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- / ISBN・EAN: 4571191054081
感想・レビュー・書評
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しかしJポップの歌詞って、どうしてあんなに同じ言い回しばかりなんだろう?
「オレ」と「お前」、「あなた」と「私」、「一生離さない」「どこまでも一緒」・・
小さな世界観と狭い人間関係から大量生産される、使い回された表現ばかり。
一方で、40年以上前のアメリカ。
「>『白人が貧しいと言っても、まだ黒人よりは恵まれているんだよ。だから不平を言うのは間違いだ。』・・
>白人政治家はそう言うけれど、単なる人気取りだぜ。
だって政治家はどんどん有名になるけど、俺達は依然、貧しいままじゃないか・・
>でも責められるべきは彼ではない。やつは将棋の歩、つまりしがない歩兵にすぎないのだから」
(Only a Pawn in Their Game(しがない歩兵))
「>レストランのメイドのハッティ・キャロルは何もしなかったというのに、金持ちのボンボンにステッキの一振りで殺されてしまった。・・
>法廷では、理由もなく、ムカついたからといって罪のない人を殺した人間を裁判官は見つめ、力強く言い渡した。・・(たったの)『懲役6か月』と。
>・・何でも哲学的に硬く考えたり、なんでも批評家的なものの言い方をするあなたよ、今こそ涙を流すときが来たんじゃないのか・・」
(The Lonesome Death of Hattie Carroll(ハッティ・キャロルの寂しい死))
〔詞の引用にあたっては、私なりに意訳したものを載せています。〕
今の日本の大層なミュージシャンが束になってかかっても、この40年前に二十歳そこそこでこんなことを歌っていた一人の若造にはるかに及ばない。
日本にいるのはアーティストではなくて、音楽商売人だけだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ボブ・ディラン」がノーベル文学賞を受賞したことをきっかけに、ちょっとした「ボブ・ディラン」マイ・ブームが続いています、、、
ということで、CD棚から取り出して聴いているのは1964年(昭和39年)に発表された3rdアルバム『時代は変る(原題:The Times They Are a-Changin)』… もちろん、大好きなのはアルバムタイトル曲にもなっており「ボブ・ディラン」の代表曲でもある"The Times They Are a-Changin'(邦題:時代は変る)"ですが、"With God On Our Side(邦題:神が味方)"や"The Lonesome Death of Hattie Carroll(邦題:ハッティ・キャロルの寂しい死)"も、この時代の「ボブ・ディラン」らしさが存分に味わえる名曲ですね。
特に"The Lonesome Death of Hattie Carroll(邦題:ハッティ・キャロルの寂しい死)"は印象的、、、
1963年(昭和38年)に、黒人のウェイトレス「ハッティ・キャロル」が注文した飲み物を出すのが遅かったという理由で「ウイリアム・ザンジンガー」という白人青年に殺された事件を唄った曲… その悲しみや怒りが伝わってくる感じがします。
その他にも佳曲が並んでいます… 何度でも聴ける1枚ですね。
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1.時代は変る - The Times They Are a-Changin' 3:15
2.ホリス・ブラウンのバラッド - Ballad of Hollis Brown 5:06
3.神が味方 - With God On Our Side 7:08
4.いつもの朝に - One Too Many Mornings 2:41
5.ノース・カントリー・ブルース - North Country Blues 4:35
6.しがない歩兵 - Only a Pawn in Their Game 3:33
7.スペイン革のブーツ - Boots of Spanish Leather 4:40
8.船が入ってくるとき - When the Ship Comes In 3:18
9.ハッティ・キャロルの寂しい死 - The Lonesome Death of Hattie Carroll 5:48
10.哀しい別れ - Restless Farewell 5:32 -
1964年発売。
「The Times They Are A-Changin'(時代は変る)」収録。