メメント [DVD]

監督 : クリストファー・ノーラン 
出演 : ガイ・ピアース  キャリー=アン・モス  ジョー・パントリアーノ 
  • 東芝デジタルフロンティア
3.77
  • (320)
  • (547)
  • (462)
  • (56)
  • (21)
本棚登録 : 2445
感想 : 432
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427651937

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2000年公開のアメリカ映画。


    妻を殺害されたショックで
    記憶が10分しか保てなくなった男が
    自ら犯人を追いつめていく様を
    大胆且つ複雑な構成で見事に描いた、
    何度でも見たくなるサスペンス。



    コレ公開当時劇場で観たけど、
    その時の衝撃ったらなかったなぁ〜(≧∇≦)


    今はDVDがあるから
    正常な状態で見ることもできるし、
    ストーリー自体は
    なんてことはない話だけど、

    なんと言っても
    その発想が斬新!


    モノクロとカラーを上手く使い分けながら、
    ドラマで言えば
    なんと、最終回から順にさかのぼって、
    何が起きたのかを
    徐々に見せていく手法で、
    (つまりラストシーンから始まるのです)

    公開当時
    かなり話題になりました。


    だけども
    10分しか記憶が保てないという設定は
    斬新ではあるけれど、

    その都度シーンは
    過去に戻り
    ストーリーが途切れ途切れになるので
    観客を置き去りにする危険性があるんですよね…


    しかしそこは
    後に『ダークナイト』や
    『インセプション』のヒットで
    巨匠の仲間入りを果たすことになる
    クリストファー・ノーラン監督!


    その片鱗を見せつけるかのように
    観客の興味を惹きつけながら、

    あくまでもエンターテイメントとして
    映画的カタルシスに結びつけた手腕には
    心底驚いたし(◎o◎)


    何よりその発想の妙!


    ある意味やったもん勝ちなアイデアなんやけど、

    それでもパイオニアは
    無条件にスゴいし
    偉いんです(笑)



    観る者を圧倒する
    主人公レナード(ガイ・ピアース)の
    妻を殺した犯人への凄まじい執念。


    簡単な記憶は
    忘れてもいいように
    ポラロイドカメラで撮り、

    掴んだ大事な手がかりは
    決して忘れないために、
    その都度レナードは
    自らの体に
    刺青として残していくんです。


    妻を亡くし
    記憶を失くした主人公の
    哀切が痛いほど伝わってきて
    胸が痛くなります。



    復讐の永遠のループが
    なんとも切なくて、
    やりきれない作品ではあるけれど、

    曖昧な人間の『記憶』とは
    何かということを
    考えさせられるし、


    大絶賛した
    スティーヴン・ソダーバーグ監督や
    後続に与えた影響も含めて
    一見の価値はある作品だと思います♪

  • 内容(「キネマ旬報社」データベースより)
    クリストファー・ノーラン監督が、時間軸を解体した斬新な設定で描いた異色サスペンス。10分しか記憶を保てない前向性健忘に陥った男が、妻を殺害した犯人を探し始めるのだが…。






    観る前に少し検索して 時間軸が逆行することを知っていたので 思っていた以上に楽しめましたが 知らなかったら訳が分からなくなっていたかもしれません。カラーのシーンとモノクロのシーンは観ている時は意図がよく分からずに観ていました。

    観終わって すごい発想だなと思ったのと同時に なんだかやるせない思いでいっぱいでした。
    人間は日々、記憶を自分の都合の良いように上書きし生きていると思っていますが それは前に進むためにある程度は必要だとも思っています。
    これで良かったんだと思わなければ 過去を振り返ってばかりいてしまうのだろうし...
    主人公のレナードは復讐だけが生きる意味になってしまっていたのかなぁ...そうならとても寂しすぎます。

  • 目の前で妻を殺されたショックで10分しか記憶が持たないという前向性健忘という記憶障害に冒されたレナード。接触した人物や場所はポラロイド写真を撮り、名前やメモを書く。覚えておく項目は、タトゥーにして身体に刻み込む。妻を殺した犯人を追う中で明らかになる意外な真相とは?
    物語の結末からさかのぼって語られる斬新な展開で、見る度に新たな発見があり、みごとに見る人を裏切ってくれます。クリストファー・ノーランが、これが監督2作目と思えない完璧主義の演出に、脱帽します。

  • 10分間しか記憶を保てない前向性健忘症のレナードが、妻を殺した犯人を自力で見つけ出し復讐したのだが・・・というストーリー。

    時系列が現在から過去へと遡っていくカラーパートと、時系列順のモノクロパートが、断片的に織り交ぜられており、最後にその時系列が交差したところで、事件の全貌が分かる。

    前向性健忘症を利用した発想と構成が素晴らしい。

  • 我ながら意外の初見。

    主人公と同様に、
    観ている側も一体何が起きていて、
    今はいつなのか、
    ここはどこなのかわからなくなる。

    おもしろい。
    もう一度観ないと、十分理解できないけれど、
    体験が大切な物語だろう。

    もっとも恐ろしいのは己ということか。



    そして途中から集中が度々途切れたのは、
    この女性って誰だっけ?
    の思考で、
    マトリックスのトリニティだと思いだして、
    やっとスッキリしたw

  • 天才クリストファー・ノーラン監督の最初の長編?2作目?そんなの。
    頭フル回転させて真剣に観たけど(笑
    ついていくの必死。

    まず、主人公レナードの奥さんが強姦・殺害され、警察があてにならないから自分で犯人を探し、復讐しているんだなぁ?
    って言うおおまかなあらすじが見えます。
    もともとレナードは保険会社の調査員であり、自分と同じような前向性健忘症の患者を調査したことがあるので、その患者サミーのようなへまはしない、おれはとにかくメモる!!と何かにつけて言ってる。

    映画の作りは時系列が反対に作られており、また合間にモノクロ部分があります。このモノクロ部分は主にレナードが電話で誰かにサミーについて話している部分。

    結局、レナード自身が愛する奥さんを死においやり、その事実を受け止めることが出来ずに強姦されたときに殺害されたんだ、、と犯人に復讐することで自らの命を長らえている。
    テディはそんなレナードに協力しながらも記憶障害を利用して麻薬密売人から金をふんだくったりしてぼろもうけ。
    レナードは他のナタリーなどからも利用されていたんでしょう。

    記憶が10分しかもたないだなんて、、、、、
    せつなすぎます。
    記憶の蓄積があって、はじめて対人関係もなりたつんだし、あんなポラロイド写真とメモだけでは間違った記憶ができたりする
    テディを犯人と決めたのとか、ナタリーが親身になってくれてるとかって間違った判断で作ったメモだもんね。

    あああああああああああああああああ
    難しすぎて頭が痛い。

    最初、気付かなかったけどナタリー(キャリー=アン・モス)はマトリックスのトリニティーですね、、マトリックスの方が先にできてるけど老けてた(笑

    そして回想にしか出てこないレナードの妻はCSIのサラでしたよ~~
    サラ!!映画にも出てたんだ♪

  • ノーラン作品はややこしい(笑)

    でも、この作品はシビれた(^o^)/

    この雰囲気好きです。

    デビッド・ボウイの歌がハマる。

    エンディングで余韻に浸れる(^o^)/

  • 『インセプション』もよかったけれど日常で現実的な分、こちらがより好み。この映画もまず発想の勝利。インセプションが多層ならこちらは断片。過去がないとアイデンティティが確立できないと言われるけれど、ある時点より昔はあるがそれ以降は10分間しか記憶が保てないというのも怖くて周りも自分も信じられないアイデンティティの崩壊を招きそうなことなんだね。観ている方も色々と疑って観るんだけどそれでも主人公と同じく騙された…最後に最も信じていた者に。
    自分の理解度が正しいか映画の解説サイトで答え合わせしたけれど、細かい所は分かってなかった。でも悔しくはない。監督凄いとあらためて思う。

  • 『やつのウソを信じるな・・・』

    と書かれた一枚のポラロイド写真。
    主人公は10分間しか記憶できない男レナード(ガイ・ピアース)。
    彼の記憶を唯一証明してくれるものが、男自身が撮った写真、メモ、そして最も大事な情報を彫った全身の刺青。

    男の目的は一つ。
    妻をレイプし殺害した犯人を捜し出し、復讐すること…。

    ストーリーを書いてしまうとこうなるのだが。
    本作では、「時間軸」は最後に当たる部分から始まる。そこから大まかに10分ずつ過去の出来事が映されてゆく。つまり過去へ過去へと時間軸を逆行するわけだが、その合間合間に順行する話がモノクロで映されてゆき、やがて「逆行と順行が出会う時間軸」で真実が明かされるというストーリー形式になっている。

    このように展開する映画は今まで観たことがなかった。
    なんとも新鮮かつ斬新、ユニークな構造で作り上げたクリストファー・ノーラン監督のデビュー作である。記憶や思い出(=メメント)というものの不確かさを痛感させる面白さがある。

    この構成によってサスペンス性を作り出しているのが、この作品のうまいところで、短期の記憶しか持たないレナード同様、観客も情報がないままにストーリーを追わなければない。十分に頭の整理がつかないまま、10分ずつの細切れの時間を観客は体験することになる。時には人にだまされ、殺されそうになるレナード。しかし記憶がないためその理由がわからない。その心細さを観客も共有することになる。

    記憶はもたないが、事実は変わらない。

    レナードは事実に苦しんで自分の中での「真実」を作り上げてゆく。記憶を持たない彼にとって、「真実」を作ることは容易。10分前に会った人や得た情報も忘れてしまう以上、彼にはタトゥーや写真、メモなどの記録にすがって生きるしかない。「正常」な思考はできるので、その記録を改ざんしてしまえば、事実は変わらないが自分の中の「真実」は変更できる。また、誤解に基づく間違った記録を作ることでも「真実」は出来上がる。
    そして、「真実」を繰り返し反芻することで、事実から救われる。
    この点が本作の伝えたいこと、つまり一番肝心な部分だと思う。(←個人的に)

    テディは「誰にでもある」と言う。観客である我々にもあるのかもしれない。

    『忘却は人間に与えられた最大の救いの道であり、最大の罪。』

    忘れてしまえば楽なこともたくさんあるし、逆に忘れられてしまうとすごく悲しい。

    なんだか自分はこれを観終わった後、妙に切なくなったのです…

    だってすでに今日食べた朝ごはんの献立を忘れていたのだから…(笑)

  • 冒頭から、話の筋と前後の繋がりが、なんのこっちゃわからんかったけど、1歩進んで2歩さがる水前寺清子マーチ的な法則で構成されてると気付く。
    最後まで観終わってから、結末(という始まり)を知った上で、改めて2周目観賞が醍醐味?あるいは、
    時間が進んだり戻ったりせず、最初から最後まで一気通貫で流れる話やとしたら、逆におもしろくないのか?
    いや、そうだとしても元々おもしろい話なのか?とか、色々思うと楽しい。

    復讐を果たしたことを忘れ、「復讐せねば」と思い込み、自分が殺した復讐相手をまた探し、無関係の別人を復讐相手に仕立て上げて、また殺す。
    少し先の未来は計画を立ててコントロール出来るのに、少し前の過去を忘れてしまう。虚実わからぬセピア色の記憶。
    妻殺しアルツハイマーのサミーは架空。
    セピア色の記憶の中で電話し続けているその話し相手は誰じゃ?あの警官か?
    レナード本人が自覚してるように直近10分間のみの記憶しか保存できないというよりも、何かしらの「扉」が閉まる音が、記憶が失われリセットされる引き金になってる気がするなぁ。
    観終わった直後に、またすぐ観たくなる映画は少ない。

全432件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×