ほえる犬は噛まない [DVD]

監督 : ポン・ジュノ 
出演 : ペ・ドゥナ  イ・ソンジェ 
  • タキ・コーポレーション
3.57
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4982509312678

感想・レビュー・書評

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  • BARKING DOGS NEVER BITE
    2000年 韓国 110分
    監督:ポン・ジュノ
    出演:ペ・ドゥナ/イ・ソンジェ/コ・スヒ/キム・ホジョン

    巨大な団地に住むユンジュ(イ・ソンジェ)は、いつまでたっても教授になれず、妊娠中の妻ウンシル(キム・ホジョン)の稼ぎに頼る日々。ペット禁止なのにどこからともなく聞こえる犬の吠え声にイラついている。ある日偶然、通路で犬を見かけ、思わずその犬を攫って逃げて始末しようとするが、いざとなると誰かしら目撃者が現れて実行できない。困り果てたユンジュは団地の地下の物置に犬を閉じ込めておく。

    その団地の管理事務所で働くヒョンナム(ペ・ドゥナ)は、団地の下の文房具店で働く親友のチャンミ(コ・スヒ)と愚痴りあう日々。ある日管理事務所に、飼い犬がいなくなったという女の子が迷い犬の貼り紙を頼みに来る。もちろんそれは、ユンジュが攫った犬だが、ヒョンナムはそんなことは露知らず、チラシを貼ってまわる。

    一方ユンジュは、ある晩、またしても犬の鳴き声が聞こえ、その声をたどると、屋上で会ったことのあるツバ吐きバアさんが犬を抱いてこっそり部屋に入るのを目撃。いつもうるさく鳴いていたのはその犬だったのだ。ユンジュは迷い犬の貼り紙を見る。そこにはユンジュが地下に閉じ込めた犬の写真と、手術をしているので吠えない、という記述。ユンジュは慌てて地下にむかうが、なぜか警備員がこっそり鍋をしようとしており…。

    『パラサイト』等のポン・ジュノ監督の長編デビュー作にして、ペ・ドゥナの初主演作。おしゃれなジャズをBGMにしたゆるめのコメディだけれど、ところどころに笑えないスパイスが効いている感じ。二十歳くらいのペ・ドゥナの可愛さには和む。

    失礼ながら韓国で犬というと、食料にされていそうなイメージがあり、案の定、ユンジュが閉じ込めていた犬をみつけた警備員は、それを鍋の具にしてしまう…。吠えない犬を殺してしまったユンジュは罪の意識に苛まれつつも、今度は真犯人ならぬ真犯犬の、ツバ吐きばあさんの犬を攫うことに成功。屋上からその犬を投げ捨て殺すが、ヒョンナムとチャンミがそれを遠くから目撃してしまう。ヒョンナムは犬殺し犯人を追いかけるも捕まえられず、ユンジュは逃げ切る。

    殺された犬の死体を、ヒョンナムは警備員に埋めてくれるよう頼むが、先の犬も鍋にしてしまったこの警備員、もちろんこの犬の死体も埋めるふりをして掘り返して鍋に…うう…。

    一方実行犯のユンジュは、これでようやく静かになると思いきや、なんと妻が犬を買ってきてしまう。妻に逆らえず、いやいやながらも犬の世話をしていたユンジュ、しかしある日、散歩中に犬の姿を見失ってしまう。さんざん犬殺しをしてきたユンジュだが、妻の為、ヒョンナムに迷い犬の貼り紙を頼むことに。ヒョンナムはユンジュが犯人と気づかず、連続犬失踪事件の犯人確保に燃える。

    そしてついにユンジュは屋上で、犬を鍋の具にしようとしている男を発見。その男は団地をねぐらにしているホームレスで、地下で警備員が鍋をしてるのを度々失敬したり、幽霊と間違われたりしていた。ユンジュはなんとか犬を奪還し、追ってくるホームレスから逃げる。追いつめられてピンチになったところに親友チャンミが登場。ぽっちゃりタイプの彼女は怪力で男をやっつけ、男は無事逮捕される。ユンジュは妻の犬を無事取り戻す。

    表向きは事件は解決したことになるが、ユンジュは気持ちが晴れず飲んだくれ、ヒョンナムは犬殺し犯を捕まえようと仕事をさぼっていたためクビになってしまった。ユンジュはついに、実は自分が犯人であったことをヒョンナムに打ち明ける。

    冴えないユンジュのストレスはわかるのだけど、さすがに犬が可哀想すぎて、なんともいえない…。捕まったホームレスは実際には何も悪いことをしておらず、ある意味気の毒。チャンミ大活躍の場面や、ユンジュがカラオケでなぜか「フランダースの犬」を歌う場面は笑ってしまったけど、そういう場面も、実はここで笑ってはいけないのでは、と少し良心がとがめるタイプの笑いで、複雑な気持ちになってしまった。おしゃれ映画っぽくオブラートされてるけれど、結構辛辣な映画でした。

  • 教授になりたい青年と英雄になりたい女の子の団地での話。
    原題をあとで知って、だから歌ってたのか!と。ハングルわかるようになりたい…。

  • ポン・ジュノ監督。
    「医師指導の元」と注意書きがあっても、犬の扱いが酷くて胸が痛かった。散歩リードで宙吊りされては、犬は恐怖と苦痛を感じただろう。人間の娯楽映画のためにひどい。

  • 不穏な空気がずっと漂ってる。
    なんって書けばいいか言葉が出てこないな。

  • これ、めっちゃ滅茶好き。こういうの作ってて、そこからああ行ってこう行ってパラサイトになったんだなあって凄く感慨深いものもある。

  • 公開時は、犬を飼うことの他国とは変わった
    韓国文化や、脇役の女性キャラで
    少し話題になったのを憶えていた。

    ただ、犬が少しでも好きな人は、
    見てられない。。。
    冒頭で注意書きはあるけど、
    リアルなんだよなぁ。。。

    話の筋はわかるけど、登場人物の想いが理解しづらい。
    共感性には欠ける。
    珍しいのが好きな人向けか?

  • 悪人、聖人だれもいない。
    正義はあるかもしれないが、絶対悪はあるのか。
    それでも何とか生きていく。

  • うわーずっしり来る。
    なんだろう。悪人だけど、何するにも悪人ではないとか。なのかなぁ。と思いつつ。感情移入できない。

  • とにかく犬が死ぬ映画は嫌!

    その生理的嫌悪感しか残らなかった。

    団地の廊下を走るシーンが面白かったのと、女の子は可愛かった・・・気がする。

    でも犬、食うんじゃねえっ!

  • ブラックですね。

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著者プロフィール

1969年生まれ。映画監督。2019年『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞。監督作品に『ほえる犬は噛まない』『母なる証明』ほか。

「2021年 『ポン・ジュノ映画術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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