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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4523215006293
感想・レビュー・書評
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一人の男が、現実逃避を繰り返しながらも、逃れられない孤独と狂気をジワジワと身に溜め込み、蝕まれ続けて、それが致死量に至った時に呆気なく破滅を迎えて死んでしまうまでの二十数年間を、ヴィスコンティらしい、豪奢かつ退廃的な映像美でじっくり描いた歴史大作。
19世紀中盤、今のドイツ南部に位置する、バイエルン王国の国王に18歳で即位した、ルートヴィヒ二世。
夢見がちな彼は、敬愛する音楽家ワーグナーの支援や豪華な城の建設などに夢中で、王の責務である政治や軍事には背を向けたまま、浪費を繰り返していました。
廷臣や、想いを寄せていた従姉弟でオーストリア皇后のエリザベートなどに諌められ、現実世界に対処しようと束の間努力しても、内に抱える孤独と狂気、そして現実逃避の性向は治らない。
それどころか、浪費に加え、昼夜逆転の生活や同性愛的要素の強い乱痴気騒ぎなど、悪行は増えていくばかり。
やがてルートヴィヒの浪費は国家財政を破綻させるまでに至り、近隣諸国との度重なる戦争への責務を果たさない彼を、家臣たちは排除しようとして…。
物語は、決して、速くも、劇的でもない、むしろ、緩慢で比較的静かな、けれども、視覚的にはとことん豪奢な場面の積み重ねで展開していきます。
これには、まるで、即位してから死ぬまでの二十数年間に渡って、激動の時代であった外の世界を拒み、虚飾の世界に逃げ続けたルートヴィヒの精神構造を象徴しているかのような印象を受けます。
また、まるでドキュメンタリーででもあるかのような、ルートヴィヒの廷臣や従僕、医師などが、ルートヴィヒについて、それぞれの視点から代わる代わる代わる証言する演出は、実在した人物を描いた作品として、リアル感と奥行きを与えています。
中盤の少なからず冗長なつくりに反して、ラストのあっけなさが、これまた、ヴィスコンティらしい。
若き日の美しかった姿から、年齢と精神不安を重ね、醜く崩れた中年姿まで、すべての時代のルートヴィヒを演じきったヘルムート・バーガーが実に見事な作品でもありました。
4時間近い大作ですが、ヴィスコンティファンにはオススメの作品。
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4時間はさすがに長いですが、ルートヴィヒ2世の狂気の振る舞いをめぐる歴史ドラマに、エリザベート(ロミ・シュナイダーが美しい)、ワグナー(こんな傲慢な奴だったのか)らの興味深い人物が配され、なかなか興味深い作品でした(予備知識としてルートヴィヒ2世のひととなりは頭に入れておいた方が良いでしょう)。ルキノ・ヴィスコンティの美意識爆発の豪華絢爛な映像も凄い。
興味深いのは、芸術狂いの人物に金と権力を持たせたら、いかにとんでもないことになるかということ。浪費の限りを尽くした挙句に王の座を追われたわけですが、ノイシュヴァンウシュタイン城やバイロイト劇場、はたまた「ニーゲルングの指環」をレガシーとして後世に残しており、ドイツは今もその恩恵を与っていると言えるのでしょう(ルイ14世の19世紀版とでもいいますか)。
終盤にパラノイアとなって憔悴する姿が、「ベニスに死す」のアッシェンバッハとまんま一緒で
だったことに苦笑。美とか芸術に取り憑かれて、現実世界にコミットできなくなった男を描くという点では2つの映画は同じであり、ひょっとしたらヴィスコンティ監督の自画像なのかもしれません。 -
DV5/1-2/10092/
2121009201 -
ノイシュヴァンシュタイン城に行く前には、『見なければいけない映画』だと豪語できます。
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当時の私には高価な買い物だったけど、長さを考えたら妥当か・・・?
今では若いうちにヴィスコンティ作品が観られてよかったと思う。
狂王の異名を持つバイエルン王ルートヴィヒ二世。
世界で最も美しい城を議論すれば必ず名の上がるノイシュヴァンシュタイン城を建てたその人だ。
美しい・・・。
そして悲しい。 -
借りようと思ったけどどこにも置いてなかったので買っちゃった ドイツが舞台なのにイタリア語ってとこが一番惜しかったな… 結構気に入っている作品。
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すごく綺麗な人が出てくるとか・・・うふw
楽しみ。
でも、後半はメイクして、すごいことになちゃうとか・・・うふ -
ヴィスコンティ、好きです。
バイエルン王ルートヴィッヒ二世。
もっとゴタゴタどろどろグチャグチャしているでしょうが、
さっぱりと描かれています。政治的な背景、私生活的背景
は少ないです。
豪華です。
ヘルムート・バーガーは綺麗な上、演技も完璧です。
ロミー・シュローダーも素敵です。
ドイツ語だったらもっと良かったのになぁとは思いましたが、
美しくまとまって、だんだん気にならなくなっていったかも。
絢爛豪華。
(H21.6 録) -
完璧主義のヴィスコンティならではの名作。
贅沢なロケ。
そしてロミー・シュナイダーの美しさ。
是非ご覧下さいませ。 -
セットがすごい。美術がすごい。撮影許可が出ちゃうところもすごい。それだけを見ていても楽しい。でもジャニーさんが貴族だったら…と思えなくもない…。
(1972/イタリア) -
ヘルムート・バーガーはまさにハマリ役。彼の美しさはこの役に必要不可欠であり、ルートヴィヒの狂気をリアルに演じています。長い映画ですが、ダレを感じる箇所は一つもナシ。ヴィスコンティの描いた城の中の美術が素晴らしい!
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前にDVDで見て映画館で見たいと思っていた作品。ビスコンティ100周年のおかげで新宿の映画館で見ることができた。
前回見たとき同様、後半眠くてしょうがない。。。けどほんと良すぎる映画自体の重厚感とヘムルート・バーガー。。
狂王に同情や「はぁ・・?」とは思っても共感にならないからなんだか眠いのかな?共感できないで見るには長すぎるのかな?
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