クラッシュ [DVD]

監督 : ポール・ハギス 
出演 : サンドラ・ブロック  ドン・チードル  マット・ディロン  ブレンダン・フレイザー  テレンス・ハワード 
  • 東宝 (2006年7月28日発売)
3.78
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レビュー : 305
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104034816

感想・レビュー・書評

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  • 多民族国家ゆえの人種差別、心のぶつかり合いを描いている作品。
    人間の本能ともいうべき攻撃性、それは誰の心の中にもあり考えさせられた。
    雪の降るシーンは浄化を思わせる。

    透明マント欲しいな。

  • どのような場所で、
    どのような肌の色で生れ落ちるかは、
    誰一人として選べないのに、
    どうして人生はこうも過酷なのか。

    深い哀しみと、どうにもならない閉塞に、
    苛立ち、もがき、
    そして許しあいながら、
    それぞれの命が少しずつ、しかし重大に絡み合っていく。

    善人と悪人の区別がつかない。

  • 本当にすごい映画だった。何もかもうまく書かれていて。
    特に主人公はいないんだけど、全ての登場人物が複雑に、でもすごーくうまく繋がっているの。
    舞台はサンフランシスコで、全体を通して人種差別や黒人の立場の低さ、銃社会のこと、警察内のこと、家族とか夫婦のこと、子供の純粋さまで本当にうまく描かれてて、よく作られた映画だなぁって思った。
    アカデミー賞の作品賞、脚本賞、編集賞取った映画なんだけど、全部納得できる。脚本書いた人も編集した人も、どんだけ頭いいんだーって感心しちゃう。
    いい映画ってゆうより、すごい映画!!って感じ。
    もう一回見てみようと思います。

  • これ、観た事ある映画やった。
    普通、観た事は覚えていても
    内容はすっかり忘れてるって事はある。
    でもね、観たこと自体覚えてないって
    あんまり無い事なんだよね。

    それだけ記憶に残らない映画って事か?

    でもね、良い映画ではあるんだよ。
    面白いとは表現できないけど
    なんていうかな、考えさせられる映画?
    そう言うべきかな。

    人間なんて複雑で
    人生なんて紙一重で変わる。
    そんなことは分かってる。
    こんなん見せられなくても
    分かってるよ…って
    そんな気持ちもあるんだよね。

    良い映画なんだろうけど。

  • ■クラッシュ

    重たい映画だ。
    見る側の心の深淵と感応し、自身がそこに在るものを確かめに降りていかなければならないような。

    クリスマス前のロスアンジェルス、根深い差別と偏見と悪意と憎しみのこの街の救いのない現実。
    そこに暮らす人々もまた生きることへの疲弊や行き場のない閉塞感にとらわれている。
    街の闇が人を苦しめるのか、人の病が街の膿を生むのか。
    タイトルのクラッシュはこの街で日々起こっている事故であり、また映画の冒頭の刑事の独白にある人と人とのふれ合いの意味も含まれている。
    「街に出れば誰かと体がぶつかったりする
    でも心がぶつかり合うことはない
    みんな心をかくしているから
    みんな本当はふれ合いたいのさ
    ぶつかって何かを実感したいんだ」
    繋がりたいと強く願いつつも、恋人にすら心を開くことのないこの刑事のひりひりするような孤独感。

    人種、階層、職業の様々な登場人物たちが、それぞれのドラマを展開し、さらに連鎖を生み、いくつものエピソードが積み重なって1つの作品となっていく。

    黒人と白人のプロデューサー夫妻のエピソードが物語の柱となる。
    夜の運転中、差別主義の巡査から悪意に満ちた扱いを受け、その屈辱感から夫婦の間に深い溝ができ、それぞれが深く悩むことになる。
    殊に成功をおさめていたはずの黒人の夫の苦悩が丁寧に描かれる。
    この白人中心の社会の中で、人種としての誇りを持って生きることの困難さ。
    事件の現場に居合わせた若い巡査もまた署内に巣くう悪習を前にし、自己の無力と限界に悩むことになる。
    そして起こした行動はたしかにプロデューサーの心を救い、プロデューサーの言葉はまた頑なに白人を憎悪する黒人の若者が自らの尊厳を問うきっかけとなる。
    「おまえは自分で自分を貶めて生きている」
    1つの奇跡。

    一方プロデューサーの妻は自ら運転する車で事故を起こす。
    救出に向かうのは件の差別主義者の巡査。
    病んだ巡査の中にたしかに存在していた尊さ。
    「あなたにだけは助けられたくない」と頑なに拒む女性も、ギリギリの所で彼を信じる。
    この場面は圧巻。
    無私で救い出す巡査とそれを信じた女性、一瞬繋がり合った2つの魂が起こした奇跡。

    そして理解し合うことは不可能とも思われた鍵屋の若い黒人の父親とペルシャ人の小売店の店主もまた傍らに寄り添う存在によって、大きな不幸を免れる。
    3つ目の奇跡。

    これらの奇跡は偶然の巡り合わせ、たまたま運が良かっただけなのかもしれない。
    ただ、奇跡を経験した人の灯った光はその心の在り方に変化を生み、この先生きていく上でのよりどころとなっていくことを信じたい。

    現実には更なる悲劇は起こる。
    誤解から射殺されてしまう刑事の弟、殺した若い巡査を責めることはできない救いのなさ、そして弟の死から永遠に母親と心を通わすきっかけを無くした刑事の孤独。
    理解し合うこと、繋がり合うことのない不毛が露呈されていく。

    起きた奇跡と起きることのなかった奇跡。
    厳しい現実を前に人の力は及ぶことはなく、運命と受け止めるより他はないのか。
    それでもこの作品の根底に静かな祈りを感じた。
    届くことばかりではないにしても、怒り、憎しみ、哀しみ、弱さ、醜さ、全ての魂が救出されることへの祈り。
    得ることのできない心の深い部分の平穏に対しても。
    避けることのできないさらなる悲劇に対しても。

  • 見ごたえのある映画でした。

    胸に突き刺さるモチーフに
    重厚なストーリーをまとった群像劇。
    ポール・ハギスの正に納得のアカデミー作品賞受賞の傑作。

    アメリカに存在する深い深い差別の問題がベースに描かれている。
    本作は「差別はいけません」とだけ言いたいのではなく
    その根っこにある人間の未熟さとも言うべき
    未知の存在への過剰な『不信感』や『警戒心』が生み出す禍を描いている。

    白人へ、黒人へ、アジア人へ、メキシコ人へ、中東・・・

    しかし、問題は人種の差だけではない。
    夫へ、妻へ、同僚へ、上司へ、父へ、息子へ・・・

    そこに運命のいたずらも加味されれば・・・
    混迷の度合いはさらに深まる・・・

    当てるべきフォーカスは人種差別だけではなく
    目を向ける対立構図は他にもある。
    本質を見誤らないように多角的に描かれている。

    知らない他者を警戒するのは必要だが
    理解しようとする努力を怠り、ただ敵として排除すること
    この自己防衛的行動心理の強烈な副作用のようなものが
    深刻な問題を生み出しているのだと言っているように思いました。

    他者への過剰な不信感や警戒心に端を発する差別の問題が
    こんなにもあからさまに日常の生活に影を落としているのかと
    世界一安全とも言われる日本の日常を享受している身として
    何度も何度も胸に棘が突き刺さった。

    この映画には憎む側、憎まれる側、双方の視点があり
    誤解や無知が暴力を生み、不安を更に煽る。
    結果として意図しないの憎しみのスパイラルが渦を巻く…

    複雑怪奇な縦糸と横糸が絡み合った人間の営みの世界が見られました。

    大好きな群像劇にP.T.アンダーソン監督の「マグノリア」
    ロバート・アルトマン監督「ショートカット」がありますがそれに
    勝るとも劣らない素晴らしい作品に出会えました。

  • クソッタレな人間ばかりで胸糞悪くなるけれど、これが人間なんだよな。悪態をつく裏には消せない思いが滲み出てる。
    思わず胸が詰まってしまうシーン、余韻が残るBGM、根底に流れる人種問題。とてもおもしろかった。良質な群像劇だった。

  • 「サタ☆シネ」にて。群像劇は苦手なんですが、これはよかったです。さすがはアカデミー賞受賞作品(賛否両論あったみたいですが)

    リベラリズムとかポリティカル・コレクトネスとかいっても、アメリカ社会にはやはり人種差別が抜きがたくはびこっている。そんなシビアな現実を描いているのですが、本作が興味深いのは、矛盾を抱えた多面的な存在として人間を描いているところなんですね。黒人差別主義者だがまっとうな職業倫理と正義感を持つマット・ディロン、そんな彼を嫌悪しながら黒人を射殺してしまうライアン・フィリップ、人種差別にも良識的に対応しつつ最後には逆ギレしてしまうテレンス・ハワード。常に他責的な態度でまわりに毒づいているがケガをして助けられることで何かに気づくサンドラ・ブロック。差別を受けた被害者意識から差別する側になってしまう雑貨屋のペルシャ人・・・。

    唯一誠実な人間として描かれるのがヒスパニックの錠前屋(「ワールド・トレード・センター」のマイケル・ペーニャ!)。そんな彼の家族に起こる「奇跡」。このシーンには息がつまりましたね。個人的にはこのエピソードを物語のクライマックスに置いたら大感動したんじゃないかと(安っぽいかな?) まぁそんなこともあり、この多すぎる登場人物をまとめきれなかったのは本作の唯一の不満かな。

    それとやはり考えてしまうので銃の問題。人々が銃を持っているから哀しい事件が起きるわけ。銃さえなければ、ね。

  • どんな闇の中にも光はある。

    暗闇の中で手探りで探しても、ただじっと待っていても光は見つからない。
    本気でぶつかり合って、火花が散って、はじめてそこに光は生まれる。

    人種、言葉、職業、様々な偏見という壁に阻まれて、それでも懸命に生きようとする人々が起こす小さな奇跡に心を打たれます。
    無関係に思えた人たちが意外な形で結びついていくラストは見事。
    とてもよくできた映画です。是非。

  • complicated・・・・
    irritated・・・
    ・・・って感じかなぁ。
    すごくよくできたストーリーだと感じさせる。
    作者、監督の人間を愛する気持ちがにじみ出ている。
    アメリカの問題ではなく、世界の問題かもしれない。
    地球人はどこに向かって進むのだろう・・・・。

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