ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

監督 : ソフィア・コッポラ 
出演 : ビル・マーレイ  スカーレット・ヨハンソン  ジョバンニ・リビシー 
  • 東北新社
3.44
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  • (36)
本棚登録 : 2025
感想 : 353
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933364611017

感想・レビュー・書評

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  • コレ何回観たかなぁ〜(笑)

    繊細な色調と、
    切ない話なのに
    わざとあっさりと作ってる感じが好き。

    あとアメリカ映画とは思えない
    独特な『間』や

    情緒、儚さ、曖昧さを見事に映像化した、
    日本人の琴線に触れる
    切なさの質感。湿度。

    セツナフェチの自分のツボを
    これでもかと突いてくる、
    どストライクな
    映画でした(笑)(>_<)

    孤独感を共有し、
    二人が次第に惹かれあう過程や、
    異国での寂寥感も
    うまく描いていたと思います。

    今作を人種差別映画だという声も聞くけど、
    全くもって見当はずれだと思う。

    アメリカ人から見た、
    異国でのアメリカ人の寂寥感を描いた映画なので、

    日本人を意思疏通の出来ない相手との捉え方は
    仕方ないことだと思うし。

    日本人批判ではなく、
    むしろ繊細さや
    ワビサビの心情、
    切ないという感覚を含む
    『曖昧さを良しとしない』
    アメリカ人に向けて
    メッセージを発した作品だと自分は捉えています(^_^;)

    サントリーウイスキーのCMの撮影で来日した
    ハリウッドスターという役柄の(笑)
    ビル・マーレイは、
    ベテランらしく表情だけで
    コミカルさと
    繊細な孤独感を表す
    さすがの演技やし、

    夫の仕事について東京にやって来た
    孤独な新妻を演じた
    スカーレット・ヨハンソンは、
    当時まだ無名だったけど
    心の揺れや
    感情のうつろいを
    充分に堪能できる好演で
    おそろしく綺麗で輝いています。

    それにしても
    これまた当時まだ無名だった
    ソフィア・コッポラ監督の
    映像・音楽的センスはスゴい!!

    ラストに流れる
    ジーザス&メリーチェインや、
    マイ・ブラッディ・バレンタイン、

    ビル・マーレイがカラオケで歌う
    ロキシー・ミュージックの
    『More Than This』、
    そしてエンディングには
    なんと
    はっぴいえんどの名曲『風をあつめて』を流すなど、
    その選曲の妙にも唸ります!


    日本人の知らない
    日本という国の美しさに気づかせてくれたり、

    切なさの色を閉じ込めた映像を
    見せてくれたことでも、
    自分にとっては
    本当に忘れられない作品です。


    同じくソフィア・コッポラ監督の
    『ヴァージン・スーサイズ』
    と共に
    サントラも
    強く強くオススメします!!(^O^)

    • andesapresriam12さん
      円軌道の外さん、ご無沙汰してます!花丸、コメント有難うございます。最近レビューを書いていないのに昔のものに有難うございます。

      大変な怪...
      円軌道の外さん、ご無沙汰してます!花丸、コメント有難うございます。最近レビューを書いていないのに昔のものに有難うございます。

      大変な怪我だったんですね(>_<)。あまり無理をなさらないようにしてくださいね!

      私の方は最近また忙しく、資格の勉強は全くできていません(+_+)でもDVDを見る時間はあるのでその時間に勉強すればいいのですが…。

      お酒は好きなので私も東京にいたら映画の話でもしながら飲みたかったですね!

      健さんは本当に残念ですね。次回作の準備をしていたそうなのであと一本見たかったです。

      話は変わりますが、最近になってやっと気になっていたロスト・イン・トランスレーションを見ました。
      主役の二人が肉体関係にならなかったのが良かったですね。今年見た40本くらいのDVDの中では一番良かったです。

      ところでまたまた話は変わりますがエリザベス・シュー良かったですよね。私は昔、好きな女優は誰かと聞かれたらエリザベス・シューと答えていたんですよ!ベストキッドも彼女を見るために何回も見ました!ちなみに最近はスカーレット・ヨハンソンが気に入っています。

      DVDデッキを是非買っていただいて、映画のレビューも期待していますので宜しくお願いします!
      2015/04/25
    • andesapresriam12さん
      円軌道の外さん、こんにちは!
      こちらこそ昔書いた一行のレビューにまで花丸してもらい恐縮です(>_<)

      私は顔には出ないですがお酒は強...
      円軌道の外さん、こんにちは!
      こちらこそ昔書いた一行のレビューにまで花丸してもらい恐縮です(>_<)

      私は顔には出ないですがお酒は強くないです。

      飲む量は少ないですが、ドイツビール、白ワイン甘口、泡盛、ウォッカが好きですね。スカイツリーのところにある「世界のビール博物館」にはよく行きました。大阪にもありますが行かれたことありますか?

      ウイスキーは大学の時にはよく飲みました。京都の大学だったので、よく木屋町で飲みましたよ。
      梅田や心斎橋の映画館にも時々行ってました。古い映画好きなので心斎橋でリバイバルで見たジャン・ルノワール監督の「大いなる幻影」は強烈に印象に残っています。機会があればいずれ是非飲みたいですね!

      「真珠の耳飾りの少女」と「ロスト・イン・トランスレーション」は同じ年に公開してますね。演技の印象が大分違うので驚きでした。スカーレット・ヨハンソンは幼少の頃から映画に出てたみたいですね。

      「マッチポイント」は仏映画情報サイトPREMIEREのフランス人ユーザーが選ぶお気に入りのウッディ・アレン監督作品の第3位という高評価なので気になっていました。近いうちに見ようと思います。

      「攻殻機動隊」は見たことがないんです。いきなり実写を見てもわかりますでしょうか(^^)?

      最近全くレビューを書いていなかったですが、またぼちぼち書こうと思います。
      2015/05/10
  • 映画大好きポンポさん3で、映像表現をテーマに取り上げられていた1本。

    異国の地トーキョーで寂しさを抱えるアメリカ人男女が出合い別れる話。
    通訳がわざとかと思うほど断片的にしか訳さないので混乱するハリウッドスターが見ていて可哀そうだった。
    異文化都市トーキョーで浮いているふたりの主人公が、トランスレーションの狭間で迷子になる、と同時に同国人の配偶者たちとも上手くコミュニケーション取れないという寄る辺なさが、しっとりとした間と落ち着いた映像に表れている、気がする。

    端的に言って好きな映画だった。
    名前だけよく聞く監督さんだけど他のも観てみようかな。最近新規開拓できていなかったし。

    20年前の東京の、スマホのカメラで撮ったんかなというような飾り気のない風景や風俗が(西洋人パートは今見てもおしゃれなのに、日本パートは)古臭く感じるのが面白い。
    日本人の英語がめちゃくちゃ聞き取りやすいのにハリウッドスターはぼそぼそ言ってて何言ってるかよくわからんのはあるある。

  • 初ソフィア・コッポラ。

    伴侶とは決定的にすれ違っているわけではない。
    ドラマチックな事件に巻き込まれたわけじゃない。
    自分の日々の営みの歯車が少し思いとは違う方向に回ってしまって
    向き合うべき心がそう出来なくなることとは
    こんなにも寂しいものなのでした。

    ビル・マーレーのペーソス溢れる表情
    スカーレット・ヨハンソンの物憂げな視線

    映画スターも写真家の新妻も最初から最後まで見事に寂しかった。

    日本の湿度、色、そして東京という街が
    こんなにも寂しいのかとあらためて気付かされた。
    観てるこっちも寂しくなっちゃった。

    最後の最後にちょっとドラマチック過ぎるかとも思えたが
    フッとした救いがあって助かった。

    この類の「外国の目が見た日本」が舞台になっている映画で
    「日本人の私達の目に映る粗」を云々言うのは野暮というもの。
    これはアメリカのアメリカ向けに作った映画で
    決して山田洋次作品ではないのだから。

    異文化社会でポツンとした存在になってしまった様子を
    十二分に醸し出していた。

  • 幸せなはずなのに、ひとりぼっち


    日本にやってきたハリウッドスターと
    フォトグラファーの旦那についてきた女性
    たまたま同じホテルにとまった二人が出会い
    東京という街で心を交わしていくそれは
    淡い恋心にも似ている。

    別に特別不幸なわけでもなく
    どちらかと言えばわりと幸せ
    だけれどふとした瞬間に感じる孤独感、空虚感
    東京がそれを余計に煽り加速させていく

    外国人から見た東京という街はこう見えているのか
    と、思うと同時に、東京の空の美しさが垣間見える
    ネオンや高層ビルの隙間から見える夕焼け
    ホテルの窓から見える曇り空
    それはそれで美しいものがやはりある。

    ホテルの幅のある窓枠に座り込んで
    外を眺めるシーンは、個人的になんとも言えないものがあった

  • ( ^o^) Sofia Coppola監督作。Sofia Coppolaらしい繊細で美しい映像カットで男女、夫婦、友人の微妙な関係を描く。舞台が東京というのもいい。
    とにかく本作は、大好きなScarlett Johanssonの純粋無垢な魅了が爆発。たまりませんワ(The Islandでも感じたナ)。サントリーウイスキーを傾けながら何度でも観たい作品だ。
    エンドロールではなんと はっぴいえんど の「風をあつめて」。ラストシーンの余韻の後にこの曲、ニクい。
    ところで先日あるフランス人と飲んでる時、「初めて日本(東京)に来た時は、とにかく右も左もわからず、まるでLost in Translationのビル・マーレイのようだったよ」と言ってたが、アイツ、そんなイイ思いしてたのか?!(笑)

  • 異文化のなかで、気が付けば一人ぼっちになってしまった男女が、孤独の引力に導かれて接近し、また自分たちのあるべき場所へと帰ってゆく様子が描かれている。

    言語、性別、年齢、仕事…考えてみれば、いろいろなところで僕らはすれ違い、その隙間を埋めようとして、でもやっぱり必ずすれ違ってしまう。相手の口にすることや態度をうまく自分なりに翻訳して理解しようとするけれども、その途中で必ず、伝わりきらない何かが失われてしまう。ソフィア・コッポラはそうした意味での“lost in translation”を東京という街を通して巧みに具現化している。
    “トーキョー”はそんな孤独を許してくれる街のような気もする。

    ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソンの言葉少ない演技も深く、魅力的である。

    雑踏の中に紛れて交錯する無数の物語があの街にはある。その彷徨のなかにこの物語もきっと溶けている。

  • 封切り時に観て以来、20年ぶりに再見。もう20年も前の映画であることに驚かされる。

    初見のときにはこんな感想をブログに書いていた。
    ---------------------
    CM撮影のため来日した大物俳優(ビル・マーレイ)と、写真家の夫の仕事のため来日した若妻(スカーレット・ヨハンソン)。

    俳優は身過ぎ世過ぎの仕事に倦んでいる。女は、仕事で飛び回る夫からホテル(新宿のパーク・ハイアット東京)に放置された状態で、寂しくてたまらない。そんな2人が、ホテルのラウンジで出会う。

    2人の淡い恋と並行して、彼らが東京の街で出合う出来事がスケッチされていく。ネオン輝く東京の夜景が、こんなに美しく撮られた映画はいままでになかったのではないか。

    ともに自分を見失っている状態にある2人が、東京でのささやかな冒険を通して「自分探し」をする物語ともいえる。だが、最後まで「自分」は見つからず、途方に暮れた宙ぶらりんの状態でストーリーは終わる。

    カルチャーギャップが随所で笑いを誘う知的なコメディでもある(タイトルは「翻訳の過程で意味やニュアンスが失われてしまうこと」を意味する)。

    「出てくる日本人が過度に戯画化された、日本蔑視映画」という評価も目にしたが、私にはその点は気にならなかった。“初めて来日したアメリカ人から見れば、ま、日本人はあれくらい滑稽に映るだろうな”という許容範囲内だと思う。

    ただ、淡いスケッチの積み重ねで成り立ったストーリーは起伏に乏しく、映画的な盛り上がりに欠ける。なぜこの作品が「アカデミー・オリジナル脚本賞」なのかと、首をかしげた。
     
    ストーリーよりは「気分」を味わい、全体よりはディテールを愉しむべき映画。
     
    たとえば音楽好きなら、トリヴィアルな愉しみ方ができる映画だ。
    カラオケボックスで、ビル・マーレイはロキシー・ミュージックの名曲「モア・ザン・ディス」を歌い、スカーレット・ヨハンソンはプリテンダーズの「恋のブラス・イン・ポケット」を歌う。

    来日中のハリウッド女優役のアンナ・ファリスがホテルのバーで戯れに歌うのは、カーリー・サイモンが歌っていた『007/私を愛したスパイ』の主題歌。 
    そして、エンド・クレジットに流れるのは、我らがはっぴいえんどの「風をあつめて」だ。
    音楽の使い方はすこぶるセンスがよい。
    ---------------------
    今回再見してもおおむね同じ感想を抱いたが、20年前のスカーレット・ヨハンソンの美しさに目を奪われた。

    いまや堂々たるハリウッドスターになったスカヨハだが、本作ではまだスター然としておらず、初々しい。
    それでいて、ホテルのベッドに横たわっただけでも絵になってしまうほど、圧倒的な原石の輝きがある。

    ソフィア・コッポラ監督自身の体験を元にした、半自伝的映画でもあるそうだ(ヒロインは若き日の彼女がモデルで、夫のカメラマンは元夫のスパイク・ジョーンズがモデル)。
    だからこそ強い思い入れをもって、スカヨハの美しさをフィルムに刻みつけたのだろう。

  • 決して嫌いな映画では無いが、この映画をカリスマ化する人たちはあまり理解できない。久しぶりに観てそう思った。でもスカーレットヨハンソンは抜群。それは確か。

  • 忘れられつつある大物ハリウッドスターボブがCMのため来日
    言葉も通じない中では戸惑いは隠せない。そんな時夫の仕事についてきた
    若くて美しいシャーロットと滞在するホテルで出会う。

    家族、夫婦、友人といえども、なかなか奥深いところまでの相互理解は難しい
    言葉も通じない習慣も違う国でその難しさはますます浮き彫りにされる。

    二人は見知ら街で時間を重ね会話を重ね、時には喧嘩をしつつも
    孤独、迷い、寂しさ漠然とした不安を共有する。
    お互いに自分の中にある溝を埋めていく

    その過程が繊細に描かれている。

    ボブとシャーロットの目から東京がTOKYOにみえてくる。
    フィルターを通したTOKYOと日本人は少しコメディタッチな部分もある。

    別れの時ボブはシャーロットを抱き寄せ耳元で何かを囁く
    もう会うことなく口づけを交わす

    二人の異邦人の淡い恋。

  • 最後のシーンがぐっときた。
    お互いにいろんな想いを抱えながら、東京という非日常から元いた場所に戻っていく。でもそこには前と同じではない、何か違う感情がある。
    でも二人とも、きっと死ぬまでその想いを誰にも口にすることなく、しかしふとした時に思い出す、そんな気持ち。

    日本のことをけなされていると感じる人もいるかもしれないけど、私はこの映画を見て、日本が、東京がより好きになった。

    東京から早く帰りたくてしかたがなかったはずなのに、そこで出会った人やモノたち、もう二度と会えないと分かっているから、より一層きらきらして見える。
    異国になじめない孤独が二人を引き合わせた。この場でなければなしえなかった出会い、淡い口にしがたい感情、それをすべてひっくるめて、最後のシーンに心打たれました。いい!!

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