親切なクムジャさん プレミアム・エディション [DVD]
- ジェネオン エンタテインメント (2011年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988102233532
感想・レビュー・書評
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たった今、チャングムの誓いを見ている真っ最中だ。
そのイ・ヨンエが出ているということで見てみた。
刑務所にいる間『魔女』と『親切』という二つの名を持っていたクムジャさんが出所と同時に復讐へと動き出す。
彼女の復讐は実は十三年前、刑務所に入れられたときから続いていたのだった。
チャングムの誓いの美しい心の女性とは全く別の役をやりこなす(クムジャさんも美しい心の持ち主だとは思うが殺人鬼だ)彼女に感嘆した。
親切はやめたと言いながら、どこまでも親切なクムジャさん。
彼女の心に巣食った復讐の炎は消えることなく、別のベクトルの親切をする彼女には不思議と怖い印象はなかった。
ただひたすらに、美しく悲しく切ないだけ。
彼女の幸せを願わずにはにはいられなくなる作品だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サンタクロースの衣装を着た聖歌隊と伝道師が、“親切なクムジャさん”と呼ばれている女性を待っている。
刑務所から出所した女たちは、待ち構えていた家族と抱き合ったり、「心を白くして二度と刑務所に戻らないように」豆腐を食べている。
そんな中を、冬だというのに水玉のワンピース姿の女性が無表情で歩いてくる。イ・クムジャ(イ・ヨンエ)。
20歳のときに「ウォンモ君誘拐事件」の犯人として逮捕され、その美貌と残忍な手口により世間を騒然とさせた女だ。
13年の刑期を終えた彼女は、逮捕された時と同じワンピースを着て出てきたのだった。
刑務所にいた時からクムジャを支援してきた伝道師(キム・ビョンオク)が差し出した豆腐の皿を、彼女は片手でひっくり返し、「余計なお世話です」とぴしゃりと言って、立ち去っていく。
刑務所の中で、クムジャは、他の囚人にいじめられた新入りの代わりに復讐を施したり、老いた元北朝鮮スパイの世話をして、この世の天使のように崇められ、“親切なクムジャさん”と呼ばれるようになったのだった。その顔からは光が放たれていたという。
だが、出所した彼女からは、刑務所にいたときの聖母のような微笑みは消えていた。3年前から心に決めていた作戦を、開始する時が来たのだ。
刑期を終え、復讐鬼と化したクムジャは娘と再会し、先に出所した仲間の協力でついに男を手中に収め、復讐を遂げようとした瞬間、驚愕の事実を知る。
「親切なクムジャさん」の本領発揮は、そこからが始まりだった…。
なんと言っても、韓国の国民的女優イ・ヨンエが演じるクムジャの刑務所では天使のように慕われる仲間に対しての親切ぶり(魔女と渾名され同房の仲間を性奴隷にしていた巨漢の女性を半身不随にした後毒殺など)と出所後の周到に仲間の協力の下で復讐を実行していく冷徹さのギャップ、「全てがキレイじゃなくちゃダメ」というクムジャのポリシー通り赤いアイシャドーで自らを彩りレザーコートとブーツそして銀細工の特注拳銃で武装したクムジャのクールなリベンジヒロインの魅力、心ならずも娘を手放さなければならかったクムジャの苦悩、クムジャを始めとする誘拐事件の被害者の怒りと哀しみを昇華させる喪の儀式でもある壮絶で華麗なラストの復讐劇、アジア最高のリベンジムービー。
「白く生きて」 -
「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク監督の「復讐3部作」完結編。独特な映像とイ・ヨンエの目まぐるしく変化する表情を観るだけでも楽しめるが、やはりパク・チャヌク監督、一筋縄でいかない。後半の怒涛のバイオレンスとクムジャの魂の救済を求める姿(原題にもある通り、まさにSympathy)の対比がエグイ。今では韓国映画界の重鎮スターが若く脇で光っているところも見所。チェ・ミンシクは本当にカメレオン俳優だが、こういう異常者役は本当に似合う。面白かった。
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ずうっと見たくて。なんとなく見ていなかった作品。考えていたのとちがった。ほとんどサイコホラーじゃん。脚本もカメラも尋常じゃない才能を感じる。残酷で救いはどこにもないんだけど、果てしなく美しさを感じるシーンがいっぱいある。
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演出、構成、カメラワークがどれも斬新で実験的な映画のよう。韓国の強い女の像がここにはある。
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子どもを誘拐殺人して13年の刑に服したクムジャさん。彼女には大きな目的があった。
クムジャさんのキャラクターに引き込まれる。彼女の行動の真意がだんだんと見えてくるストーリー。
そこまでも充分に面白いが、ラストの展開がさらに凄まじい。それぞれの遺族もいいが、やはりここでもクムジャさんの存在感が光る。
韓国映画のエグさと、それが生む美しさ。これはなかなかにすごい映画だ。 -
イ・ヨンエが綺麗
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もちろんイ・ヨンエさん目当てで見ましたけど、なんか微妙だなぁ。復讐3部作とのことですが「オールド・ボーイ」ほどのインパクトはなし。
ヒロインにどんな過去があって、何を目論んでいるのか。その辺りが本作の焦点でしょうが、時系列がばらばらでなんとも集中しにくい。かといって驚くような展開があるわけでもなし…。 -
パク・チャヌク監督の復讐三部作の最終作。(前二作は未見)
濡れ衣で服役していたクムジャさんの復讐劇。
鮮やかな色遣い、カメラワーク、そして何よりクムジャさんの美しさが際立って印象的だった。
テンポもよく、音楽も効果的で見ていて飽きなかった。 -
画面構成が美しかった。
贖罪にも復讐にも儀式が必要だった。 -
思ったよりポップだった。テンポが良く、観やすい。
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パク・チャヌク監督「復讐三部作」の最後の作品。イ・ヨンエのラストの般若の笑みの演技が素晴らしい。
CMスポットまでもシュールで笑える。
三部作の中で一番好き。 -
クムジャさんは出所後も結局は親切で通し、報復を強化する為の親切だったのにそのせいで夢にまで見たトドメを刺すという自分の復讐が遂げずじまい。これが空しい。携帯ストラップとか目覚まし音声とか犯人は尽くキモい。娘が生きてることで復讐の動機が弱く見えるけど、それを除いて余りあるだけの名誉の喪失は味わってると思う。クムジャさんの半生が復讐しかない分サイドストーリーの山谷が楽しい、ピースがはまっていくような編集も。赤は殺し、黒は罪、白は無罪の象徴だからラストでクムジャさんはケーキも雪も食べる資格がないのかと思ったら顔からかぶりついた(!)13年若返ったつもりだったのかな、可愛かった。
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何をしても「親切なクムジャさん」。
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復讐三部作の最後の作品『親切なクムジャさん』ですが、
これ評価が難しいなあ・・・。
『アメリ』や『ミックマック』等、ジャン・ピエール・ジュネ作品や
テリー・ギリアムのような雰囲気をすごく感じました。
お話は全然違うと思うんだけど(笑)。
そういえば『ミックマック』にも『続・夕陽のガンマン』が引用されてたっけ。
前半の女囚もの、復讐の計画が明らかになっていくところ。
そこはミステリー要素なのだけど、全然すっきりしない!
きっちりしてません。だからカタルシスは感じられない。
で、これが意図的にそれを抜いてるのか、そうでないのか・・・。
色々と抜いてるので、演出寄りな作品になってると思いました。
だから単純に「つまらない作品」としても良いのだけど、
単純に復讐ものでもないなってことで。
復讐ものというよりは、贖罪ものでしたね。
でも映像としての面白さは、3作品中一番だと思いました。
なのでこの作品は、そこらへんを狙ってやってみた・・・
という「あえて」の部分が、なんだかちょっとなあ・・・。
イ・ヨンエさん本人がキリスト教かどうかわかんないですが、
韓国は儒教の国であると同時にキリスト教大国でもあって。
で、女性は特に儒教を嫌ってキリスト教に改宗する人も多いのだとか・・・。
(あくまで伝聞です)
ぺ・ドゥナとかはキリスト教徒みたい。
このお話のベースにはそういうところがあるのかな、と。
細かいところだと、『母なる証明』でもありましたが
韓国の出所祝いは豆腐なんですね。
あと、クムジャさんが勤めるお菓子屋さんの名前は
ベーカリー・ナルセ・・・成瀬巳喜男?ってことなんでしょうね。 -
邦題は「親切なクムジャさん」。パク・チャヌクのいわゆる復讐三部作の最後を飾る作品。ていっても、「復讐者に憐れみを」は見ていないけど、まだ。イ・ヨンエの透き通った感じ、けれども何かを隠し持っている感じが、とても良かった。けれども、話としては、どうも「オールド・ボーイ」もそうだけれど、やり過ぎ感が否めない。その2/3でいい。(11/6/19)
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復習三部作の最後。キレイなのに、エグイ
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また観たい。これは面白い。
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大きな罪には、大きな罰を。
受刑者達から好意を込めて「親切なクムジャさん」と呼ばれる女。刑期を終えて出所した彼女は、13年かけて用意した復讐を実行に移す。
凄惨極まる復讐だった。だがオーバーキルではないし、犯した罪と等価であるのは間違いが無い。だから、この復讐は素晴らしいと言いたい。
クムジャさんが差し出した提案を、彼らが真剣に議論するシーンがすごく良い。出演者インタビューで「葛藤」をテーマにしたと言っていたが、これほどまでに共感する倫理の踏み外し方はそうそう無い。不条理かつブラックなこの葛藤シーンをニヤニヤしながら見るのがこの映画の楽しみ方だと思う。
あと特典のpvは必見。特にTV版予告の「ねぇねぇクムジャさん」は非常にいいセンス。日本版劇場予告のpv詐欺っぷりとセットでどうぞ。 -
復讐三部作の第三作目。
映像がうつくしい。鏡を使った場面が個人的にいい。あと、ある一場面をじっくり映すのとか。登場人物の心理がうかがわれる。
一部が「復讐は何もうまない」二部が「一人の男の人生をかけた復讐劇」としたら、三作目のテーマは「みんなと自分のための復讐」だと思う。でも復讐というより報復にちかいかも。
最初のほうは映画に入りづらかった。あと「なんで?」って思う所とか割りとはしょって話が進む所もあった。でもちゃんとラストまで連れていってもらえました。
韓国の映画はあまり観ないけどこの監督は好きになったなー!