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- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988707555084
感想・レビュー・書評
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ナチス政権下、強制収容所でSSの医者として人体実験等をしていた戦犯で、敗戦後南米に逃れている父。一度も会ったことの無い息子がたずねていくという話。息子はその苗字のせいで謂れ無きいじめに耐えてきた過去がある、その生まれの為に迫害を受けた自分と、ユダヤ人としての生まれただけの人々を迫害した父、今、彼が何を思っているのか理解するために直接対決する。
しかしそこにはジェネレーションギャップなどという生易しい物ではない溝が横たわっていた、当時のドイツでは実力のあるものはナチスに入って国に尽くすのは当たり前だ、と言い放つ父、何万人という人を殺したと責める息子、そこには何の理解も無い。
時代の流れとは言え、戦争を肯定し、人種差別を当然と思っている世代と、大量虐殺の過去を引きずり、罪の意識を植え付けられた世代。同じ事は日本人にも当てはまるのではないか、いまだ未解決のテーマとも言える。
同時に親子間の争い、エディプスコンプレックスも描かれているようにも感じる。
父のしたことを許せないが、肉親を告発する事にも抵抗を感じている、血の繋がりとは何なのか?というのも答えの出せない問題かもしれない。
いずれも重いテーマながら、俳優の熱演で思わず引き込まれる、ブラジルの大自然などの映像も見事。