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- / ISBN・EAN: 4988103240041
感想・レビュー・書評
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植物人間になった女性を愛してしまった男と恋人が植物人間になってしまった男。
この映画はただひたすらに植物人間になった愛する女性に愛情を注ぐ美談の映画ではない。 ストーリーがすごい。時間軸の見せ方もストーリーを盛り上げている。
悲しい話であるがバレーのシーンをはじめとした映像や音楽の美しさが中和してくれる。主人公二人の表情がいい。
見終わった後に涙は出ない。でも心に衝撃がずっと残る。 5点満点中7点の映画。
恋愛は美しさだけではない。恋愛は時に残酷で悲惨で狂気でさえある。そういったもの全部含めて恋愛であり、だからこそ恋愛は美しい。
私が思う最高の愛の映画。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2003年公開当時、友人が譲ってくれたギャガの試写会で観て以来9年ぶり。やっぱりアルモドバルでは1番好きだな。ピナバウシュも出てたんだね。
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ペドロ•アルモドバル監督作品にしばらくハマるきっかけになった作品。
何回も借りて見てるから、そろそろ買おうかな、とさえ思ってる。
たんたんとしてるし、大きな動きはあんまりないけどなんでか癖になる。人には勧めにくい -
冒頭、ピナ・バウシュの「カフェ・ミュラー」の舞台から始まります。
力強く胸に迫るダンスにいきなりグッと惹きつけられました。。
眠り続けるアリシアの髪や爪の手入れをし、
体を拭き、クリームを塗って念入りにマッサージする場面…が目に焼きついて離れません。
アリシア役のレオノール・ワトリングは本当に美しくて、同じ女性の目から見ても羨ましい限り♪
主人公ベニグノの献身的で異常な偏愛振りは不気味なのに、どこか哀しく美しい。。
成長期に狭い人間関係で過ごした事が原因で歪んだようですが、
もともと精神的に病んでいたのでは…と思うほど、この役者の表現は上手すぎます!
一方、感受性の強いマルコは少し繊細過ぎるけど健全な精神の持ち主。
2人の間に共通する“純粋さ”がこの友情を生み出したのでしょう。
ラストはまたピナ・バウシュの舞台。
この映画、美しい音楽&踊りの織り交ぜ方が絶妙ですね。
そこで出会い言葉を交わすマルコとアリシアに…私はかすかな希望を感じて、
清々しく観終えることができました。
やるせない孤独感やショッキングな事件に気が重くなりがちですが、
最高に美しくまた考えさせられる映画でした。 -
画面から一秒たりとも目を離せない。練りに練られたストーリーにいつまでも続く緊張感。アルモドバル監督作品の中では、今のところこれが一番好きです。
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哀しい愛のハナシ
私は、この映画を恋愛映画として、私の今まで見てきた映画の中でかなり高い位置におきたいと思う。
ラブストーリーだと考えると、男女の間で交わされる言葉は少ない。
だけど、これは間違いなく愛の映画。
愛するがゆえ。
そんな言葉が頭をよぎる。
愛するがゆえ、24時間見つめていたいと思う、感じていたいと思う、すべてを手に入れたいと思う。
愛するがゆえに、去る。涙を流す。
平たく言ってしまえば異常性愛の話
強すぎる愛を異常と呼ぶか、否か
それを狂気と呼ぶには、あまりに静か過ぎる。
音のない映画のように、ベニグノの歪曲した狂気はじんわりと心の中に染込んで、
漠然と、ああ、かなしい、としか思えなくなる。
そして、マルコ。
リディアへの愛。元カノへの愛。ベニグノへの愛。
彼の愛は真っ直ぐすぎる。彼は物語の中で一度だって間違いを犯していないようにも思える。
なのに哀しい。
『何かに感動すると 彼女のいない虚しさに泣いた』
でも、最後は・・・初めて少し、温かい気持ちになれる。
しっとりとした感動を残したまま終わっていく。
とても、美しい。
芸術です。
非英語圏の映画のほうがこういう映画に優れてるとおもいます。
特に、フランス、スペインは、日本人と気が合うんだろうな。
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たとえば自分の内臓。 気持ち悪いけれども、愛おしい存在。 そういう感覚を呼び起こすのが、スペインの監督アルモドバルの作品たちです。
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好き嫌いがはっきりするでしょうが…私は好きです。
昏睡状態の女性を愛するベニグノの愛の形は特殊かもしれない
、愛するがゆえの行動なのです。