誰も知らない [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : 柳楽優弥  北浦愛  木村飛影  清水萌々子  韓英恵 
  • バンダイビジュアル
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569620576

感想・レビュー・書評

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    心がどんどん苦しくなる。
    4人の生活を必死に守ろうとする柳楽優弥。
    ヤングケアラーとか、母子とか、貧困とか、いろんなワードもぶっ飛んでしまうほどに、心を締めつけられた。

  • これは…しんどい…観ていてしんどかった

    今もこういう子供が何処かにいるのかと思うと、苦しい 虐待も同じく

    だからと言って自分に何ができるのかというとわからない…自分に子供がいないかつ、今住んでいるところも2人世帯が多く、子供を全然見かけないのもあるけど、児童相談所がどういう仕組みになってて どうしているのかもわからない 

    もちろん虐待やネグレクトが疑われるような行動を目にしたり耳にしたりすれば、慎重にはなるけど通報はするつもり

    だけど…だけど、これだけ虐待やネグレクトの事件を観たり聞いたりすると どうしたら良いのか…といつも考えてしまう

    この映画の元になった事件を調べると、この作品よりももっと酷い現実だった
    しかも母親には執行猶予付き
    罪が軽すぎる

    淡々と進んでいくこの映画がなんだか怖かった 子供達の演技は自然で凄かったけど、2度目は観ないと思う

  • 是枝監督の『誰も知らない』、ずーっと前から観よう観ようと思いつつ見逃したりで、ようやく鑑賞。

    観た結果……ケンローチやポンジュノとの対談を観て、是枝監督ご本人はすごく好きなのだけど、作品を観ると「うーん」となってそこまで面白いとは思えなかったです。最初は「是枝作品の中でも、私が面白くないものから観てるせいなのでは」と思っていましたが、ここまで来るともう何を観たらいいかがわからない笑。ちょっと傾向は違うけど『空気人形』はけっこう好きでした。

    以前『海街diary』を観た際に小津さん的なものを、『海よりもまだ深く』を観た際には『男はつらいよ』の、寅さんの「よりひどい版」的なものを感じました。そういう、松竹の家族映画の流れと、もうひとつはATGで羽仁進さんらが撮ってたようなドキュメンタリータッチの合体…というのが是枝作品に対する印象です。

    あんまり面白いと思えなかったのはやはり尺の問題で、無駄にダラダラしている点。2時間20分ほどとけっこう長いんで、20分切っても良かったと思う。
    ただの推測だけど、やっぱり是枝監督はドキュメンタリー出身だし現場で色々変える、絵コンテ通りに作るタイプではないのでは。

    すごいなと思ったのは、次男の茂くん。この子の演技が…というよりは、それを引き出した是枝監督がすごいと思う。子役の扱いがものすごく上手いのでは(扱うという言葉はあまり好きではないけど)。主役の柳楽くんはもうだいぶ大きいから置いといて、茂くんがすごかったです。

    もうひとつ重要なのはやっぱりタテタカコさんだと思うけど、言うほどストーリーに絡まなかったのが残念。というか加瀬亮が要らない気がするのだけど…タテタカコさんか加瀬亮かどっちかで良い。

    柳楽優弥くん、この役でカンヌの主演男優賞を獲ってからその後…というのが、かなり身につまされる。
    丁度復活した時期、『アオイホノオ』は元々原作を読んでて好きで、ドラマ版もすごく良かった。黒島結菜ちゃんもそれで知りました。
    この後観たのは『まれ』や『合葬』で、これらから後つまり子役ではなくて「今」の柳楽優弥がほんと大好きです。柳楽くんは口の形が犬みたいでかわいい。

    是枝監督は社会派と言われることが多いけどそうではなくて、「ただ単に面白い映画を撮りたいだけ」と仰ってて、その背景に社会的なものは必ず存在するから、どうしても映り込むし無視できないんだと。
    その観点だと、私からすれば「物足りないからもっとやってくれ!」と思います。インタビューを観てると、たぶんご本人がすごく優しい方なんだろうなあと思う。
    他のレビューにも以前書いたと思うけど、キャストの当てはめ方が上手くて、商業的にもちゃんと成功する人たちを使ってるというのが特徴だと思います。

    今まで観た作品で「これは好き!」ってものはないけど、わりと応援してるのでこのままやっていってほしいなと思う。日本人は「ブランドに弱い」から(例えばジブリブランドなど)たぶん大丈夫かなと。

    ※このレビューは書きかけで止まってたけどなんとか最後まで書くことにしました。理由はEテレで明日5月9日、羽仁進さんの特集番組があって、是枝監督も出演されるからです。羽仁さんの影響ぽいなと思ってたらそうで驚いた、ということです。
    羽仁さんの作品、ちょい前にATG映画を観ていたときに観て、かなり好きになりました。なので、このEテレの番組はとても楽しみです。皆さんも是非ご覧になってください…というより「一緒に観ましょう」か笑。
    ケンローチ、ポンジュノ、羽仁進……と、私が好きな監督の番組に次々と是枝監督が出てくれるので嬉しい。是枝監督はエリックロメールも好きだそうで、こちらも嬉しいです。

  • 2004年の是枝裕和監督映画。男にだらしない母親が子だくさんとなり、学校にも行かせない困窮した家庭の物語。しっかり者の長男が他の3人の子供の面倒をみているが、年末にも帰ってこない母親の代わりに自分で作ったお年玉を配るシーンは泣けてくる。長女は去年のお年玉袋に書かれた字の違いにひそかに気づくが。
    母親は、自分が幸せになったらいけないの?と子供をほったらかしにする言い訳に。
    途中、いじめられて学校に行かない女子生徒が家に遊びに来るようになって少し明るい兆しがと思ったが・・この映画はそんなに甘くはない。
    妹を失うという哀しい出来事もありますが、兄妹の数は4人のまま・・

    以下は、Wikipediaから。
    1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末に映像化した作品である。母の失踪後、過酷な状況の中で幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じ、家族や周辺の社会のあり方を問いかけた。
    主演の柳楽優弥が2004年度の第57回カンヌ国際映画祭にて史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで大きな話題を呼んだ。また、キネマ旬報やフランダース国際映画祭で最優秀作品賞を獲得するなど、国内外の映画賞を多数獲得した。2004年度の日本映画のうち、高い評価を得た作品の1つである。

    ストーリー:
    2DKのアパートに、スーツケースを抱えた母親のけい子と息子の明が引越してくる。アパートの大家には「主人が長期出張中の母子2人である」と挨拶するが、実はけい子には明以外の子供が3人おり、スーツケースの中には次男の茂、次女のゆきが入っていた。長女の京子も人目をはばかり、こっそり家にたどり着く。
    子供4人の母子家庭との事実を告白すれば家を追い出されかねないと、嘘を付くのはけい子なりの苦肉の策であり、彼女は大家にも周辺住民にも事が明らかにならないよう、明以外は外出を禁ずるなど、子供たちに厳しく注意する。
    子供たちはそれぞれ父親が違い、大家には小学校6年生と紹介した明も学校に通ったことさえなかった。
    転入当初は、日中けい子が百貨店で働く間に明が弟妹の世話をする日々が続くが、新たに恋人ができたけい子は家に不在がちになる。やがてけい子は恋人と同棲を始め、子供達の生活費は現金書留で送り帰宅しなくなる。そこから兄弟だけの、誰も知らない生活が始まる。明は茂とゆきの父親たちに金の無心目的に会うが、それぞれの事情からお小遣い程度しかもらえない。
    母が姿を消して数か月後、生活費は送られてこなくなり底をつく。料金滞納から電気・ガス・水道も止められ、子供たちだけの生活に限界が近づき始める。コンビニ店員から児童相談所行きを勧められた明は「前にそうしたらややこしくなって4人一緒に暮らせなくなる」と答える。
    水は公園で確保し、兄弟たちは一日一日を必死に生きのびる。そんな中、4人は公園で不登校の中学生・紗希と知り合い、打ち解ける。紗希は協兄弟の凄惨な暮らしを目の当たりにする。
    いよいよ食料が底を突く。明は顔見知りのコンビニ店員から賞味期限切れの弁当をもらい、以前万引きと間違われた店で本当に万引きするようになる。紗希は協力を申し出て見知らぬ男とカラオケに行き、もらった現金を明に手渡そうとする。しかし、それが援助交際で手に入れた金と知る明は現金を受け取れずに立ち去る。
    そんな不条理な環境を我慢し兄として振舞い続けた明だったが、ある日、言うことを聞かない妹弟たちに鬱憤が爆発し衝動的に家を飛び出す。 飛び出した先で、ひょんなことから少年野球チームの助っ人を頼まれ、日常を忘れて楽しむが、家に戻った明が目にしたのは、ベランダの棚の物を取ろうとして転落し、そのまま目を覚まさなくなったゆきと、彼女を見つめながら呆然と座り込んでいる京子と茂の姿だった。
    病院に連れて行く金も薬を買う金もなく、明は薬を万引きするが、その甲斐なく翌日ゆきは息絶える。
    明は紗希に借金を申し込み、ゆきの好きだったアポロチョコを沢山買い、亡骸を詰めたスーツケースを生前ゆきが憧れた飛行機がよく見える羽田空港近くの河川敷に埋め、二人で弔う。
    後日、いつも通りコンビニ店員から売れ残りの惣菜をもらう兄弟と、彼等に寄り添う紗希の姿があった。彼らはいつもと変わりなく、いつものように自分達のアパートへ帰っていく。

  • 結構しんどいストーリーである。とにかく救いがない。
    親に捨てられ、戸籍もなく、教育も受けられず、たんたんと、じりじりと、苦しい方に進んでいく。

    GONTITIの優しい音楽と柳楽優弥の表情がとても印象に残って、身が締め付けられる。
    彼もしっかりした優しい兄だけど、所詮12歳なんですよね。友達が欲しくて、学校に生きたくって、野球がしたい

    母親はもちろん無責任だけど、社会でこの子たちを救えたんだっけ。今日本にこういう子はどのくらいいるんだろう。

  • この映画を観る勇気はなかなかなかったのですが、思い切って観てみた。やはり観てて辛かった。健気に生きる子どもたちの姿はかわいくもあるが、こんな生活が続くはずがない。大きな事故が起こるに違いないと、「早く誰か児相に通報してー!」と心の中でずっと叫んでいました(案の定、悲劇が起こるわけですが…)

    恐ろしいと思うのが、この生活を子どもたちが普通だと思っていること。学校に通わず友だちもいなかったから比較の対象がなかったのでしょうが、「環境に馴らされる」とはこのことか。子どもがいろんな人と関わって、自分の価値観の「相対性」を学ぶことの重要性を痛感します。

    そして、もうひとつ恐ろしいのは周囲の無関心。わずかでも子どもとかかわりを持った大人はいたわけだし(コンビに店員、野球部の監督など)、公園で洗濯している子どもがいればおかしいと思うはずなのに…。

    新聞の報道などを見ると、この手の話も絵空事ではなく、社会で実際に起こりうることなんでしょう。大人がいかにして子どもの声にならない声をどうキャッチするか、それにかかっている気がします

  • 子を持つ親として見るに耐えないテーマだけに
    敬愛する監督の代表作でありながら
    中々見る心の準備が出来ずにいた一作。

    避けては通れぬ道と意を決してみてみた。

    ドキュメンタリーの雄である監督ならではの切り口と
    手法で彼以外には撮れない作品であったと思います。

    育児放棄の末、そのうちのひとりが亡くなるという素材を
    ミステリーやサスペンスにも
    ハートウォーミングなドラマにすらしていない。

    フェイク・ドキュメンタリーと言ってしまっては語弊があるが
    他の映画とは違う方法論で撮られのは明らか。

    唯一無二、是枝映画でした。

  • YOUの「私は幸せになっちゃいけないの?」ってセリフが刺さる。
    子殺しの親のニュースは、その親がまるで極悪非道な鬼畜人間のように描かれてたり、そう感じたりするけど、親だって一人の人間だもんなって思った。
    それだけに、子供を捨てて自分の幸せを優先することだって全然あり得る事だと思って戦慄した。自分が本当の意味で「大人」になるまで子供を持つことは出来ないと思った。

  • ある程度の脚色は加えられているんだろうが、自分に出来ることを必死に生きていこうとしたのが伝わってくる。実際周りにこんなこと起こっていても気づけないよなあ

    どうやら実際は長男が原因で女の子が死んでしまったらしい。
    そこは流石に描けなかったかんだろうけど、長男は十分過ぎるくらい良くやったと言っていい
    人に頼るって中々出来ないし

  • 今もこんな生活してる子供が居るんだ。
    保護されたのが良いのでは?と思うけど。。。
    傍から見てる者の考えなんかなぁ。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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