MEMORIES [DVD]

  • バンダイビジュアル
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569617637

感想・レビュー・書評

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  • 『AKIRA』の大友克洋だし、『パプリカ』の今敏だし、『魔女の宅急便』の森本晃司だし、『攻殻機動隊』の岡村天斎だし、音楽は菅野よう子や石野卓球らだし、と刺さる人には刺さる天才たちの競演によるオムニバスアニメーションです。
    スペースオペラの物語は、SFに対する変態的なまでの執着とオペラを冠するだけある重厚な物語で、凝縮された複雑怪奇な世界に対して、ラストの開放感はある種の恐怖感を残す、精神的なジェットコースターを味わえます。
    その次に、面白SF物語は、物語は破綻していますが、そこをツッコむことなくただただ変態的に細部までこだわった作画と飄々とした物語を楽しむのが良いです。
    ラストは大友克洋本人による短編物語で、当時のCMにはよく使われていた気がします。こちらも独特すぎる世界観ですし、ショートショートであっという間に終わるので、評価は分かれそうですが、その短い時間に変態的に濃縮された作画や思想はスルメの様に噛めば噛むほどという物語になっています。

  • ハインツとミゲルの物語が一番好き。
    記憶と幻覚が入り交じりどれが現実なのか分からなくなり飲み込まれていく二人。
    記憶は逃げ込む場所じゃないとエヴァの誘惑をはね除けたハインツとは対照的に、どっぷりと飲み込まれたミゲル。果たしてどちらが幸せなのだろうか。
    カルロとして死ぬまでエヴァの記憶に捕らわれるのと、娘の死を受け入れたハインツ。彼が絶叫しながらエミリーの死体を抱え上げようとしているシーンが怖かった。
    エミリーの声が本職の声優ではなく、本物子供が演じているので余計に落下していく姿と力なく叩きつけられる姿がゾッとするんですよね。
    ハインツは生きて脱出出来てホッと出来たけど、待機した二人と合流できたのか分からない終わり方と思いの外、重厚だった物語のあとの「おはよう やまなし」の軽妙なメロディー。
    最臭兵器には良い意味で力が抜けました。
    なんど見てもあきない物語です。

  • 短編三本
    ・マグネット ローズ
    声を失った貴族女優が宇宙の孤独で求めた夢とは? それでもSOSを発信して人を求めた機械の夢とは? 今敏監督。

    ・skunk smell
    いや人が周りでばったばつた斃れていって何も思わない?言われたことしかできない本当にやばい奴っているよね笑 職場がそもそもやばかったけど あんな環境で薬作られてたまるか笑 大前田所長、まず鍵かけろ笑 対応後手後手報告ギャグとかもなんとも皮肉でした

    ・大砲の街
    ちっちゃなこどもが憧れのまま大きくなってみる

    音楽、卓球じゃん仕事してる〜ってかめちゃくちゃ好かった

  • 制作年:1995年
    監 督:大友克洋、森本晃司、岡村天斎
    声 優:磯部勉、山寺宏一、高島雅羅、飯塚昭三、堀秀行、羽佐間道夫、林勇、キートン山田
    時 間:113分
    音 声:日:ドルビーデジタル5.1ch/ドルビーサラウンド


    「彼女の想いで…」2092年の宇宙空間。
    ハインツとミゲル、イワノフ、青島の四人は、宇宙に浮遊する難破船など、いわゆる宇宙のゴミを回収する業者をしていた。
    ある日のこと、彼らは宇宙の墓場と呼ばれるサルガッソー宙域から『マダム・バタフライ』のオペラと共にSOS信号をキャッチ。
    早速救助へ向かうが、そこには巨大な薔薇の形をした宇宙船が浮遊していた。
    潜入したハインツとミゲルは、中で立派なお屋敷やオペラ劇場を発見する。
    調べを進めていくうち、それが21世紀初頭の天才的ソプラノ歌手エヴァの遺品の数々であることが分かった。
    しかし、やがて二人はそこに巣くうエヴァの情念によって幻想世界に惑わされることになる。
    忌まわしい過去の記憶を蘇らせられたハインツは、エヴァが愛した男との秘密を暴き、脱出を図った。
    しかし、宇宙船は爆発を起こし、全ては宇宙の藻屑と化してしまう。
    からくも命だけは助かったハインツは、藻屑と共に宇宙を浮遊するのだった。
    「最臭兵器」甲府にある西橋製薬に勤める田中信男は、その日、風邪で体調を崩していた。
    彼は、同僚に勧められた新薬サンプルを服用したが、実はそれは政府の極秘の依頼で開発中の、服用した人間から発生されるガスによって周囲の人間を一瞬にして意識不明にしてしまうという細菌戦用兵器だったのである。
    会社の応接室で仮眠をとって、翌朝目覚めた田中は、同僚たちがバタバタと倒れる様子を見て驚かされる。
    慌てて東京の本社に連絡を取ると、極秘資料とサンプルを、なるべく人と接しないようにして東京へ運んで来いとのことだった。
    急いで会社を出る田中は、彼が行くところ行くところに人はおろか鳥や獣までもが仮死状態で倒れていることに戦慄を覚える。
    東京の本社は政府機関に連絡を取るが、政府はその男を抹殺せよとの決断を下した。
    政府は自衛隊を派遣して田中を攻撃するが、田中もなかなかしぶとかった。
    ついにアメリカ軍が開発した宇宙服まで持ち出され、田中抹殺作戦が決行される。
    中央高速のトンネルの中で勝負はついたかとみられたが、作戦成功にわく政府に戻って来た宇宙服の男は実は田中だったのだ。
    極秘資料とサンプルを運ぶという自分の使命を果たした田中は、本社の人間を前にヘルメットを脱ぐのだった。
    「大砲の街」その少年が住んでいるのは、無数の大砲で重装備した移動都市だった。
    現在、敵国との戦争の真っ最中で、テレビからは「撃てや撃て力の限り街のため」などという標語が流れている。
    少年は学校で砲撃の勉強に勤しみ、父は17番砲台の装填手として働き、母は砲弾製造工場にパートに出ている。
    今日もいつもと変わらぬ戦火の一日が始まり、やがて暮れていく。
    そんな日々を繰り返す少年は、将来、父のような重労働だが地位の低い装填手ではなく、花形職種の砲撃手になりたいと夢に描くのだった。

  • んー…まあ、雰囲気映画って感じでしょうかねぇ…画のクオリティはかなりのものだとは思いますけれども…まあ、時代を感じますよね。

    お話の内容は…特にこれといった感慨はもたらしませんでしたかねぇ…短編集と言うよりも何か、ストーリーの一部を切り取ったかのような印象を僕は持ちましたねぇ…。

    というわけでボーっと観ていたら大した感慨もなく観終えてしまいました…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • ありきな内容の小編3編。
    見所は3編目の作品のカメラワークぐらいかな。

  • 3つの中では大砲のがよかったかな

  • 3編の短編からなる本作。どの作品も作風や空気感が異なる。
    ただ、どれも完成度の高いSF世界であり、気づけば熱中してしまう。飽きずに通して観れる良作。


  • ・彼女の思い出。ヒロイン(?)の霊が吹き飛ばしながらオペラを歌う場面など迫力がある。
    ・男の娘は亡くなっていた事が後からわかるような構成素晴らしい。
    ・「思い出は逃げ込む場所じゃない」
    ・最後に男の宇宙服の中に花びらが入っていた事がわかる一瞬のシーン、たったそれだけだが、もしかしたら彼女が助けたのかもしれないなど想像できる終わり方すごく良かった。
    ・最終兵器はただただ面白かった
    ・面白いのにかっこいい演出をしている
    ・終わり方も力が抜けるようなあっけなさで良い
    ・大砲の街 絵のタッチが面白くそれだけで見ごたえのある

  • オムニバス式の映画で3編入ってる。

    まず1に宇宙のゴミ処理屋さんがSOS信号をキャッチし発信源まで助けに行くお話。
    2つめに風邪薬と思って飲んだ薬が危険な兵器でした〜でも本人は気づかない〜って話。
    3つめが大砲の町の話。

    どれもこれも大変面白いですが、
    まず1の宇宙のゴミ処理屋さんの話はいろいろ考えさせられるともいます。といっても小難しいはなしではなく、単純なんだけども、もし、こんな状態、こんな機会に遭遇したら・・・と思うと。考えさせられます。
    この話のすごいと思ったところはキャラクターも最初の4,5分でキャラクターの位置づけ、状況、世界間、この3つがすべて理解できるようになってたところ。これは短編だからという魅力のうちにも入りますね。
    結構、最近の映画は何が起きているかわからないまま10分経つとかザラですし、ストレスが溜まります。

    次に2の兵器〜は題名『最臭兵器』といいます。誤変換ではありません。
    主人公が風邪クスリだと思ったのが実は臭い匂いを出し続ける兵器になり得る薬でした。
    その主人公を取り巻く、というか捕まえるために奮闘する大人たちがかなり面白い。

    3つめは大砲の街です。
    ほかの2つと比べたらかなり時間が短いと思います。
    予想ですけどこの話は大友克洋監督の趣味100%で作られた映画だと思います。
    この話は大砲の街という舞台で人々はどのように生活しているかという世界観を書いただけの異色の作品なんです。
    僕はこの人の世界観が大好きなので終始興奮しながら見ましたけど。
    それとこの大砲の街の凄い所は、1カットで街の全てを描くんですから驚きました。世界で一番長いワンカットでしょうね。

    大友克洋さんの他作品を観て『あ、面白い』と感じた方は間違いなくこの短編集映画も面白いと捉えることでしょう。

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