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- / ISBN・EAN: 4988013110649
感想・レビュー・書評
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2005年 日本 115分
監督:豊田利晃
原作:角田光代『空中庭園』
出演:小泉今日子/板尾創路/鈴木杏/広田雅裕/ソニン/永作博美/大楠道代
ベランダでガーデニングできる団地で暮らす京橋一家。隠し事をしないことが家族のルール。しかし父・貴史(板尾創路)は長年の愛人(永作博美)のほかに新しい若い愛人ミーナ(ソニン)がいるし、高校生の長女・マナ(鈴木杏)は学校に行かず彼氏(勝地涼)や見知らぬ男(瑛太)とラブホに行ったり、中学生の長男・コウ(広田雅裕)も学校をさぼりウロウロ、母・絵里子(小泉今日子)は入院中のその母(大楠道代)との確執を抱えている。あるとき偶然、コウの家庭教師としてミーナが京橋家にやってきて…。
原作は既読なのだけれど、結構前なので細部ほぼ覚えておらず。ただ角田光代らしい、日常生活の中でふと感じるいや~な空気、仮面をはりつけたような絵里子の笑顔など、原作のテイストをうまく抽出してあったように思った。序盤の不安定なカメラワークも、いかにも空中庭園という感じ。一見幸福そうな家族、しかしそれはギリギリのバランスの上に成り立っている。
絵里子は毒母に愛されず育ったトラウマがあり、高校時代は苛められ引きこもりだった。そこから脱却するために、理想の家族を着々と計画的に築いてきた彼女の、砂上の楼閣が崩れる瞬間。キョンキョンの演技はとても良かった。あと大楠道代が、すごく嫌なババアにも関わらずカッコイイ。チョロ助にセフレさんから電話の場面は笑ってしまった。
最終的には意外にもハッピーエンドといえる。バスの中でお父さんが言うセリフが良かった。浮気しまくってるクソ野郎だけど、なるほど、それでも家庭を維持するために、それぞれがそれなりの努力をしている。それが愛でなくてなんなのか。ずっと母を憎んでいた絵里子が、母の愛に気づく場面もとても良かった。母と娘、どちらも、互いが相手から愛されていないと思い込んだまま生きてきてしまった時間。家族というのはきれいごとだけでは済まないものだけれど、でも全く愛なしで成り立つものでもない。良い映画だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テンポ良くすすんで面白かったです。
淡々としたそれぞれの日常。
でも日本の家族って今はこんな感じじゃないのかな?
お父さんは浮気しててお母さんは気づいてなくて
娘はラブホ行って、息子は学校さぼってて・・
だけどみんなそんな事、自分の家ではありえない気がしてて。
ソニンが愛人役ってのがまた笑えてよかった。
瑛太のキャラにはびっくりした(笑)
キョンキョンは年をとってもかわいいなぁ~♪
原作は読んでないんだけど機会があったら読みたいです! -
面白かったです。
昔々に原作を読んで「グロテスク」という感想を持ちましたが、そのままでした。
ずっと、なんだか歪…という空気のまま進んでいくのが良かったです。お母さんは悲しいほど歪んでいる。愛されなかった子どもはこうなるのか。
でもちょっと表現が直過ぎないか…と思ってしまいました。血の雨が団地に降っているとかの画は好きですが、もっとこう…演技的なもので観たかったなぁ。。
小泉今日子さんは人間の陰の部分を演じられる方だと思いました。キラキラ見せているときと、堕ちているときと。好きです。
板尾創路さんはそこはかとないダメ感が出てるなぁ…さすが。鈴木杏さんも好きです。ソニンさん懐かしい。大楠道代さんも良いです。
こんなに土台がぐらぐらしていても、この家族は続いていくのかな。わー。 -
何が虚像で、
何が真実なのか。
そうして、一体愛ある家族とは?
内側ばかりのぞくようになったのは、
そうせざるをえない、
追い込んだ関係性があったからだと思うが。
そんな、母と子の物語。
*
板尾は嫌いではないが、
どうしてこうも重宝されるのだろうか。
気持ち悪さと、
そこはかとなく滲み出る厭らしさは天下一品だが。
あ、だからか?
あと、ぐるぐる、ふわふわの映像が、
酔う。 -
面白い!けど自分にとってはトラウマを引き起こす映画で、少し鬱になった。
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〝思い込みは、本当のことを見えなくする〟
気軽に見始めたのに自分ごとと大きく重なって、最終的にものすごく苦しくなった…笑
多分これは、誰しもに少なからずある部分だと思うんだけど。
まだまだ、消化不良感が拭えない。
なんだか、なんだか。