ある朝スウプは [DVD]

監督 : 高橋泉 
出演 : 廣末哲万  並木愛枝  高橋泉  木村利絵  垣原和成 
制作 : 高橋泉 
  • エイベックス・ピクチャーズ (2006年2月22日発売)
3.78
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  • 本棚登録 :63
  • レビュー :17
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988064225880

ある朝スウプは [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 他人事としては観られない。もし北川くんが私だったら。もし私が見捨てられてしまったら。
    2人で暮らすというのは、こういう全てを背負うということで。いまの私には重すぎる。
    あの頃、私を助けてくれていたあの人は、いったいどんな気持ちで、私と一緒に一駅ごとに電車を降りていたんだろう。だからきっと、「結婚はない」だったんだろうなぁ、と思うと、この先の人生、この病気の重さが、より染みてくる。

    ラストシーン、「他人なんだね」に心えぐられる。

  • 次第に壊れて行く彼に寄り添う彼女。
    まさか引き返せない坂道を転がり落ちているとは・・・

    もう戻れないと悟った彼女は
    いつか行った台風の熱海旅行を思い出し
    あの旅行さえ行っていなければこんなことにならなかったと
    理にかなってはいないとわかりつつも
    納得できない別れに理由が欲しかったのだと思う。

    宗教がらみでは珍しくない話しだが
    イタズラに事件を盛り込まず、
    手の届く範囲で切り取られていて
    それが他人事ではない距離と緊張感を生んでいると感じる。

    主演の廣末さんが次第にやつれて行き
    宗教に取り込まれていく様子を好演。

    相手役の並木さんは粗野なヤツとおもったり
    スッとスマートな顔を見せたりと
    色んな顔をもった方だなぁと思いました。
    ふたりともとても好きになった。

    この映画はこれでOK。
    完璧というわけではないが思い返してみても
    これ以上引くことも、何か足すことも不要と思う。

    主演の廣末氏の監督作品「14歳」も是非見たい。

  • パニック障害の彼が新興宗教にはまる話。
    最後は「他人なんだね」で終了するんだけど、まさにそれ以上でもそれ以下でもない。新興宗教にはまってなくても恋人ってそう。

    暗いのはしょうがないとしてもおしゃれじゃないんだよなータイトル以外。

  • 予告では「100%の純愛映画」とあったけど、これは完全に「崩壊」と「絶望」の映画です。
    とあるカップルの日常がものすごくリアルに映し出されている自主製作映画。パニック障害になり、新興宗教にはまっていく彼。それを必死に支える彼女。
    そんな彼女に彼が言う。「所詮、他人なんだよ」
    そしてラストに彼女が言う。「他人なんだね」
    家族でも恋人でも、結局は他人。その他人という壁を越えるのは、なんて難しいんだろう。皆、自分のことだけでも精一杯で、自分のことすらわからないことだらけなのに。

  • レンタルにて鑑賞。
    PFF2004グランプリ作品。
    群青いろの作品。

    以下ネタバレ

    ~あらすじ~
    秋、10月-北川(廣末哲万)は、電車の中で突然か過呼吸の発作に襲われ、病院でパニック障害と診断された。社会生活がままならなくなってしまった彼は、在宅勤務によるパソコン入力の仕事を見つける。彼と同棲生活を続けている志津(並木愛枝)は、北川の病状を気遣いつつ、勤務先が遠くに移転するために転職を迷っていた。冬、1月-。会社をやめることになった志津の送別会の夜。深夜家に戻ると、北川の姿がなかった。そして見慣れぬ黄色いソファが部屋に置かれていた。朝帰りをした北川は、妹のインド旅行の土産だという数珠のブレスレットをしていた。違和感を感じる志津。北川が無断で外泊したことも、数珠も、そして何よりソファが嫌だった。訳もなくイライラを募らせる。再就職先もなかなか決まらない。一方北川は、連日のようにセミナーに通い出していた。ある日志津は、北川との共同の預金から40万円が引き落とされていることに気づく。それがソファの代金だと気づいた彼女は北川を責め立てる。北川が通っているセミナーは、宗教団体ではないかと。北川はそのソファは羊水でできていて、体内に蓄積されたカルマを浄化するためのものだと、志津を説得する。そして志津を勧誘しようとするのだった。ソファを家から運び出そうとする志津は、北川と激しく争う。ふたりの溝は深まるばかりだった。就職先も決まらず、北川にあたってしまう志津。2月-。志津の友人のキヨコ(木村利絵)が遊びにやってくる。北川は落ち着かないでいる。引きこもっている北川に他の人と交流してほしいと、志津が願ったからだ。しかし北川はキヨコが帰った後、彼女が自分のことを何と言っていたかを気にするばかりだった。ある朝。通勤途中の人々をぼんやり見つめる志津。家に戻った彼女は北川が隠れて電話をしていたことに激怒する。しかしそれはセミナーへの電話ではなく雇用保険についての電話だった。突然尿を漏らす北川。ふたりは追いつめられ、それぞれ別の世界へとどんどん閉じ込められていくばかりだった。志津の留守中に、セミナーの信者(高橋泉)が外出できない北川の元を訪れ、カルマを落とす儀式を行っていく。そして新しいグループの副班長に北川を推薦したいと言うのだ。北川は何とか志津にもその理念を理解してもらおうと説き伏せるが、志津は「気持ち悪い」と言って取り合わない。一方北川はその先輩信者からエネルギーを補給され、夜中に志津を起こして公園を歩き回る。彼は何かを確信したかのようだった。しかし志津に外出を禁じられ、そのストレスで彼女を突然殴る。志津はアルバイトで空き地の写真を撮っていた。北川と同じ数珠をした男の人影にとらわれて、路地に迷い込む志津。北川は部屋で発作に襲われている。3月-。どうしても病院に連れ出したい志津。しかし北川はその恐怖を、腕に多くの目を描くことで表現する。母親のようにマジックで描かれたその絵を消す志津。ある日、北川は志津の財布から金を盗もうとする。咎められた北川はトイレに逃げ込む。世界のカルマについてばかり語ろうとする北川。北川個人の、そして自分達のことについて語ってほしいと訴える志津。志津は何かを諦めたように、北川にお金を渡す。それを躊躇なく受け取る北川。そして笑みさえ見せるのだった。その様子を見て志津は、北川に平手打ちをする。春、4月-。朝。部屋では北川が荷造りをしている。ドアの外ではセミナーの信者が北川を待っている。志津は最後の朝食を準備する。


    この作品の凄いところは妙な説得力にある。
    なぜ志津は北川を見捨てることがないのか。
    「宗教」にはまりこむ北川。
    変な説明はない。しかしまたないから私たちは考えなくてはならない。
    そうして裏設定を考えたときに志津はだから北川を捨てないんだなとか考える。
    そこは自分の想像ではあるけれどしっくりはまる。
    これは彼女たちの話。
    今さら性格や関係を語る必要はないのである。
    画面から伝わる二人の空気に入り込み、説得させられる。

    私は「宗教」をこういった形で扱う作品を苦手としている。
    別に私自身、信仰している宗教があるわけではない。
    しかし「宗教」は一種の考え方であり、誰も正解などわからないこの世なのだから考え方を否定しなくてはならない。
    この国では宗教という存在は嫌悪されている。
    みんなの当たり前ではないものは怖いものという認識がある。
    それはトイレを挟んだ二人の会話からも読み取れる。
    北川がセミナーに行くのを怒る志津。
    北川は「気持ち悪いからだろ?」と言う。
    個人的にはラストシーンよりも余韻のあるシーンだった。
    製作サイドはそのこともわかっているんだと思った。
    しかし志津の嫌悪感と日本人の持つ宗教への嫌悪感を引き立たせるために北川は「ああいった」宗教に入らせたんだと思うが、何もあそこまでするのはリアルじゃないと思う。
    北川の性格を差し引いても少し違和感がある。
    難しい題材に挑戦しているし、決して悪いわけではないけれど宗教の扱い方においてベストではないと思う。
    群青いろに期待をこめて。

    しかし作品を通してみれは二人の結束と崩壊がみてとれる良作。
    はじめから崩れていたのか。
    二人の食べた朝食のミソスープは何を生めたのか。
    引きずり込まれる世界は見事。
    さすがにグランプリだ。

  • パニック症候群でへんな宗教のセミナーにはまってしまう同棲中の彼氏を包む彼女の愛は本当に大きな愛で、そこに感動した。
    でも、「他人」なんだ。
    ある朝スウプは、二人で食べる最後のスウプになった。
    なんだか悲しくなった。

  • 自主映画なんで、
    めぼしいひとが主演ではないんですが、
    非常にリアルな、
    セリフ回しと演技とはいえぬほど現実味のある構成に
    圧巻でした。


    2004年ぴあフィルムフェスティバルグランプリです
    (やっぱり、あたし自身も賞とか気にするわけだから、
    うだうだゆってないで、なんかコンペのひとつもだすべきだとおもいながら・・・・)

    http://www.pia.co.jp/pff/soup/


    西武新宿線沿線に同棲するふたり

    ある朝を境に、北川はパニック障害をひきおこします
    満員電車に乗れない

    で、
    献身的にカバーする彼女しづ

    だけども、
    通勤のできなくなった北川が在宅の校正バイトをみつけてくるのですが、
    それが新興宗教だった で、どんどんどんどんハマってゆく

    それを、月ごとにみせてゆきます
    固定カメラと手持ちカメラなのかな

    ふつうの家庭用ビデオを回してる風です

    ただそれがよりリアル感を増幅させてる


    カルマがどうのこうの 世界の貧困、紛争 だのを口にするようになり、
    40万だのするご利益のある【ソファー】なんぞを購入してしまう

    転職でなかなか採用をもらえない彼女、
    バイトでふたりの生計をたて、
    それでもセミナーだかなんだかにゆく彼を
    必死で食い止めようとする

    で、
    結局は宗教のほうへ彼はもってかれてしまうのですが・・・・


    切実でした

    宗教ってのは、精神にはいりこむんで厄介です
    非常に危険をはらんでる

    ひとの思想を操作できるのだから

    弱いとこを突いてくる

    彼の場合は「パニック障害」


    あたしも、21ぐらいのころ
    新宿のティップネスに通ってて
    通りすがりでアンケートを頼まれました

    あのよくあるようなやつ

    でもその場じゃなくて、
    西新宿の路地裏のマンション1室に通された

    すると、
    化粧品売り場のねえちゃんみたいなべっぴんがきて、

    「あなた外歩くの恥ずかしいでしょ」

    とかゆう

    で、
    散々「その顔で歩くのイヤじゃない?」「体型なんかもよく馬鹿にされるでしょ」
    とかゆってくる

    ふつうのひとはそこで怒るかなんかするとおもうんですが、

    あたしは真に受けて、

    − あー、あたしブサイクで、外にでちゃまずいんだ

    って悶々としてきて、変な【水】を何十万とかで売りつけられました

    で、
    あたしはサインしてしまった!

    けど、帰宅早々 母親がクーリングオフの手続きをして免れた ってゆう、
    そうゆう経験もあります


    じぶんの容姿にある程度自信、確信をもってるひとはまずひっかからないでしょうが、
    コンプレックスのある人間は、
    まず「笑われてるよ」とかゆわれると、
    もうムリです

    そのマインドコントロールたるやおそろしい


    こうゆうもんにひっかからない人間ってのは、
    じぶんを客観的にみれる人間ですね

    客観的にみて
    「それどーかんがえても、おかしーやろー」
    とゆえる人間はだいじょうぶです

    あたしもそのタイプなんですが、
    外見に対してはシリアスになってしまいます

    イジメられてたもんで、
    そこを突かれるとまずムリですね


    だけども、もういい歳なんで、
    ブサイクだろうが、
    デブとゆわれようが
    もうひっかかりはしないでしょう


    で、この映画をみてて

    「なんでそんな男と別れないでいるの?」 って

    だれしも疑問におもうとおもうんですが、

    それってのは、
    単純に【愛】とかって抽象的なものじゃなくて、

    過ごしてきた年月だとおもいます


    このふたりはみてからに、
    大学時代同期かなんかで、同棲して8年くらい経つんじゃないでしょうか

    で、
    そうゆうふたりでの時間をおもうと、
    宗教にハマろうがなにしようが、
    離れられなくなるのだとおもいます


    ひとりよりは、
    たとえ宗教に傾いてようがひとのぬくもりがあるほうがまし とゆーような

    だいたい、
    じぶんが必死こけば脱け出させられる確信があるでしょうし
    (それが宗教の場合、そうはいかないんですが・・・)


    だいたいひとってのはおもしろいもので、
    コドモのころより、
    オトナになってからのほうが、
    だれかがいないとダメな気がします

    なんでそう寂しがり屋になってくるのでしょうか。。。


    てなことを、ぐるぐるとかんがえてしまう映画でした  

  • なんでも制作費3万円、スタッフ5人の自主制作映画らしい。
    パニック障害になり普通の社会生活をおくれなくなり引きこもる男。
    その男を支える同性相手の女。
    男はセミナーに通うようになり、高額のソファを買うなど新興宗教にのめりこんでいく。
    絶望で救いようがない映画。

  • こんな映画が
    こんな男女が
    こんな景色が
    こんな葛藤が
    こんな言葉が

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