張込み [DVD]

監督 : 野村芳太郎 
出演 : 大木実  田村高広  宮口精二 
  • 松竹ホームビデオ
3.57
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105046269

感想・レビュー・書評

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  • 映画の見方がわからなくなっている。
    ストーリーを追うか、登場人物に良く言えば肩入れ悪く言えば寄り添う?そういうのは違うような気がする。
    一度見ただけで漠然とした印象では語りたくない映画や一読だけではわからない小説について考えていきたいかもとなんとなく思ってきていて、なのに毎日だらだらと消化するみたいな感じだ。
    この映画は男と女の物語で今よりもっと差別がわからない人たちが描かれていると思った。
    差別ってわからずに差別を描くのか、差別とわかって描くのかそこはもう聞けないからわからないけどそれが普通だと思っていたひとたちがしんどく感じるのは世の中の見方が少し変わったからかも。
    誰でも年は取るし、綺麗なだけじゃないってこと。男は良くて女はだめなんてことはないってこと。対比させて描いてた。主人公の若手刑事は絶対幸せになれる、心があるから。最後そう思えたかなと思う。

  • DVDをレンタルして「松本清張」原作の映像化作品『張込み /1958』を観ました。

    -----story-------------
    警視庁捜査第一課の「下岡」と「柚木」は、質屋殺しの共犯「石井」を追って佐賀へ発った。
    主犯の自供によると、「石井」は兇行に使った拳銃を持ってい、三年前上京の時別れた女「さだ子」に会いたがっていた。
    さだ子は今は佐賀の銀行員横川の後妻になっていた。
    「石井」の立寄った形跡はまだなかった。
    両刑事はその家の前の木賃宿然とした旅館で張込みを開始した。
    「さだ子」はもの静かな女で、熱烈な恋愛の経験があるとは見えなかった。
    ただ、二十以上も年の違う夫を持ち、不幸そうだった。
    猛暑の中で昼夜の別なく張込みが続けられた。

    三日目。
    四日目。
    だが「石井」は現れなかった。
    「柚木」には肉体関係までありながら結婚に踏みきれずにいる「弓子」という女がいた。
    近頃二人の間は曖昧だった。
    「柚木」には「下岡」の妻の口ききで、風呂屋の娘との条件の良い結婚話が持ち上り、「弓子」の方には両親の問題があったからだ。

    一週間目。
    「柚木」が一人で見張っていた時、突然「さだ子」が裏口から外出した。
    あちこち探した末、やっと「柚木」は温泉場の森の中で「さだ子」と「石井」が楽しげに話し合っているのを発見した。
    彼が応援を待っていると、二人はいなくなった。
    再び探し当てた時、「さだ子」は「石井」を難きつしていた。
    だが彼女は終いには彼に愛を誓い、彼と行動を共にするといった。
    しかし「下岡刑事」が到着し、「石井」はその温泉宿で逮捕された。
    この張込みで、「柚木」は女の悲しさを知らされ、「弓子」との結婚を決意した。
    「今日からやり直すんだよ」 「柚木」は小声で「石井」を慰めた。
    それは自分へ言い聞かせる言葉でもあった。
    -----------------------

    「松本清張」の原作小説『張込み』は、5年くらい前に読んだ『顔・白い闇』という短篇集に収録されていたので、大まかなストーリーは覚えていたのですが、、、

    原作では張り込みを行うのは「柚木刑事」一人だったのですが、映画では若手の「柚木」、ベテランの「下岡」の二人の刑事を登場させているところ等、若干、変更されているようでしたね。
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    また、原作で「さだ子」は地味なイメージだったのですが、映画で「さだ子」役を演じている「高峰秀子」は艶やかな感じがして印象が違いましたが、これはこれで良かった。

    個人的に「高峰秀子」はお気に入り女優なので、贔屓目に観てしまっているのかもしれませんが… 生活に疲れた女が、犯罪を犯した昔の恋人と再会し、忘れていた(隠していた?)女としての心に火を点けるところが、巧く表現できていると感じましたね。

    面白かったですねぇ、、、

    「松本清張」作品を久しぶりに読みたくなりました。


    -----staff/cast-------------
    監督:野村芳太郎
    製作:小倉武志
    原作:松本清張
    脚本:橋本忍
    撮影:井上晴二
    美術:逆井清一郎
    音楽:黛敏郎
    出演:
    大木実(柚木刑事)
    宮口精二(下岡刑事)
    高峰秀子(横川さだ子)
    田村高広(石井キュウイチ)
    菅井きん(下岡の妻・満子)
    竹本善彦(下岡の長男・辰男)
    清水将夫(さだ子の夫・仙太郎)
    伊藤卓(仙太郎の長男・隆一)
    高木美恵子(仙太郎の長女・君子)
    春日井宏行(仙太郎の次男・貞二)
    内田良平(石井の共犯者・山田)
    高千穂ひづる(柚木の恋人・高倉弓子)
    藤原釜足(弓子の父)
    文野朋子(弓子の母)
    町田祥子(弓子の妹)
    高木秀代(弓子の妹)
    磯部玉枝(弓子の妹)
    浦辺粂子(旅館の女主人)
    山本和子(旅館の女中・秋江)
    小田切みき(旅館の女中・喜和子)
    川口のぶ(銭湯の娘・信子)
    北林谷栄(信子の母)
    玉島愛造(銭湯の釜焚き)
    南進一郎(深川署署長)
    近衛敏明(深川署刑事課長)
    松下猛夫(深川署刑事)
    土田桂司(深川署刑事)
    鬼笑介(深川署刑事)
    芦田伸介(捜査第一課長)
    大友富右衛門(佐賀署署長)
    多々良純(佐賀署刑事)
    小林十九二(洗濯屋の主人)
    清水孝一(洗濯屋の小僧)
    大友純(飯場の親方)
    山本幸栄(町工場の主人)
    草香田鶴子(製本屋のおかみ)
    末永功(血液銀行の係員)
    福岡正剛(タクシーの運転手)
    今井健太郎(巡査)
    竹田法一(関西弁の男)
    小林和雄(ある通行人)
    稲川善一(郵便屋)

  • ドナルド・リチー追悼企画、ELECTRIC EIGHTの二番手として選出されたのは本作。野村芳太郎なる監督作品はこれが初ではありながらも系譜的には松竹蒲田・大船で育ち、本作が出世作であったとのことで、少なくともこの辺の「話してるところ」あたりは理解できるようになってきた自分にちょっと胸を張りつつも、相変わらずのスローペース振りをどうにかせねばとへこみもする。

    原作は松本清張、制作にあたり脚本担当の橋本忍が方向性もまとまる前に本人を訪ねたところ作者本人の方がその気になって映画製作に協力してくれるようになったという裏話も微笑ましい。その後清張-野村コンビは20年近くも続く関係になったとのことで、そのへんもなんとわなしに昭和を感じさせる。

    とはいえやはり足を運んだ決めては高峰秀子が出演していることであったのは否定せずも、活躍が若干控えめで不満も残る。ほんの数年前彼女の追悼企画として開かれた映画祭を通して知ったばかりの彼女の魅力、それから一体何本ほどの出演作品を観たのだろうかと数えると丁度10本程度になるらしい。公開年度で言うと本作は今までの鑑賞作品中「流れる」と「笛吹川」の間に位置する。彼女のことを語れるようになるにはまだまだ道のりは長いようだ。

    今回のキャストでスルーして悔しい思いをしたのは北林谷栄さま。「肉弾」(1968)で神々しいまでのおばあさま役を拝見したのが前回で本作が58年の公開ということなのでほんの10年後のこと。こちらもまだまだ脇役名優を発見する能力が甘いようだ。

    本作の冒頭部は東海道から佐賀に至るまでの当時の夜行急行の様子が事細かに収められている。電化区と非電化区といった最近ではあまり聞かなくなった言葉も頭に浮かぶ。つい最近新幹線で東海道、山陽、そして特急かもめで鳥栖から長崎への道のりを体験したばかりであるだけに、これらのシーンは強く印象に残った次第。

    暑い夏にまた観たい。

  • 昭和。警察。汽車。佐賀。はぁー面白い。

  • 動的な展開が少ない静のサスペンス。女性の恐ろしさを描くことに力点が置かれている。これは「霧の旗」と同じだが、復讐心という憎悪ではなく、男を愛する熱情に女性が突き動かされる点や、事件の社会性や特異性を素材としていない点が異なる。こうした女性が描かれる作品として「事件」を思いだしたが、動的な展開で飽きさせないつくりの本作とも異なる。

    このように比較していくと、あらゆる要素を削ぎ落として、男を愛する熱情が女性を大胆に変えてしまう、という一点を際立たせた本作をサスペンスとして扱うのは不適当かもしれない。

  • 日田、佐賀などを舞台とした作品です。

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