マイ・ファーザー 死の天使 [DVD]

監督 : エジディオ・エローニコ 
出演 : トーマス・クレッチマン  チャールトン・ヘストン  F・マーレイ・エイブラハム 
  • ジーダス
3.13
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本棚登録 : 16
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988707555084

感想・レビュー・書評

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  • ヨーゼフ・メレンゲ。先日書いた「見知らぬ医師」でも観たがナチスのSS将校であった彼のあだ名は「死の天使」文章では彼がSS時代に行ったユダヤ人に対しての人体実験は記憶しているが実際映画化されたメレンゲの悪行というものは実際に映画化されていない。「結合双生児」というメレンゲの執拗なこだわりは確かパロディのような作品で描かれていたが、それはあくまでもパロディの域でメレンゲからは遠のいている。

    「マイ・ファーザー 死の天使」
    https://www.youtube.com/watch?v=k6pQKM7sQ8w

    本作も悪行ではなく、戦後のメレンゲの逃亡劇にそれを追っていった息子の葛藤を描いた作品で緊張感はまるでないのだが、どうにもこうにも納得いかないことが一点!なんとメレンゲ役にあのベン・ハーのチャールストン・ヘクトンが!ダメでしょう~ベン・ハーは僕の憧れなのに

    実際、メレンゲの作品は多くあるが、その悪行は映像の中では永遠の謎のままのような気がします!

  • ナチス・ドイツに実在した「死の天使」ヨーゼフ・メンゲレをモデルにした作品。

    だが、とりあえず現実とは切り離して語ろう。彼を実の父親だと知らされないまま少年期を過ごした息子の存在も、彼と父親の関係も、どこまでが現実か定かではない。

    息子は徹底的に理不尽な運命を生きている。家族には叔父と知らされていた男が、実の父親であり、しかもアウシュビッツにて数千人のユダヤ人を使って人体実験を行った殺人鬼であるという事実だけではない。

    青年になった息子は、国外追放されブラジルのリオの片田舎で隠遁生活を送る父の元を訪れる。しかし、再開した父は、みずからの行為への罪の意識を持ちあわせておらず、当時は仕方がなかったと言い訳するばかり。父の戦争犯罪に対する考えは、基本的には終盤まで変わることがなく、積極的な反省の念を聞くことはできないままだ。

    息子と対話の機会を持とうと出かけた森のシーンですら、木々は日々生存競争をしている、人間も然りであるといった抽象的な人生論を語るばかりで、息子による戦争犯罪への罪の意識の問いかけには答えない。

    一方、息子は息子で、追及の仕方があまりに凡庸な現代人の視点の域を出ない。人を殺した罪、人体実験の罪。それらに憤る息子の言葉はどこか空疎で響かない。たしかに、ようやく再開した父から、せめて一言だけでも後悔の言葉を聞きたかったという気持ちはよくわかるけれど。

    父と息子のすれ違いは決して和解しないまま、物語は進み、史実通り、父は海で泳いで溺死する。父と息子の理解は得られないまま。なんともやりきれない映画だ。

  • 結果的に不謹慎きわまりなかったですが、
    『死の天使 アウシュビッツ収容所 人体実験医師』という副題(ビデオ題らしい)に
    おバカなB級映画だと思って、良く確かめもせずに借りました

    と思ったら、実話を元にした系の真面目な映画でした
    戦犯を父に持つ息子の苦悩っていう

    だって『ホステル』と同じ棚にあったよ??

    とにかく、またしても心が荒んでるので人でなしの映画がみたかったのですが
    その思いをベースに見ると、ものすごい罪悪感

    映像の感じが面白く
    まあいいかって思って観ていたのですが
    一回寝ました

    どんだけあのおじさんが残酷だったのか克明にされなかったので
    苦悩は想像を働かせないとなかなか伝わらない

    何千という数字は
    すごい数だけどやっぱり数字なんだもの

    おじさんが最後、深い森で云ったことが
    案外そうなのかもと思ってしまった
    植物とかを例に持ってこられると弱いのかも


    (2003/MY FATHER, RUA ALGUEM 5555)

  • [鑑賞日:レンタルDVDにて2010年10月20日]

  • ヒトラー政権下、アウシュビッツ収容所で数々の人体実験を行い戦後も『死の天使』として恐れられた実在した医師『ヨーゼフ・メンゲレ』。日本で言うなら、 731部隊の石井四郎か。彼の息子ヘルマンの告白等を元につくられた小説の映画化作品でありほぼノンフィクションに近い内容である。

    チャールトン・ヘストンの存在感は圧巻。狂気と人間味をうまい具合に共存させており、「父」が凶悪犯に見える瞬間もあり「父」が父として存在する時もある。そして、そのことで翻弄される息子ヘルマンの苦悩。彼は息子として父を欲し、現代人として父を断罪する。引き裂かれる息子役を演じたトーマス・クレッチマンも非常に鬼気迫る演技で素晴らしい。

    36人の子供の目に科学薬品を注入し大半を失明させた。44年の夏に153人の頭を銃で吹き飛ばして殺した。解剖するために!背が低いという理由で子供1000人を殺した!…

    本作は、人体実験などの詳細ではなく、父と息子の話である。が、メロドラマ的印象を与えないのは二人の名演とノンフィクションタッチの事態の重みによるところだろう。私はここまで父を責めたことはないが、ヘルマンに同情せざるを得なかった。

    メンゲレをかくまうオデッサのような存在も本作内で描かれている。ナチスのことを知っているとディティールも楽しめる映画。

  • (2003 イタリア/ブラジル/ハンガリー)

  • トーマス主演作。
    いざ買おうと思ったら ス ゴ イ 表紙と題名だったので買うのをためらってしまうほど引いた。
    内容は重かったがわりと普通。
    死の天使とか付け加えてしまう配給の趣味の悪さを疑う。

  • ナチス政権下、強制収容所でSSの医者として人体実験等をしていた戦犯で、敗戦後南米に逃れている父。一度も会ったことの無い息子がたずねていくという話。息子はその苗字のせいで謂れ無きいじめに耐えてきた過去がある、その生まれの為に迫害を受けた自分と、ユダヤ人としての生まれただけの人々を迫害した父、今、彼が何を思っているのか理解するために直接対決する。

    しかしそこにはジェネレーションギャップなどという生易しい物ではない溝が横たわっていた、当時のドイツでは実力のあるものはナチスに入って国に尽くすのは当たり前だ、と言い放つ父、何万人という人を殺したと責める息子、そこには何の理解も無い。

    時代の流れとは言え、戦争を肯定し、人種差別を当然と思っている世代と、大量虐殺の過去を引きずり、罪の意識を植え付けられた世代。同じ事は日本人にも当てはまるのではないか、いまだ未解決のテーマとも言える。

    同時に親子間の争い、エディプスコンプレックスも描かれているようにも感じる。
    父のしたことを許せないが、肉親を告発する事にも抵抗を感じている、血の繋がりとは何なのか?というのも答えの出せない問題かもしれない。


    いずれも重いテーマながら、俳優の熱演で思わず引き込まれる、ブラジルの大自然などの映像も見事。

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