ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

監督 : 山崎貴 
出演 : 吉岡秀隆  堤真一  小雪  堀北真希  三浦友和  もたいまさこ 
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  • / ISBN・EAN: 4988021153256

感想・レビュー・書評

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  • BSで観たら、ピエール瀧の出演シーン全カットバージョンだった。
    昨年3月の逮捕直前に1作目放映、直後の2、3作目は放映中止。7月には1は放映されず、2と3のみ。出演シーン全カット放映とかできるのねーと思ったけど、本来の内容を改変してまで放映するのってどうなの?と。

    『ALWAYS 三丁目の夕日』、これまでテレビ放映を適当にブツ切り状態で観てたので、ちゃんと通しで観たのは初めて。続編冒頭の例のアレの有名なシーン…のことはまた今度に。

    冒頭、東宝スコープのロゴ。1957年〜65年までで、私が観たことある一番古い作品は『地球防衛軍』かな。(『大怪獣バラン』は東宝スコープだけど白黒)

    時代は昭和33年(1958年)、東京タワー建設中のお話ということで有名。西岸良平さんの原作漫画も長く続いていて、私は20年ぐらい前に『ビッグコミックオリジナル』でたまーに読んでた。絵が特徴的だしで、面白いんだか面白くないんだかもう忘れちゃったけど。
    もうちょい後になってから、西岸さんが細野さんと同級生で、細野さんが漫画家を諦めた…という話を知りました。諦めてなかったらはっぴいえんどやYMOはなかったかもですね笑。

    監督は山崎貴さん。映画に詳しい方も私もだいたい似たような感じだと思うけど、映画監督としては評価低いんじゃないかな。VFXスタッフとしては良いけど…映画監督としては駄作も連発してて、昨年のドラクエの件も記憶に新しいところ。
    同じく東宝で仕事することが多い、樋口真嗣監督にも近いかもしれない。特撮だけしとけば、VFXだけしとけば…。
    山崎貴さんは阿佐ヶ谷美専出身で、この世代って我々にとっては伝説的で、良い才能をけっこう輩出してる。雨宮慶太、桂正和、寺田克也、竹谷隆之、その後輩が山崎監督。

    この作品は山崎監督の出世作でもあるけど、そういうわけで全く期待せずに観ました。それで案の定、良くもなく悪くもなく、そんなに心に残らないような作品。
    観た後にウィキペディアを読んだら、私の感想と似たようなことばかりが書かれてました。

    先日観た『フラガール』同様、昔の東京をCGで再現してるだけなので、そこを描けばノスタルジーに訴えるのは簡単なんです。この頃の暗部はほとんど描かれていない。そうすると「昔はよかった」的な作品にしかならないですね(NHKスペシャルの『東京ブラックホール』を観逃したのが悔やまれる)。『フォレストガンプ』なんかに非常に近い。
    ただ、暗さがない作品もまあ必要だよなとも思うので、別に良いんだけど。

    先にも書いたように、この後昭和ノスタルジーな作品が作られるきっかけでもあったのかもしれない。『フラガール』とか、あと最近の朝ドラだと『ひよっこ』とか。

    この作品、作中で「ユートピア幻想」が出てくる。東宝特撮だと、先日レビューを書いた『宇宙大戦争』が1959年で、翌年公開。
    映画は原作の細切れなエピソードを繋げる形式で、見守るように建設中の東京タワーが出てくる。各エピソードを通して描かれてるのは、この「幻想」「夢」「未来への希望」。

    クジ引きのような確率で、芥川賞を獲って小説家になりたい吉岡秀隆。かつての本田宗一郎のような鈴木オートの堤真一。集団就職で夢を抱いて上京してきた堀北真希。亡くした家族の夢をみる三浦友和。存在しない指輪をはめる小雪…。
    獏みたいなもので、夢食って生きてる人たち。これ実は人間にとって非常に大切なことで、そういうものが多少なりともなければ生きていけないですね。

    ちょっとだけ面白かったのは、原作にもあるのかわからないけど、西岸さんの文学に対する考え方。
    好き→芥川龍之介、吉行淳之介
    嫌い→石原慎太郎、大江健三郎、川端康成
    とかなのかな。だとしたら気持ちはわかるし、吉行淳之介を読みたくなる笑。

    名前ネタ、鈴木オートの堤真一のフルネームは鈴木則文!読みは「のりぶみ」ではなく「のりふみ」だけど。西岸良平先生が鈴木則文監督を好きなのか!?謎。

    吉岡秀隆が序盤けっこうなクズで面白かった。やっぱり満男と純で、この映画のちょい前が『Dr.コトー』なので善人のイメージが強すぎる。最近、山田洋次監督に「あいつは子供の頃から見た目があまり変わらないからなあ」と言われてたのが面白かったけど。

    一応ヒロインの小雪、最近は見るたびにガンバレルーヤのよっちゃんを思い出す。

    集団就職の堀北真希、この時代に女性なのはまず有り得んよなあと思ってたらやはり原作は男性で、改変してた点だった。

    飲み屋の温水&マギーのコンビ、おじさんのリアリティがすごい。『スカーレット』でもマギーさんが飲み屋行くと、「こういうおじさんいるよな」となる。

    山崎監督は小津さんの『お早よう』なんかを目指したり参考にしたらしい。でも、言うほど子供目線にはなってなかったと思う。
    小津作品だと、『秋日和』の冒頭に建ったばかりの東京タワーが出てきて、紅白のカラーを象徴的に使っているので、見比べてみるのも面白いかもですね。

  • 物語の中に入り込んだ気持ちになる。茶川さんのような、偏屈屋で不器用な人が変化していく姿はたまらない。今を見据えてこの映画をみたい。平成からみたある種理想的な昭和。これはファンタジーなのだろうな。

  • 2005年の作品

    東京タワーが出来たのが 昭和33年(1958年)10月。
    東京タワーが建設される時期の物語・・・
    自分の過去に 引き戻された部分がある。
    ちょうど、私の少年時代は 鈴木オートの子供とよく似ている。
    テレビが家に来たのが 小学4年生のときだった。

    氷を入れた 冷蔵庫。ミゼット。ゴムで飛ばす紙飛行機。
    駄菓子屋の 『スカ』のくじ。
    くじは 自分でなめて あぶりだしたけどね。

    スカ ッてどんな言葉の語源だろう
    『1 予想や期待を裏切られること。当てはずれ。「―を食わされる」
    2 見当違いなこと、間の抜けたことをする人をののしっていう語。
    とんま。まぬけ。すこたん。「この―め」「―野郎」
    「スカ」は「すかたん」の略、
    「透かす」または「賺す」の語幹からなどの説がある。』

    中身がスカスカ と言う言葉は後から出来たのか?

    あの頃の 風景が 自分の風景につながっていくのか。
    不思議な 感覚があり・・・
    お父さんは 威張っていたし 絶対だった。
    鈴木オート社長(堤真一)の怒り方がいい・・・。
    自動車修理と自転車修理を間違えるところが・・・。

    テレビを見るのが 力道山の空手チョップ。
    確かに、風呂屋に行ってみた覚えがあります。
    風呂屋にあった、コーヒー牛乳のうまかったこと。
    しかし、今考えると空手チョップって そんなに威力があるんだろうか?

    茶川龍之介(吉岡秀隆)は 文学賞を狙いながら 「冒険団」を書いていた。
    そんなところに 赤の他人の子が 養われる。
    金持ちの社長(小日向文世)が 自分の子だと言うが・・・

    貧しかったが 夢があり人情があった と言うテーマ。
    そうなんだろうか?
    今から見ると・・・と言うことだけど、
    その当時は どうだったのだろう。

  • ストーリーやセリフが安っぽい。

  • 東京タワーが建設中の昭和の古き良き日々。鈴木オートと作家茶川先生を取り巻く人々の暖かいやりとりと熱い希望が画かれている。
    それぞれが夢に向かって一致団結している姿に心温められる。

  • 2007年。原作は西岸良平の漫画。3連作の2番目。
    茶川がいよいよ芥川賞受賞かという話になるが、出版社を装った詐欺と発覚。諸所にいろんな事件が起こる。昭和33年という東京、人情、風情、景色が懐かしく、分かっていても泣ける、いい人ばかりが登場。
    子役たちもいいし、大人も好演。

  • 集団就職で上京する六子(堀北真希)が笑かすわー。
    あの おでこ全開! ほっぺ赤いし!!
    それにガンコ親父な鈴木オートの主人(堤真一)が
    もう、もう、大好き♪ 

    戦後13年、日本はまだ戦争を少しひきずりながらも
    希望を持って前向きに生きている時代。

    豊かさってなんだろう?
    胸がじわーんと熱くなって号泣って言うのじゃなくて
    ホロリとくる。

  • 懐かし映画を娘と観ちゃおうシリーズ その③
    再観。
    朝ドラ「ひよっこ」の世界観を『私たちの青春時代どんぴしゃりだぁ』と喜んでいた義父母に観てもらおうと、レンタル。

    初めて観た時には鼻について仕方がなかった吉岡秀隆の役どころに、当時には想像もつかなかったレベルで感情移入。泣かされた。

    20代後半と40を超えてと・・・・同じ映画でも、観る年代によって見え方が変わるのだと、改めて実感。

    ★4つ、8ポイント。
    2017.10.29.レ。

    ※義父は途中で飽きたか、新聞を読み始め・・・・・。
    (長い映画だしね・・・)

  • 夕日は今も綺麗です。

  • 高度成長期がバラ色に描かれている作品なのかな?と突っ込みを入れたい気分で借りてみた映画なのだけれど、案外良くできていた!
    自分の邪な目線にちょっと反省。結構楽しめた。
    ストーリーは何と言うかベタなのだけれど、当時の貧しい生活をきちんと描けている。
    特に女性陣の不遇さがなんとも昔の日本。
    小雪が"一見蓮っ葉な飲み屋の女性だけど案外家庭的なところもある"という男性の願望を捕まえたキャラをうまく演じていたのが印象的。
    子役の演技はちょっと…
    原作漫画もチラ見したことがあるけれど、”三丁目の夕日”に出てくる昔の日本は決してバラ色の世界なんかじゃない。
    生活はとにかく貧乏だし、この映画に出てくる女性達が、学校や職場でスキルを身につける機会に恵まれない、立場の弱さを抱えているところをきちんと描けているところなぞ、”現代の生きづらさ”を強調するためにこの時代を持ち上げる湯浅誠や雨宮処凛に比べて百倍まじめにやってるなぁ!という感じがする。
    映像面では多少作り物感がするけど、昔の日本をがんばって再現している感じがする。
    ただ、それを強調するあまりロングショットが多くて、PCのモニタで見るとちょっと演技からインパクトが失われてしまっているように思えた。
    劇場か居間の大画面テレビで見てね!ということなんだと思う。

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著者プロフィール

1964年長野県生まれ。映画監督、CGによる高度なビジュアルを駆使した映像表現・VFXの第一人者。2005年「ALWAYS 三丁目の夕日」で日本アカデミー賞ほか各映画賞を受賞。「もののけ島のナキ」、「永遠の0」など話題作多数。「STAND BY MEドラえもん」では脚本・監督(八木竜一と共同)、「STAND BY ME ドラえもん2」では脚本・共同監督を担当、両ノベライズも手がけた。

「2022年 『小説 ゴーストブック おばけずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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