ピエロの赤い鼻 [DVD]

監督 : ジャン・ベッケル 
出演 : ジャック・ヴィユレ  アンドレ・デュソリエ  ティエリー・レルミット  ブノワ・マジメル  シュザンヌ・フロン 
  • ハピネット
3.78
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953015920

感想・レビュー・書評

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  • あらすじを読んだだけでどんな話か展開も想像つくんだけど、そのベタな感じが非常によい。

    戦争ものらしい哀しい要素もある一方で、全体的に暗くならない軽妙さがある。そのおかげで泣くのに爽やかな気持ちになれる。
    名もない民衆が主役の等身大の映画。人が見ていないところでの行動がその人を決める。それこそ死に際の行動。勇気ある人になりたいもんだ。

    回想なので主役達が死なないと分かっていて安心して見られた。そして漂うフィクション感がより一層、映画っぽさを演出している。良作。

  • 「いまはただ、君を笑わせることしかできないけれど」


    まだまだのどかな牧歌的風景が眼前に広がり、素朴で暖かな人情があふれていた頃、1960年代、フランスのある田舎町。
    愛すべき小学校教師のジャック(ジャック・ヴィユレ)は、毎週日曜日の朝になると、一家を巻き込み大騒ぎしている。赤い鼻をつけたピエロになって、お祭り会場に集まってきた観客を楽しませ、笑わせるためだ。この繰り返される日常のやりとりに、妻のルイーズ(イザベル・カンドリエ)は愛情たっぷりのおおらかさで夫を見つめる。
    ただひとり、朝から浮かない顔でトイレに閉じ籠もっているのが14歳になる息子のリュシアン(ダミアン・ジュイユロ)。彼にとっては、大好きなパパが、どうしてアマチュアのピエロに扮して、みんなの笑いの的となっている姿を見るのが嫌なのだ。
    しかしこの朝も、ジャックは嫌がるリュシアンはじめ家族全員を決して広いとはいえない車の中に押し込め、意気揚々とお祭り会場へと向う。
    「最高か?」と尋ねるジャックに、リュシアンは無愛想に一言。
    「最高に…うんざりだ!」公民館はすでに満席の賑わいである。白粉の顔に頬紅を塗って、赤い鼻をつけたピエロに変身したジャックが、いざ舞台に登場。アマチュアのつたなさだが、曲芸に手品にタップと、一所懸命な出し物の数々に、ジャックは観衆から喝采と笑いを一身に浴びる。そんな父の姿に、哀しみの仏頂面が消えないリュシアンに声をかけたのは、ジャックとは古くからの親友であり、彼らとは家族ぐるみのつきあいであるアンドレ(アンドレ・リュソリエ)だった。アンドレは、どうしてジャックが“赤い鼻のピエロ”になるのかを、リュシアンに穏やかに語り始める。
    時代は、ドイツ占領下のフランス、第二世界大戦末期に遡る…。
    当時も小学校教師のジャックと、今も昔も売れない帽子屋の経営者アンドレは、酒場の人気者、ルイーズをめぐる恋のライヴァルだった。ふたりは、陽気で快活な魅力を振りまくルイーズに“いい顔”を見せようと、にわかにレジスタンス熱に浮かれる。折りしも、連合軍のフランス進攻を今か今かと待ちかねている時節柄、ふたりがターゲットとしたのは、ドイツ軍事輸送の鍵を握る鉄道ポイント切替所を、深夜に爆破することだった。
    ところがまるで“悪ガキ”さながらのふたりは、爆弾の青と赤の配線のどちらを切ればいいのか、判断さえままならない未熟者コンビだ。結果的に、ジャックが歩哨の囮となり、人影が見えなくなった頃あいを見計らって、アンドレが爆弾のスイッチを押す。果たして、計画は見事に成功。
    しかしふたりは、ポイント切替所に宿直として寝泊りしていた老人フェリクス(ヴィクトール・ガリヴィエ)が、爆風に晒され、重態の大怪我を負ったことなど、知る由もなかった。興奮気味に、酒場のルイーズに成功の報告し、祝杯をあげるジャックとアンドレ。ところが、ふたりの至福の瞬間も束の間、酒場にドイツ軍が乗り込んできて、有無を言わさずジャックとアンドレを連行してゆく。メンツを潰された怒りに燃えるドイツ軍は、この爆破犯が自首するまで、村から4人の男を捕虜として人質にするというのだ。
    こうして、名指しで指名されたのはジャックとアンドレ、保険代理人であるプレイボーイのティエリー(ティエリー・レルミット)、そしてかつてのジャックの教え子である青年エミール(ブノワ・マジメル)だった。しかし、猶予はわずか一夜かぎり。今さら自分たちが犯人であるとは自白できないジャックとアンドレは、大雨の降りしきる最中、ドイツ軍兵士たちによって他のふたりととども大穴の底に突き落とされ、泥まみれになる。何とかしてここから脱出しようと画策する4人だが、はかばかしいアイディアはいっこうに浮かばず、時ばかりが無為に過ぎてゆく。
    陽が高く昇り、彼らを空腹が苛む頃、ひとりのドイツ兵が、穴の上から4人を見下ろすように、姿を現わし、滑稽なジェスチャーを見せる。最初は、バカにされたと憤慨する4人だが、赤い鼻をつけたこの兵士(ベルニー・コレン)が軽妙なピエロの芸当を披露するにつれ、次第に彼らの心にも純粋な笑いが巻き起こり……。

  • 解説:

    ミシェル・カンの世界的ベストセラー小説を『クリクリのいた夏』の名匠ジャン・ベッケルが映画化した珠玉のヒューマン・ドラマ。

    ピエロの格好をして人々を楽しませることを常とする教師の辛く、切ない戦争体験が徐々に明らかになっていく。

    主演は『クリクリのいた夏』に引き続いてのベッケル作品出演となるジャック・ヴィユレとアンドレ・デュソリエ。

    戦争というシリアスな題材をユーモアでくるんだ温かなタッチに心が和む。

    小学校教師のジャック(ジャック・ヴィユレ)は、毎週日曜になるとピエロの格好で公民館の舞台に立ち、人々を笑わせていた。

    息子のリュシアン(ダミアン・ジュイユロ)はそんな父親を嫌がるが、ジャックがピエロを演じるのには深いわけがあった。

  • 悲しいけどいい話。

  • 将来ペットを飼うことがあったらゾゾって名前をつけたい、と思うくらい感動しました。こういう世界がコンパクトな映画が好きです。

  • ゾゾに捧ぐ。

  • 暖かくて優しい

  • 世界15カ国で出版された、ミシェル・カンの同名ベストセラー小説が原作。この作品に感銘を受けたスピルバーグが、ハリウッド版リメイク権を獲得したことでも話題に。物語は1960年代の素朴でのどかなフランスの片田舎を舞台に、ほのぼのとしたコメディタッチで始まるが、アンドレの回想劇中にある事件が起こると雰囲気は一変。小さなボタンのかけ違いが、取り返しのつかない事態を引き起こしていく、容赦ない現実を淡々と描く。

  • フランス映画のドロドロの恋愛という感覚を捨ててフランス映画の涙を味わってみませんか?

    2005年に亡くなられたジャック・ヴィユレさんの名演が光る作品です。格好がよくて素敵な俳優さんが演じる作品もいいのですが普通のおじさんのような方の演じる映画は内容があっていいですよ〜w

    「ピエロの赤い鼻」

    第二次世界大戦時のドイツ占領下のフランスにおける話です。

    「生きてるいる限り希望がある」

    ドイツ兵の言った一言が本当にインパクトがあります

    早い話の展開から一気に山場が襲ってくるみたいな感はあるのですが、泣けます。ただとり方は個人差があるのでどういった意味で感動するのだろうか。何度も観ていると沢山のメッセージが含まれている、いい映画ですね。



  • ザザのベルントとフェリックス、二人の高潔で汚れのない生き様。

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