誰も知らない [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : 柳楽優弥  北浦愛  木村飛影  清水萌々子  韓英恵 
  • バンダイビジュアル
3.77
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感想 : 531
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569620576

感想・レビュー・書評

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  • 母親けい子、4人の兄妹 明、京子、茂、ゆき の家族がアパートに引っ越してくる。
    家族には騒がない事、長男の明を除いては部屋から外に出ないことをルールに暮らしていた。
    学校に行きたいという子供達に、新しい父親ができたら学校に通えるようになるからと
    説明していた けい子は「しばらく留守にする」と書置きを残して子供達の前から姿を消す。
    子供達は、世間の誰からも知られず4人の兄妹だけで生活を続けていく…。

    実際にあった”巣鴨子供置き去り事件”を是枝裕和監督が映画化。
    母親に捨てられた子供達の姿は決して遠い話ではなく、
    もしかしたら隣人かもしれないというのが今の日本の姿なのだと思う。

  • 本当は憎むべき母親なんやけどYUOの演技で 腹立たなかった 実際の話はもっと酷いからね でも切ない映画でした

  • ものすごくショックを受ける。

    虐待のなかでも周りに気付かれにくいネグレクト。
    これは作りものだから、となんとか気分を落ち着かせたものの…

    実際、ホストにハマッて、真夏のマンションの一室に2児を放置して戻らなかった母親の事件もあったし、この映画自体、実話がベースらしい。

    淡々と進んでいってそれがすごく怖い。。

  • このお母さん役はYOUしかできないのではないかと。

  • 「親の親権放棄」「いじめ」「まんびき」「援助交際」…
    現代が抱えている様々な問題が盛り込まれている。

    特に象徴的に描かれているのが
    世の中のセーフティーネットとなっている
    「24h営業のコンビニエンスストア」

    コンビニの廃棄弁当、公園等の水道などが
    子供達の生活を支えていたのが印象的だった。

    子供達が本当にいきいきと描かれていた、本当に扱方が上手い。
    演技指導が本当に上手いんだろうなと感じた。

    子供達の「生きる」ことにどん欲な明るさが内容を中和してみれるストーリーにしていたように思う。

    映像もすごく印象的。

    公園やベランダなどで表現されている「光と影」「緑」
    商店街や部屋の生活で表現されている「匂(臭)い」
    まちの描写「曲がりくねった道」「階段」「三面張りの河」

    最近、是枝作品をザーッと連続して見ている。
    映像の作り方がいんだろうな、山崎裕さんが撮影監督。

    企画の安田匡裕さんもいつもコンビを組んでいた。

    映画は1人でつくるものではない。
    風景と一緒だな、と思った。

  • 長男は母が帰宅するときに狸寝入りをする。長女は洗濯物を干す際、自分の下着を見えないような位置に調整する。

  • 図書館で借りたー。本当にあった事件を元につくったということを観終わってから知る。音がないのもすごくよい、と思える映画。変に生々しくて、たまに苦しくなる。「お決まり」を裏切られたときはびっくりした。テンポがよくって、変にせかせかしたりゆったりしてなくて、一本まるまる飽きずに観れました。柳楽優弥、彼はやっぱりすごい役者です。

  • これはかなりな映画だと思った。とても辛いのだが、なぜか絶望しない。伏線の張り方も、子供たちの撮り方もとてもよかった。 ちょっとだけ長かったかな。是枝監督、個人的にはあんまり好きでない印象があったけどこれはよかったです。

    それにしても、いま公開中の映画見たい作品多いな

  • 17.11

    「誰も知らない」は2004年に日本で公開された映画である。是枝裕和監督作であり、柳楽優弥が主演していて、カンヌ最優秀主演男優賞を最年少で受賞し注目を集めた。監督は15年の構想を経て、製作に至ったそうだ。

    1988年に東京で発覚した巣鴨子供置き去り事件を題材にしているが、あくまでモチーフにしているだけである。母親が彼氏のもとへ逃げていき、子供4人は 残されてしまう。当初は彼女が置いていった僅かな資金でやりくりするがお金が底をつき電気と水道を止められてしまう。母親が出て行ってからの数週間、家は 明るくパラダイスのようであったが次第に4人の生活は円滑に進まなくなっていく。

    この作品は経済成長を遂げて豊かになった日本と世の中の不条理さを描いている。人々は仕事を求めて村社会から都心に出てきた。擬似村落共同体としての会社 共同体に属することになるが、団地には村(田舎)にあった共同体ほど強固なものは存在しなかった。捨てられた子供たちは、都心に住んでいる。コンビ二が近 くにあり、日本中どこにでもありそうな公立中学校からパチンコ屋まで揃っている。国が豊かになり便利になったが、人と人との繋がりは疎かになった。大家の 若妻は悲惨な部屋を覗き込んでも何もしない。主人公が友達と思ってた同級生は、ゲーム目的に過ぎなかった。コンビ二の店員は賞味期限切れのオニギリを主人 公たちに渡すものの、根本的な状況の解決にはならない。

    こんな都会の隙間を生きているのが福島家だ。誰の目にも止まらない、誰も気にしない、誰も知らない。大都会東京に生きているようで、生きていない。コンクリートの隙間から生えている雑草のように、彼らも無機質なコンクリートビルの間を生きているのだ。


    主人公たちが拾ってきた植えた雑草が見事に生えてくるシーンがある。福島家も何とか生き延びてきた。そんな中、雑草の植木鉢(カップラーメンの容器)がべ ランダから落ちる。これは彼らが落ちるという隠喩だろう。実際、最年少の妹は転落死する。彼女は豊かになって「デタッチメント」が進んだ日本社会の犠牲者 だ。

    モノレールのシーンは鮮烈だ。さきと明が乗るモノレールは「千と千尋の神隠し」で千とカオナシが乗る電車と似ている。明は都会の犠牲者の象徴を埋めに、千 は死に向かう列車に乗っている。さきとカオナシ、二人とも社会の影である。明は死んだ妹をスーツケースに入れて、飛行機を見ることができるところまで連れ て行く。モノレールは、直接都会と郊外を結び付けている。明の毎日のドラマが繰り広げられるのは都会であり、郊外は自分の世界の外である。郊外で自分と向 き合い、正直な自分が出てくる。だが、そんな子供染みたことが出来るのも束の間であり、彼は再び冷たく聳え立つビルの隙間へとモノレールを乗って帰ってい く。私は、都会に入っていく明を見て世の中は不条理で満ちていると感じた。

    • 1wwdgamさん
      映画見たくなりました
      映画見たくなりました
      2011/10/03
  • 実際に起きた「巣鴨子供置き去り事件」をモチーフに描かれた作品。
    都会の片隅で、子供が置き去りにされても、大人達は“誰も知らない”。
    いや、気づこうとしない。

    タテタカコの歌が流れる朝の電車のシーン。
    筆舌に尽くしがたいほど、美しいです。

    (2004年 日本)

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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