな趣味であったため気にも留めず淡々と生きてきたのだが、そのイールの大きな楽しみの一つが、毎夜、窓の向かいに見える若く美しい女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)の生活を覗き見することであった・・・。一方、近所で発生した若い女性殺害事件を追う刑事(アンドレ・ウィルムス)は、周囲の評判や目撃情報からイールに目星を付けて執拗に追及をはじめるのだが・・・。

    アリスを覗き見する時にかけるレコード「ブラームス・ピアノ四重奏曲第1番」が覗き見のBGMとしてとても似合っています。(笑)今度、自分もしてみようかな。あっいや覗き見で聴くということではなくて(笑)、単にCDを聴くだけですが。あっいや、覗き見もしていませんし。(笑)
    主演のミシェル・ブランは、オタクな役どころを大熱演でしたね。静かに規則正しく重ねる所作や、時折みせる感情の発露など、まさにこのオタクでせつない男に対する観客の同情を醸成するには十分過ぎる程の演技っぷりでした。そして、アリス役のサンドリーヌ・ボネールもイール(ミシェル・ブラン)の愛情の対象として、その若く美しい小悪魔な女を終始、魅力的に演じていてよく釣り合っていたと思います。
    アパルトマンの自室に入る直前に、階段の上から転がるトマトと一緒に「あら、ごめんなさい」と美人が降りてくれば、もう男は完全ノックアウトで普通はだめになるはずなのですが(笑)、観客にそう思わせておいて、徐々に男のせつなさを滲みださせ、少しずつ事実関係を明らかにしながらラストまで引っ張っていくシナリオ構成はなかなか巧みで、ラストのひねりにも繋がる考え尽くされた展開だったといえるでしょう。
    この映画の上映時間は76分と短いですが、主人公の性格や心情描写が凝縮された濃いものであったため、それほど短い感じはありませんでした。男性ならこの映画を観るとオタクでせつない気持ちに浸れること請け合いです。(笑)女性は・・・?

  • ☆ネタバレ

    人付き合いの嫌いな中年男の仕立て屋イール。
    彼の唯一の楽しみは、窓から見える向いの若い女性アリスの生活を覗き見る事だった。
    ある日アリスは自分の部屋をじっと見つめているイールの存在を知る。
    有る思惑から彼に近づいていくのだが、不器用な彼の気持ちにアリス自身、だんだん気持ちが揺らいでいく・・・。
    そんな中近くの野原で若い女性が殺される事件の犯人として、刑事は過去に性犯罪で前科を持つイールを疑い始める。

    最初見始めた時はイールの陰鬱さとそれに拍車をかける神経質な点、クラシック音楽にまいりそうだったけど、見進めているうちになんとなくこの可哀相な中年男を可愛らしいと思い始めていました。
    この感覚は女性にだけわかるかもしれないですね。

    醸し出される淫靡な雰囲気と、アリスと婚約者エミールの隠された事実。

    最後のイールの「君を恨んでいない。ただ死ぬほど切ないだけだ」というセリフは不器用な男性の心を見事に表しているようで、見ているこちらもとても哀しかった。

    全体的にお洒落な雰囲気が漂っているのはフランス映画ならではなんでしょうね。

  • 笑うだろうが、君を少しも恨んでいないよ。ただ、死ぬほどせつないだけだ。
    この台詞だけで私はこの映画を忘れない。

    見ているだけの彼女が自分の部屋にやってきて、デートまでしてしまったら、欲が出てしまうのも当然。
    抑え込もうとしていたのに彼女がつついて出したのに・・・という感じ。ただただ切ないだけ。
    音楽がすごく素敵だと思って調べたらブラームスという事を知りました。名前は知っていましたが、聞いたのは多分初めてだと思います。映画の雰囲気を更に仄暗く、切なくしていて大好き。

  • 2002年 視聴

  • 自己表現の妙。
    変態草食中年男なのに何故か愛くるしささえ感じてしまう。

    愛しさと切なさと心強さと。
    好きって何?愛って何?という感じの作品でした。

  • 誰もいないとこでこんなことしちゃいます。という変態なところをリアルに描いていてよい。監督さんもきっと変態。もしくは原作者が相当な変態。
    あるクラシックの曲を使って、紳士な色合いとちょっと狂気じみて、かつ純愛で切ない気持ちを表してるとこがよい。
    髪結いの亭主のあのダンスが忘れられないけど、この映画も記憶に残る絵がたくさんある。
    リンゴあとのモロな絵とか、ボクシングのときのみんな格闘技に夢中なのにおじちゃんだけお腹に夢中なところとか。
    終わり方も。。。

  • この映画は確か20代半ばぐらいの時に一度観て、今日もう1回観るまでは記憶の中にぼんやりと好きな映画のうちの1つとして残っていました。結末は覚えていなかったのでちょっと意外でした。ハッピーエンドが良かった。でもどちらかというと好きです、この映画。

    http://eigabako.brexcel.co.jp/archives/473

  • 一人の女をひたすら見つめ続ける男と、2人の男を愛そうとした女。結局、罪がばれるのが怖かったから彼と一緒にいただけなのか。報われなさと、少し奇妙ではあるけれども男の一途さに胸が痛かった。

  •  パリに住む寡黙な仕立て屋イール氏の日課は、自宅向かいの建物に住む美貌の女性の部屋をクラシック・レコードをかけながら眺めること。ある日、突然その女性がイール氏を訪ねて来て、イール氏は彼女に積年の恋を打ち明け、パリではないどこかでの自分との新しい生活をしてほしいと語りかける。
     気色の悪いイール氏の内部で輝く無償の愛が素晴らしい。彼女に手ひどい裏切りをされても、
    「君の事を恨んでない。ただ死ぬほど切ないだけだ」
    という台詞が真骨頂。あとは覗き見の時にひたすらかかっているブラームスの曲が(間違ってたらすいません)、なかなかよかったです。うん。

  • フェティシズムを感じた。窃視症?
    妙な気持ち悪さ。ブニュエルの『小間使いの日記』みたいな。

    パッケージみたいに、イール氏が女性と向かい合ってない気がした。近くにいるのに直接見ていないというか。遠くからの方が見つめてる・見ている感じがする。

    ネズミさん、最後の線路への放置。
    刑事さんのダッフルコート可愛い。
    女性のこと。

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