愛人/ラマン 最終章 [DVD]

出演 : ジャンヌ・モロー  ヤン・アンドレア  ジョゼ・ダヤン  エメリック・ドゥマリニー  タニア・ロベール  マルグリット・デュラス 
  • ハピネット・ピクチャーズ
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4947127525893

感想・レビュー・書評

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  • 別題『デュラス 愛の最終章』

  • デュラスの作品をそれなりに読んできたせいか、
    より立体的にこの映画を堪能できたと思う。

    少女時代、インドシナで翻弄に翻弄された家庭生活。
    そこに端を発する、他者との間の強い違和感。

    孤独には馴れっ子になり、他者によりどころを見つけられないぶん、
    「書く」という行為でかろうじて自分を肯定、
    いわば、「書く」ことに依存せねば生きられないー。

    とてもエネルギーのいる人生、だと思う。

    そこに、親子以上に年が離れたヤンが現れ、
    せきとめてきた他者に甘えたい気持ちが
    一気に溢れ出す。

    上機嫌のときはヤンに包容力のひとつもみせるが、
    次の瞬間には、当り散らしては彼を振り回し、
    老いや死への恐怖とあいまって、
    その愛が本物かどうか試さずにいられないデュラス。

    「こんな私でも、ほんとにいいの?」と。

    圧倒的な才能というのは欠落とひきかえなのかも。

    われわれは才能があるだけでうらやましいと思ってしまう。
    生み出された作品が時を越えて愛されることなどは特に。

    けれど、作品を通して自分の存在が承認されていても、
    今この瞬間、直に「甘えたい」、他者とつながりたいという
    根源的な欲求をけして捨てることなどできないのが人
    というものなのかもしれない。

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