父、帰る [DVD]

監督 : アンドレイ・ズビャギンツェフ 
出演 : コンスタンチン・ラヴロネンコ  ウラジーミル・ガーリン  イワン・ドブロヌラヴォフ 
  • 角川書店
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126202521

感想・レビュー・書評

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  • 生涯鑑賞した映画の中、現時点で1位(2021.4時点)の作品。
    ロシア映画だけど未だに監督名が覚えられない。
    アンドレイ・ズビャギンツェフ監督…3回復唱したけどやっぱり無理。

    あの抜けるような、でも寒々しい青空が印象的。北野ブルーを思い出してしまう。

    終始胸がザワザワするヒリついた親子関係。
    なぜ父親は12年ぶりに帰ってきたのか?
    なぜ兄弟を連れて旅に出たのか?
    謎多き場面が続くけど、結局それらが解決せぬまま悲劇的に終わってしまう。

    普通は消化不良に陥る所が、この映画の場合、なぜかそんな結末もアリかなと余韻を楽しめる仕上がりに。

    兄弟が成長するための通過儀礼として寓話的に父親が現れたと思えば、一瞬で消えてしまった流れも頷けた。

  • この作品は2度目の鑑賞になる。
    一度観てから10年ほど経つだろうか、強烈な印象があったのでいつか必ずもう一度観ようと思っていた作品。
     弟のイワン、兄のアンドレイをはじめ父の演技は、12年目に会った父子の関係性と、そのあいだから見えてくるそれぞれの絆への想いが迫ってくる。
     イワンの反抗的な眼差し、兄としての物足りなさに対する父の毅然とした姿勢が、私に問うてくる。『父とはどういったものか』を問うより『この子に何が必要で、その為に自分がどうあることが望ましいか、自分に真剣に向き合うことだ』と。
    昭和に育った私にはこういう父が憧れだ。

     メッセージの描き方も、映像も、そして演技も完璧だ。

  •  宗教的な暗喩がいろいろ出てくるような気がするけれど、その点あまり詳しくないので表面的にしか理解できず自分の教養のなさが悔やまれる。父親の秘密について伏線らしきものがたくさん出てくるのに、全く回収されないまま父親が死んでしまうのが良い。ついついメタ視点から「この伏線っぽいものはいつか回収されるだろう」と考えてしまうのを見事に裏切ってくれた。

  • 逢魔時

  • 疑問がいっぱい残ったな・・・悲しい映画だった。

  • お父さん…
    見てる人にはお父さんの子供達への愛がよく分かるから、上手く気持ちを表現できない姿がもどかしくて切なかった…

  • VOZVRASHENIE
    2003年 ロシア
    監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
    出演:ウラジーミル・ガーリン/イワン・ドブロヌラヴォフ/コンスタンチン・ラヴロネンコ

    からりと晴れることのない空、やぶにらみの子供、陰鬱に降り続く雨、明度の低い色彩、深い霧に包まれた湖、傾いた石造りの家と庭には犬、花の咲く野原に立つ小屋、哲学的で暗喩だらけで難解なストーリー…どれをとっても紛れもないロシア映画でした。

    結局、父親が12年も帰って来なかった理由は何だったのか、彼の「仕事」とは何なのか、どうして突然帰って来て息子たちと旅に出たのか、そういう部分は全部謎のまま。しかしその謎ごと、失われて初めて彼は息子たちの心に父として根をおろしたということなのでしょう。

    エディプス・コンプレックス的、と言ってしまうのは簡単ですが、父親に対する兄弟のそれぞれの反応と、父が死んでからの彼らの心理的な変化の描き方が絶妙でした。年長ゆえに長いものには巻かれろ的卑屈さと、同時に絶対的父権を持つものに素直な憧れを抱く兄と、どちらかというと少女的妄想をもって本能的に父を嫌悪し、頑固に反抗する弟。

    ところが父を死なせてしまった途端に、父の腕時計をした兄のほうは、まるで生前の父と同じ口を聞くようになり、弟はそれに従うようになる。舟が海へ流れて沈み、初めて弟が心から「パパ」と叫ぶ、そうして失われるまで人は何が真実か気づけないのかと悲痛な気持になりました。

    余談ですが兄役のほうの子が、撮影した湖で亡くなってるそうで…そういうのも知るにつれ物悲しくなる映画です。

    (2005.02.10)

  • 久々に観る投げっぱなし映画!
    起・承・転・終 って感じw
    映画の中で答えを求める人は絶対に観ちゃダメ!
    通常の映画にある説明的なセリフは一切なし。12年振りに突然帰ってきた父親。どこで何をしていたのか明かすこともなく、翌日から兄弟を連れて旅に出るという。目的も場所も知らされぬまま。そして行き着いた先が無人島。なぜその無人島なのかということも一切語られないという徹底ぶり。
    与えられた情報から何を感じ取るか。そんな映画。
    ロケーションとなるロシアの大地は非常に美しいが、どこか寒々しく冷たい映像。そして威圧的で常に子供たちを突き放す父親の言動に「う~ん」となるが、そんな理不尽ともとれる父親の行動の中に厳しくも温かい男のメッセージを見たようで、じんわり余韻引いた。
    ラストは沈みゆく船から例の箱がポコって浮いてくるものと思ったんだけども…w

  • 原題は【帰還】という意味だそうだ。
    深い作品。3本の指に入るほど好き。

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