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- / ISBN・EAN: 4547462021878
感想・レビュー・書評
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ものすごく良かった。自分の中で殿堂入り、オールタイムベスト入りしました。
恋愛ものの作品で好きになるかどうかは、自分の経験に左右されることが大きいといつも思う。今まで観たものだと『ララランド』、読んだものだと谷崎潤一郎の『痴人の愛』ぐらいしか「これは自分のことだ!」というものがなかったけど、『ベティブルー』もそれに追加されました。
他の方のレビューで「重い」「激情」とよく書かれてるけど、自分はそうじゃないと思っている。「そう思わない」人の方が少数派だけど、同じ意見の方がひとりだけいていいねを押させてもらった。
この映画、コメディと言ってもいいぐらい楽しかった。「重い」内容を重く描くのは誰でもできるし面白みがない。この映画はそうなっていなくて、笑えるシーンがとても多い。
例えば、テキーラをシュウェップスで割って飲むシーン。私はお酒そんなに強くないんだけど、今まで飲んだ蒸留酒で一番美味かったのはテキーラで、塩とレモンで飲むとほんと最高に美味い。美味いけど、5〜6杯飲むと完全に落ちる笑。しかも劇中のゾルグとエディみたいに、ゲラゲラ笑ってしまうのも全く同じ。他のシーンもめちゃくちゃ笑える。
私が以前つきあっていた人はベティそっくりだったから(もちろん見た目ではない)、ゾルグにものすごく感情移入して観た。
(ここから先は色んな人に誤解を与えそうだけど、それを恐れずに書きます)
途中まで、ベティは月に一度…って描写があるため、これはPMSがすごく関係してると思う。そして、程度の大小あれど、女性は誰しもこうして感情に振り回される時がある、少なくとも私がつきあってきた人たちはそうだった。
だから、ベティだけが「激情型」で特別なんだとは、私にはとても思えない。
もうひとつ、こういう言い方はとても嫌いだけど、私が好きになったりつきあってきた人たちはメンヘラ率が高い。そんなのつきあうまでわかんないのに。そして、「メンヘラだから好き」なのではないのに。ギャル系とか体育会系とはつきあったことがないから確率が上がるだけかもとは思うけど(これも偏見入ってるが)。
それで調べてたら、どうも「文化系女子」なる言葉があるらしい。もう、クソみたいな言葉だと思った。だいたい、「文化系」とか広すぎるだろ!
が、とあるサイトを見てて、気に食わないけど一理あるなあと思わされて、そこで言及されていた映画を観たくなった。
『インハーシューズ』『メランコリア』『ヴァージンスーサイズ』『17歳のカルテ』『ダイヤモンドは傷つかない』『昼顔』『17歳』『突然炎のごとく』『汚れた血』(これは観た)、そして『アダムスファミリー』。
(追記:どうやら私が読んだそのサイトは、真魚八重子さんの著書からの丸パクリであるようだ。あまりにも酷いクソ野郎だね。)
話は戻って、ゾルグは優しいだのなんだの言われてるけど、これも私はそうは思わない。というのは、私がゾルグにシンパシーを感じる理由でもあるが、彼は空っぽ、空虚な人間なんです。そこにエモーションを与える存在がベティ。
これはジャンジャックベネックスにとっての理想の女性像なのかもしれない。私にとっても。そして、実はここのところは歪んでるのかもしれないなあとも思う。だから、『ベティブルー』を観た女性、特に好きだと思った人と「ここの解釈はどうなの?」と語り合いたい、そんな作品だと思う。
私が観たのはインテグラル版の3時間あるやつだったけど、全然飽きなかった。ただし、長すぎてキレはなくなってるのではと思うので2時間版も観てみたいのだけど、レンタルにない。
途中のクライム映画的になるシーンはベネックス的なサービス精神で、切るならここを切ると思ったけど、繋がらなくなるからそうじゃないかも、など確かめたいことが多い。
音楽はガブリエルヤレド。アルトマンの『ゴッホ』を観てこの人の音楽をすごく好きになった。私が好きな映画音楽家はそんなにいないが、ガブリエルヤレドとラロシフリン(特にファンク・ディスコ化する前)はとても好きだ。
映像は『ディーバ』と同じく(そして『ムーンライト』などに受け継がれるが)、青の色彩。
ただし、青が目立ってくるのはベティによって生活が変化してきてから…という心象風景を表してるんだと思うのと、後半は黄色を差してくる。
映像づくりがものすごく上手いのが、長尺なのに飽きない理由だと思う。ジャンジャックベネックスは本当にすごい、大好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画を見る前に友人数名から物語のあらすじを全て聞いてから観たから、あー悲劇かー落ちるわーと思って敬遠していたのだけど、
実際観てみると悲劇じゃなかった。
最初から最後まで、そしてしっかり完結しているラブストーリーなのだ。
wikiやらで狂気のベティを包むゾルグの優しい包容力!みたいなことが書いあった気がするけどそういうのではないと思う。
異常な愛といえるかもしれないけど本当にそうなのかしら。
正常な愛の方が異常じゃないかしらん。
サントラ欲しい。 -
自由奔放だが精神不安定の19歳ベティと、息を殺して生きる作家志望の青年ゾルグ。
生きる喜びを与える女と、全てを優しく包み込む男との、強く激しく優しい愛の物語。
映画は、モナリザの絵の下でセックスする2分間のシーンで始まる。
“ベティと出会って1週間。毎晩セックスした。嵐のようだった”
ゾルグは、“透明な感性を持つ奇妙な花のよう”な聖母ベティに出会い愛し合い、
激しく純粋な野生に生きる喜びを感じた。
一方、ベティは、自分が生きていることの証を残したかった。
そしてゾルグに出会い、彼を小説家にし、彼の子供を身ごもることを夢見た。
“誰にも引き離せない。わたしたちは一緒よ。”
妊娠しやすいと言われるタイトル“37℃2”は、このベティの熱く切ない体温なのだ。
しかし、夢がひとつずつ砕けていったとき、ベティの純粋な心は破綻してしまった。
二人の絆を永遠に閉じ込めたゾルグは、またひとりで熱々のチリを食べている。
しかし今は、小説を書き上げるためにしっかりとペンを握っている。
ベティが望んだように、ベティと過ごした日々を考えながら…。
(120806鑑賞) -
恋愛映画は、これと『ローマの休日』があれば後は何もいらない。内容は、ローマの休日とは対極にありますが、重い映画好きな人で、まだ見てないあなた、うらやましい。見終わった後、3日ぐらい何もする気がおきなくなりますが、それもまた一興。素晴らしいの一言。何が変わったか知らないけど、見終わるともとの自分じゃなくなります。
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37-2 LE MATIN: L'INTEGRALE
1986年(1992年) フランス
監督:ジャン=ジャック・ベネックス
出演:ベアトリス・ダル/ジャン=ユーグ・アングラード
http://www.betty-blue.info/
映画館で観たのはインテグラル(完全版)バージョン。ベティに関しては、激情的な暴走・破滅型ヒロインの代表格、というイメージだったけれど、じっくり見ると単なる破天荒ではなく、むしろ相当に繊細だとわかる。というかまあだからこその破滅型であることは自明なのだけれど。これだけ感情の起伏が激しいと、本人もしんどいだろうが見ているほうもしんどい。熱烈な恋愛もの、として憧れるというよりは、彼氏にちょっと同情。彼らが本当に幸福だったのかどうか、今だにわからない。むろん絶対に正解の恋愛などないのだろうし、始まった時点では終わり方など予想もつかなかったのだろうけど。
(1993/4~)パルコ スペースパート3 -
これね、車窓から身を乗り出して「ジュテーム!」と無邪気に何度も言うベティーがすごく可愛いんだけど重いツライ暗いの3重苦映画です。私の知ってる仏人もこんな風。酒と煙草とセックスの国だよ。まんま。
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原題の37度二分っていうのは、妊娠しやすい体温らしくて、ということはやはりあの事がベティを狂わせた原因だったのかな?でも最初からちょっとぶっ飛んでたけど。
確かに愛し合ってた二人のはずなのに、後半は見てて辛かった。
ゾルグのずっと変わらない優しさに心打たれた。
音楽も印象的。 -
50点 二十歳の時に観たが難解だった。四十歳になったらもう一度観たい。