ドリーマーズ 特別版 ~R-18ヴァージョン~ [DVD]

監督 : ベルナルド・ベルトルッチ 
出演 : マイケル・ピット  ルイ・ガレル  エヴァ・グリーン 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.48
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427652545

感想・レビュー・書評

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  • 2003年イギリス・フランス・イタリア合作映画。監督はベルナルド・ベルトルッチ。
    主演はディカプリオ似(笑)のマイケル・ピットに、とても綺麗な顔立ちのルイ・ガレル、そして、エヴァ・グリーンです。エヴァ・グリーン、好きなんですよね~。(笑)
    冒頭の街頭演説場面では、本人役でジャン=ピエール・レオも登場します。

    1968年パリの五月革命前夜。映画に熱中するアメリカ人留学生のマシュー(マイケル・ピット)は、同じく映画マニアの兄妹イザベル(エヴァ・グリーン)とテオ(ルイ・ガレル)に出会い意気投合した。イザベルとテオは家へマシューを招待し宿泊させるのだが、翌日、イザベルとテオの両親は保養地へ出かけていなくなり、ここに外界とは隔絶した3人きりの生活が始まった・・・。

    1968年のパリは映画と政治と挫折の時代。そんなノスタルジックな想いを全開にしながら、ベルトルッチ監督はパリの3人の若者の愛の形を美しくも妖しく描いています。
    またこの映画は様々なオマージュや本歌取りに彩られていて、他の方も言っておられるように物語の基本はジャン・コクトーの『恐るべき子どもたち』のアレンジであり、それに時代を象徴するようにヌーベル・ヴァーグや60年代の音楽に満ち満ちていて、ノスタルジアと妖しげな雰囲気を絶妙にマッチさせていたと思います。
    当時の映像や映画が本編とパラレルにスライドする場面や、様々な映画技法が駆使されているところなどは映画愛そのものであり、観ていてとてもわくわくして楽しいものでした!
    冒頭のシネマテークのラングロワ館長解任の抗議してのデモ場面で、当時の映像とパラレルに登場するジャン=ピエール・レオー。当時の抗議映像にはフランソワー・トリュフォーやジャン=ポール・ベルモンドたち映画人らも登場。3人の間のクイズで映し出される戦前のハリウッド映画の名場面。『大人は判ってくれない』『勝手にしやがれ』『はなればなれに』などのヌーベル・ヴァーグ作品の1場面とパラレルにコラボした映像たち。そして、部屋の壁にはマリリン・モンローの切り貼りやゴダールの『中国女』のポスター、それにマレーネ・ディートリッヒの写真。特に『はなればなれに』と同様にルーブル美術館を3人で駆け抜ける場面はとても楽しくにやにやし通しでしたね。(笑)
    それから「映画監督はのぞき魔の犯罪者だ」とか「毛沢東は一種の映画監督」とか「キートンとチャップリンはどっちが面白いか」などの映画論や、「ベトナムで聴かれているのはジミヘンでクラプトンではない」などの音楽論にも楽しさが一杯こめられていました。
    「一卵性双生児」という兄妹(姉弟?)の強い精神的結合と、マシューとイザベルの恋愛が交わる裸の奇妙な三角関係の生活は、次第に倒錯性と三様の矛盾が明らかになっていき、錯綜した精神と性の繋がりが極度の狂気を帯び始めますが、終点へ向けてますます耽美的に沈んでいく様はなかなか面白いものでありました。
    3人の織りなすエロスな描写としてはかなり過激だったと思います。R-18指定ということで、ぼかしはあるもののヘアーは丸出しで、ぼかしもどういう基準だかわからなくなるほどアレも見えていましたし、しかし、エヴァ・グリーンはいいとして、いくら綺麗な顔立ちだといってもルイ・ガレルのアレは見たくなかったなー。自分の高揚感が萎えちゃいました・・・。(笑)
    ラストは五月革命勃発が、極点にまで到達した妖しげな世界を現実へと引き戻すのですが、テオがイザベルとともに火炎瓶を持って機動隊へ突入する様などは『明日に向かって撃て!』を彷彿させるような青春の高揚感と挫折感が収斂しているかのようで、これにも魅入ってしまいました。
    60年代を生きた映画好きな貴方に捧げるほろ苦くも甘美で官能的な1本という感じの映画だったと思います。

    さていろいろ書きましたが、そんな能書きなどどうでもいいと思えるほど、エヴァ・グリーン(の裸)には見惚れてしまいました!(笑)エヴァ・グリーン好きなんですよね。もう聞き飽きました?(笑)
    服装ももちろん素敵なんですが、やっぱりこの映画で堪能すべきは彼女の全裸ですよね!(笑)いやあ~、素晴らしいです!いいよ~!いいよ~!うっとりして見惚れてしまいました!こんなにヘアーのドアップ映像とか本当にいいのか?とわが目を疑うようなシーンもあり、これには逆に懼れおののいてしまいました。(笑)
    ちょっと真面目なシーンになると、いや、服を着ているシーンだけで、早く脱いで欲しいと心から願ったものです。(笑)個人的には男優など身体全面ぼかしでも構わないくらいですが(笑)、男優のアレを見せるくらいなら、エヴァ・グリーンへのぼかしは無くせよな~。(笑)絶対反対!

    みんな高級ワインも含めてワインをがぶがぶ飲んで、あれは羨ましかった。
    やっぱワインはエロスに似合っていますね。(笑)

  • とても淫靡で、でもどこか無垢さも美しさもあって不思議な空気でした……見始める前はまさかここまでとは思っていなくて、一人で見ているのに気まずくなってましたが。。
    イザベルとテオ、そしてマシューの3人、似ているようですが想いは3人ともそれぞれ違う、、マシューは離れればいいけれど、イザベルとテオは双子だし違いに絶望しながら、これからも一緒に居るんだろうな。もう、ふたりの世界に誰も加わらせない気がします。
    イザベル、テオ、マシュー、3人とも脱ぎっぷりがよく、そして見事な肉体なので淫靡だけどなんだか卑猥さがなくて。
    あと映画クイズ楽しそうでした。フリークス、ちゃんと観たいです。
    お部屋もファッションも素敵でした。

    ジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」がモチーフ?らしいので読みます。

  • 文化大革命が肯定的にとらえられ、学生層が社会運動の担い手であった時代。フランスでは5月革命のさなかです。一卵性双生児である美人姉弟も多感で繊細、そして、性的にも寄り添うように暮していました。そこにアメリカ人留学生が加わり、デリケートな三角関係になります。映画愛と中国への憧憬を込めたベルトリッチですが、何より強烈なのはエヴァ・グリーンというスター誕生です。出し惜しみのない肢体は正しくエバーグリーン!ミロのビーナスにブラボーです。

  • 映画が公開した当時からその美しいポスターは気になっていて、でもなぜかそれから10年以上も観なかった映画ですが、今観てこそだったのかもしれません。
    10年前に観ていたら、ちんぷんかんぷんだったかもしれない。

    ヌーヴェルヴァーグに関する知識がほとんどないので、途中でスロットインされる映画へのオマージュを2割も理解していないのは重々承知で、でもあのオマージュの入れ方がまずスタイリッシュ。

    ストーリー展開としてはフランス5月革命と思想や理想ばかりで行動(というか経済力?)が伴わない若者(ドリーマーズ)をうまく絡めたなあ、くらいなものですが、キャスティングは神がかっているのでそんなことが全然気にならない。

    エヴァ・グリーンとルイ・ガレルの双子が、はまり役です。退廃的で、でもちゃんと若者で、血気盛んな割にちょっと甘ちゃんで。

    バスルームでの三面鏡の使い方が最高に洒落ています。鏡を通して見えるものって、どうしてああも非現実的に見えるのでしょう?

    原作ではあったらしいテオとマシューのシーンが削られていたのは残念。あの3人なら、どのカップリングもできてこそだと思っていたので、テオとマシューがないことによって、ただの凡庸な三角関係のようになってしまったのが本当に残念です。

    双子に翻弄されたかのように見えて、その実、自身もドリーマーズの一員だったマシューは双子を使ってその夢から目を覚ますことにしたように見受けられました。エンディングにかかるNo regret が恐ろしかったです。

    映画の本筋とはまったく関係なしに、双子の体が素晴らしかった。芸術品のように美しく、でもただ美しいだけにとどまらず、ちゃんと(?)耽美で妖しく色香漂っていて。イザベルがテントの中で起き上がるシーンが特に好きでした。子鹿のようで。テオは、雨に打たれて帰ってきた後、マシューの前でパンツを脱ぐところが好きです。その後、下着もつけずにパンツを履くところも好き。

  • ベルトリッチだったので鑑賞。ツタヤのジャンルでエロティックに分類されてたので、どんなエロ耽美映画じゃいって思って観てみたんだけど、全然ちがった。

    青春映画らしいロックンロールにのせた疾走感ある演出もあれば、ベルトリッチらしい耽美で頽廃的な雰囲気も漂わせていて、そのうえ激動の1968年が舞台ということもあって、なかなか好きな類いの作品でした。ベルトリッチ独特の過剰な演出もなくて、いやらしくないというか、ナチュラルな感じ。(言葉ではうまく言えないけども)

    三角関係完成かと思いきや、実際マシューは蚊帳の外の存在でしかなくて、イザベラとテオも関係に背徳を感じながらもやめられないとわかっていて、2人の関係を正当化するためにマシューを巻き込んでいく。しかし一心同体と思い込んでいるイザベラとテオも愛の形もどこか違って、その三種三様の愛の形がもどかしくて、痛々しい。ところどころに挿入される映画のワンシーンがこれまた良くて、『フリークス』が出たときは思わずニヤニヤしてしまった。非常に映画愛に溢れた作品。

    五月革命についての知識が少なかったのが残念。Wikiろうと思います。

  • とにかく美しかった。
    なんとなく見始めたので、やっぱり途中からこんな展開になるのか!とビックリしたけど、それはそれで芸術的だった。
    内容的なところで、大々的に、この映画がめちゃくちゃ好きです。とは言いにくさがあるのだけど、この映画が好きです。なんてさらっとこそっと言ってる人がいたら、あっ!なんか話してみたい!って思う。というかその人とは気が合うと思う。

  • 「The Dreamers」https://imdb.com/title/tt0309987/ 観た。政治と性とのいつものベルトルッチ。フランス5月革命が背景で昔の映画かと思いきや2003年作品だった。ベルトルッチ作品は過激と言われがちだけど意外にかなりモラリストだと思う。映画2/3が全裸の双子設定の俳優二人がとっても美しくて目の保養(おわり

  • エロス寄りのロマンスと思ったら、
    フランスの文化大革命と学生運動を足したような映画だった。

    センスは素晴らしい。

    ただ、もはや懐古的で、
    親の視点でしか観れない。

  • 家で酒を飲みゲームに講じる片手間、革命だと言いながらデモに参加し、瓶を投げる。没頭できる何かを探して遊び続けるだけの生活。
    そこに否応なく現実が紛れ込んだものの、外へ連れ出そうとするその手を拒み、最後は元の殻にこもって仲良く自滅する。
    外へ出ろというシュプレヒコールが意味していた外とは、どこのことだったのか。彼らにとっての外はどこだったのか。

  • 退廃的で何故か艶めかしいパリの若者の世界観をベルトリッチ監督の映像美で表現したような作品。

    親のお金を当てにしながら、現実を避けて、自分たちの夢の世界で自堕落な生活に身を興じる主人公たちの姿は、まるでボリス ヴィアン原作の「うたかたの日々」の主人公たちのようで、個人的にはかなりツボな世界観でした。

    洗練されて、どこか不思議な魅力を持つ一卵性双生児に惹かれてしまった主人公マシューの好奇心は、いつの間にか蜘蛛の糸の様に絡まり身動きが取れないほどになっていく。

    インモラルな性や愛の交わり方も美しい彼らの身体で表現されれば、それは芸術のよう美しく、魅惑的な三角関係は、なにか見てはいけないものを覗き見しているような気分になっていた。

    始まりこそ流し目で口にタバコを咥えながら、2人の男の愛を弄ぶようにして女王様然としたイザベルが、時に映画の世界に閉じ込められたようなシネフィル(映画狂)な不思議少女の顔を持ち、また時にはテオの愛を必死で確かめようとする純粋無垢な乙女にもなる姿には本当に目が離せない。
    年齢以上の独特な色気を備えながら、可憐な少女らしさも併せ持つ魅力的なイザベル。時折見せる美しいヌード姿も含めて思わずエヴァ様と呼びたくなるさすがの風格でした。

    現実から目を背け、夢の中に暮らしているどうしようもない彼らの世界にどっぷり浸れたので、3人が五月革命の前夜にあっけなく現実の中に飲み込まれていくシーンがなんか夢から覚めたようで寂しい。
    あのままリビングに置かれたティピーの閉鎖的空間中に閉じ込められた夢の住人のままでいて欲しかったな。

    ジミヘン、ドアーズ、フランソワーズ バーディー、エディット ピアフ など60年代の音楽が所々に散りばめられ、ヴィンテージ感あふれた、迷路のようなアパルトマンの中で繰り広げられる三角関係は、奇妙ではあるけど何故か不自然ではなく、パリという舞台のせいかその愛の形さえもおしゃれに感じました。

    ちょっと内容が特殊ではあるので友達には勧めにくいけど、このなんとも言えない独特な世界観はこっそりとお気に入りです。

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