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- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4947127525893
感想・レビュー・書評
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デュラスの作品をそれなりに読んできたせいか、
より立体的にこの映画を堪能できたと思う。
少女時代、インドシナで翻弄に翻弄された家庭生活。
そこに端を発する、他者との間の強い違和感。
孤独には馴れっ子になり、他者によりどころを見つけられないぶん、
「書く」という行為でかろうじて自分を肯定、
いわば、「書く」ことに依存せねば生きられないー。
とてもエネルギーのいる人生、だと思う。
そこに、親子以上に年が離れたヤンが現れ、
せきとめてきた他者に甘えたい気持ちが
一気に溢れ出す。
上機嫌のときはヤンに包容力のひとつもみせるが、
次の瞬間には、当り散らしては彼を振り回し、
老いや死への恐怖とあいまって、
その愛が本物かどうか試さずにいられないデュラス。
「こんな私でも、ほんとにいいの?」と。
圧倒的な才能というのは欠落とひきかえなのかも。
われわれは才能があるだけでうらやましいと思ってしまう。
生み出された作品が時を越えて愛されることなどは特に。
けれど、作品を通して自分の存在が承認されていても、
今この瞬間、直に「甘えたい」、他者とつながりたいという
根源的な欲求をけして捨てることなどできないのが人
というものなのかもしれない。
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