オリバー・ツイスト [DVD]

監督 : ロマン・ポランスキー 
出演 : バーニー・クラーク  ベン・キングズレー  ハリー・イーデン  エドワード・ハードウィック  マーク・ストロング 
  • ポニーキャニオン
3.35
  • (59)
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  • (46)
  • (6)
本棚登録 : 731
感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013125346

感想・レビュー・書評

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  • 映像が美しい。

    イギリスのロンドンで、孤児のオリバーはスリの集団に救われる。しかし、オリバーは一度もスリをしなかった。やさしいおじいさんに助けられて、そこの家の子どもになるが、また連れ戻されてしまう。ハラハラドキドキの連続だ。

    オリバーが可愛かった。悲しい表情が似合う。人をひきつける少年だ。礼儀正しくて、人から受けた恩を忘れない、悪を憎む良い子だった。

    なんだか悲しくなった。贅沢に暮らせる人がいる一方で、盗みをしなければ生きていけない人がいることが悲しいのだ。こんな現実があってよいのだろうか。なんとかならないのだろうか。私は盗みをしてしまう彼らを一概に悪いとは思えないでいる。オリバーのように泣きたくなってしまう。彼らにも優しい心はあった。それなのに、盗みをしなければ生きていけない社会が悪いのだと思いたい。悔しすぎる。
    しかし、そのような状況でもオリバーは盗みを否定していた。盗みは嫌だ、悪いことはしたくない、と。そうなのだ。強い心があれば、どんな状況でも盗みをしなくても生きていけるはずなのだ。けれど、人間は弱い。そして、オリバーのように助けがあるとは限らない。そんなとき人はどうしたらよいのだろう。人間はどのように生きていけばよいのだろう。どうすれば、悪に染まらずに生きていけるのだろう。考えさせられる作品だ。

  • 「テス」といいこの時代のドラマ撮らせたらポランスキの右にでるものはいてへん。戦場のピアニストよりいい。照明、撮影、衣装、いずれも素晴らしい。「デビットコパフィールド」も映画化してほしい。キューブリックの「バリーリンドン」と双璧。テスが一番だけど(笑)

  • ラストのオリバーとフェイギンのシーンが考えさせられる。当時のイギリスの影の部分がイメージしやすかったが、ストーリーで入り込めないところもあったので、できれば原作も読みたい。

  • 2019.03.
    ロンドンの裏側

  • 有名な原作だが読んだことはなかったと思い、映画で見てみようかと思いレンタル。

    あのポランスキーが「戦場のピアニスト」(2002)の次に撮った映画というのも何か意外な感じ。だが冒頭から1800年代中葉のイギリス、ロンドンはこうだったのかと街や人々の再現にみとれる。ディケンズは孤児のオリバーを幸せにしたかったんだろうな。偶然と善意がうまく重なるのはフィクションのよさではないか。

    20世紀以前の洋画をみていつも思うのだが、女性のスカートの裾は泥だらけだったんではないか? それに街と人と匂いもあったんではないだろうか。

    オリバー役のバーニー・クラークは1993.6.25ロンドン生まれ。撮影時12歳。小さい時から劇団に入り、この映画ではオーディションで選ばれた。「美しすぎる母」(2007)で息子エディの子どもの頃の役をやっている。2018現在25歳だがどうしているのか。


    2005イギリス
    218.11.19レンタル

  • ストーリーは他愛ないと言えば他愛ないが、波瀾万丈で楽しめるようになっている。キャラクターは個性的だが人間的な深みがないものの、役者がみな秀逸。主人公が一番謎だが、どういう環境に置かれても敬虔さ、純真さが重要だということだろうか。B-

  • オリバーが可愛いし可哀想過ぎる。
    最後ハッピーエンドになって良かったけど色々トラウマもん。
    捨てる神あれば拾う神あり。

  • 学生の頃に見た映画。
    映像やこの時代の建物や服装が凄く好み。

  • 大学の講義で丸々これを見る。解説もなしに。

    いや、ディケンズについての解説をしてこのDVDを見たんだけど、
    マジ当時の時代背景、風俗事情とか、そーゆーのをしりたいんスけど?解説求ム。

    でも良作だと思った。


    貧困層の足の引っ張り合い。自分の取り分は取る。そのためにはいくらでも人を利用する。のし上がるチャンスも、お前だけそんな世界に行くなんて許されないぞ?と邪魔をする。



    客観的に見ると、そんな感じ。

    でも、信仰厚く、人を信じるというひたむきな気持ちを根底に持ち続ければ、浮かばれることもあるという希望は、見た後に暖かい気持ちを残してくれた。



    さて。全然関係ないけれど、自分の近況を書いてみる。

    今年度いっぱいで、今勤めているところをやめて、どこかへ行こうかと考えている。それはこのお話の国に行くことであったりもする。


    それを思うに、今勤めているところ(母校)での「終わり方」というものをよく考える。

    どういう形で去ろうかと。

    母校に勤めて、何も変わっていない校舎の中で思い出すのは、20年前すごした月日。

    わたしは、毎日学校へ行くのが苦痛だった。でも休んでいいものだとも、思わなかった。兄弟がいたし、まだ「不登校」と呼ばれる人も(当時は登校拒否だったけど)「普通」の存在ではなかった。学校は、とても荒れていた。


    いま教えてる校舎の、隣のクラスにわたしはいた。
    休み時間になると、ベランダに出て(出てはいけなかったのだけど)友達と、どうでもいいことを話し続けていた。クラスは、学級崩壊気味で、まとまりなんてあったものではない。わたしは、中学校生活で、何かひとつのことに協力して成果を挙げる、というような喜びを、大して見出すことができなかった。


    でも、今思うに、わたしは、わたしなりに、何かができたはずだったのだ。

    今の生徒に自分を照らし合わせてみるのなら、わたしは、「勉強だけできる子」だった。リーダーシップがあるわけではなく、クラスに華を添えるような存在でもない。言わば教員にとっては、厄介な存在だったのだろうと思う。知恵だけあるような人間は、反発されたらどーしよもないから。

    生徒の目線から見ると、「不良とも頭のいい子とも仲良くなれるような存在」だった。わたしはそれを「隔てのなさ」だと、自分の中でおよそ自負している面があったのだろう。でもそれは、「クラスがまとまる」ことに、大して役にも立っていなかった。

    高校は、進学校に入ったから、それこそ足の引っ張り合い。脱落する人間は大歓迎。自分のライバルが減るから。私はその中で、「中学校で人と協力するってことを学んだはずなのに、それは高校ではまったく生かされるようなものでもなかったのだ」ということをまざまざと思い知らされた。


    適当に駄文をつづっていますが、わたしは、大きな矛盾を抱えて、学校生活を送っていたことになる。


    でも今、教員になってみて、もしくは社会で働くようになってみて、やはり私は異分子で、厄介な存在である、というのに変わりはないようなのだ。

    そんな中で、それでも雇ってもらえたことに感謝して、自分のできることを精一杯やろうと、突っ走ってきた。曲がりなりにも少しずつ評価はされ、小さな自分の居場所というものを自分の座れる範囲だけの席を確保している、という状態だろうか。


    わたしは、もし自分の人生が間違った選択をしてしまっていたのだとしたら、それはどこだったのだろうと、考える。


    それは、中学校にさかのぼるのではないかと。
    何かひとつでも、中学校で「人と協力する」ということの価値を見出すことができていたとしたら、わたしはその後の生き方の中に、今とは違う希望を見出していたのではないか。高校で、あらゆることに躓いても、「人と協力することで、自分の居場所を獲得する」という経験に価値を見出していたとしたら、「自分は間違っていない」という自信を持って、その後を過ごすことができたのではないかと。



    わからない。そもそも生き方に「間違い」なんて、ないのだろうし。間違ったとそのとき感じたとしたら、それをどう生かしていくかということに思考を切り替えて、そこからまた新しい価値を見出せばいい、と思えばそれは間違いじゃなくなるのだろうから。



    でも、その原点のようなものに今立ち返ってみて、わたしが教員として投げかけられるものがあるとするならば、やはりそれは「人と協力する」ということには、それに賭けるだけの価値があるということではないかと思う。

    独りでなんて、生きていかないように。

    誰か困っている人がいたら、助けてあげることができるように。

    誰かの喜びを、自分のものとして喜べるように。


    わたしは、荒れた学校しか経験をしたことのない自分が、長い間自省してたどり着いたこの答えに対し、全力でそれをなげかけられるように、突っ走ってきました。
    それに、答えてくれようとする、多くの生徒に出会いました。わたしも、ここにいていいのかもしれないという小さな錯覚すら覚えるほど。


    それは、私自身にとって、実に大きな希望であり、その人間のひたむきさと優しさに、信じられないほど救われました。

    去る理由は、なんでしょう。

    今度はもう一度、自分自身に立ち返る必要が、あるような気がしたからかもしれません。


    人の善意には、無力であれ自分を賭ける価値がある。


    私の今、たどり着いた答えは、一生抱えて生きていけるほど、価値のある、あたたかなものです。

    それを与えてくれた、私にかかわったすべての生徒に、

    とても感謝をしています。

  • チャールズ・ディケンズの長編小説。1837年から1839年まで「ベントリーズ・ミセラニー」に月刊分載、単行本は1838年刊された作品。1837年と言えば幕末の末に近くはあるが徳川慶喜が誕生した年で幕末の動乱はまだ先のことである。江戸時代にイギリス人の作家によって描かれた作品は、その後アニメを含めて6作品が映画化される。

    「オリバーツイスト」
    https://www.youtube.com/watch?v=Sd93Kxjc-Uw

    この作品は本当にすごいと思う。原作をまだ読む機会に恵まれていないのだが日本で今こういった作品を書けるだろうか?1800年代初頭という時代に弁論やペンの自由と言ったものはあったのだろうか?その中でディケンズの真っ向勝負がこの作品の中にある。

    上流階級に対してはきれいな描き方をしているが、社会制度いや国に対してなのかもしれないが当時の英国を非難しているような感がある。少年の生き様の中に国の批判を含めた作品は他には……思い浮かんでこないなぁ~

    俳優さんで印象に残るのはフェイギン役のベン・キングズレーさんですね!どうしてもシンドラーのリストが頭から離れないので、悪役と決めつけて見られませんでした

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