プライベート・ライアン [DVD]

監督 : スティーブン・スピルバーグ 
出演 : トム・ハンクス  トム・サイズモア  エドワード・バーンズ  マット・デイモン  バリー・ペッパー 
  • パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
3.80
  • (180)
  • (296)
  • (251)
  • (35)
  • (3)
本棚登録 : 1382
感想 : 189
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113757317

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れたスピルバーグの名作。

    戦闘シーンの臨場感がとんでもない。
    なので、これは映画館で見るのとDVDで見るのとではインパクトが全然違う。

    血の表現が戦場のシビアさを演出している。
    銃撃戦での飛び散り方、床や海に大量にしみだす。
    また、手持ちカメラの揺れ。

    戦時中においても、人権のような理想的な概念を持っているアメリカに対して、進んでいるなと思うのと同時に、その上層部の理想(きれいごと)優先になることで、厳しい現場では、犠牲になる底辺の男たちがいることの対比に、理想の恐ろしさも感じる。

    ライアンを見つけるという行為で、戦争のむごさ、無為さを伝える、この切り口がするどい。

    この映画は、「戦争そのものもの=戦場」を観客に突きつける。この圧倒的な暴力に対して、兵士達は強制的に巻き込まれる。それぞれが何かを思いながら。結果何もできない。

    政治的な、大きな暴力に一般の人間(主人公は高校教師)が巻き込まれ犠牲になることが描かれている。

    戦争映画では、人間が狂気を帯びていくことが良く描かれるが、この映画では、兵士達は戦争に向き合い、(主人公は手が震えることで、限界がきていることを表現しつつ)、実直に任務を果たそうとするが、最後には様々な部下と同様に主人公も死ぬ。
    戦闘において勝つにせよ負けるにせよ、様々な兵士が犠牲にならないことはない。必ず人が死ぬ、それが前提である。ということをこの映画は表現している。

    理想的な考えにより救われたライアンの無念と、生き残りとしての責務。このシーンが映画を立体的に、色々な感じ方をできるようにしている。

    マットデイモンが初めて現れる瞬間にオーラが出過ぎで、ただの一兵卒とは思えなく、そこが唯一リアリティが落ちた瞬間の気がした。
    トムハンクスは登場してからずっと普通の人に見える。これが演技力の種類の違い?

  • 【解説】 (Amazonより)
    アメリカ軍兵士の目をとおして語られるこの物語は、第2次世界大戦の歴史的D-デイ侵攻作戦から始まり、上陸後は兵士たちの危険極まりない特別な任務へと続く。ジョン・ミラー大尉(トム・ハンクス)は、ジェームズ・ライアン二等兵を探し出すため、部下とともに敵陣深く浸入する。4人兄弟のライアン二等兵は、ほかの3人の兄弟をすべて戦闘で亡くしたのである。作戦遂行が不可能に思えたとき、兵士たちは命令そのものに疑問を持つ。たった1人の兵士を救うために、なぜ8人もの兵士が命をかけなければならないのか。彼らは戦場の過酷な現実に取り巻かれ、それぞれ自分なりの答えを出す。そして名誉と誠実さと勇気をもって、不確かな未来に打ち勝つ強さを見つけるのである。






    3時間近くの大作です。
    時間だけでなく内容も...今まで観た戦争映画より人が次々に死んでいく。
    あちこちが血で染まっています。
    戦争で得たモノなんてあるのかな?と思う反面、それぞれの立場になると 何か意味があってそうなったのだろなとか...いろいろ考えてしまう。

  • 冒頭30分の戦闘シーン、聞いてはいたけど凄い・・・。
    戦争映画ってあんまり観ないけど、いや、凄かった・・・。
    あの戦闘の後も、軍事作戦に従事できるんだからニンゲンってやつは良くも悪くも強いもんだ・・・。

  • DVD

    ノルマンディー上陸作戦下、一度に3人の息子を亡くした母親のために、残る末の息子を帰国させよという任務が下り、トムハンクス率いる部隊が敵地へ救助に向かう物語。

    ジョバンニリビシの"寝たふり"の話が胸に刺さった。私にも思い当たる節があったからだ。

    ファックヒトラーと叫び、アメリカ国家を歌って命乞いするドイツ兵、無理やり戦う理由をこじつけようとするトムハンクス、死に際に母を呼ぶ兵士たち……彼らは何のために戦っているのか?どうして戦わなくてはいけないのか?

    数人の犠牲を出しても、息子を亡くした母親のために一人の青年を救助するという作戦は、国民の支持を得るために非常に政治的な選択だ。
    命の重みは1人、2人と単純に計算できるものではない。では何を基準にして考えたら良いのだろう。
    戦況を理解するだけではなく、そこに"人間"がいるのだという事をはっきりと理解させられる映画だった。

  • 『プライベートライアン』、スピルバーグ作品だと2番目に好きな映画。1位は不動で『ジョーズ』。どちらも永遠の★5作品。何度も何度も何度観ても★5です。

    憶えてるだけで5回ぐらいは観ているけど、もっと観たい。あと10回は観たい。
    だけど観すぎちゃうと感動がどんどん薄れてしまうので、あえてあんまり観ないようにしている。
    一度観た映画は、内容を忘れた頃に観返すのがベストだと思うけど、今年はもう2回も観てしまった……。(ちなみに以前観たのは10年ぐらい前。いま2018年12月だけど、感想は5月に観た時に登録したここに書いてます)

    この映画はもう、私なんぞが語るまでもなく映画史に残る作品。このあとにこの戦闘描写に影響された作品がいくつも作られましたが、大概のものは上っ面だけの「模倣」に終わってしまって、映像そのものが持つ芸術性はないように思います。つまりスピルバーグとヤヌスカミンスキーがそれだけすごいってことなんだろうなと。

    ダメなとこがないわけではなくて、最初に観た時から萎えるポイントはT-34ベースのティーガーの履帯。
    ただ、これもスピルバーグはCGなんかじゃなくてあくまで「本物」を使いたかったんだろうなあ…と、公開から20年経った今なら理解できます。(今ならマニアが作った実働レプリカとかもあるけど。)


    で、この映画については「戦闘描写が…」って話ばっかりよく語られてますが。

    それでいいんだよ!!

    と、私は思ってます。
    「深いテーマ」だの「メッセージ性が云々」なんてことはどうでもいい!!

    冒頭とラストにジジイが墓参りするシーンがあるけど、あれはストーリーに一本スジを持たせるためにつけただけで(私もあのシーンで一応感動はしますが)、スピルバーグの本質ではないと思う。
    スピルバーグがやりたかったのはリアルな戦闘描写、リアルな戦争アクション映画、戦争の残酷さの表現、殺人や人体破壊の残虐描写そのものだったんじゃないかなーと。
    (このメッセージ性、「生きろ」ってのは前年公開の『もののけ姫』のキャッチコピーでもあったけど、宮崎駿とスピルバーグが近しい部分も感じます。)

    そう思う理由は、先輩ともよく話になるんですが。『宇宙戦争』の公開時に、スピルバーグが映画秘宝のインタビューを受けて、「父と娘がテーマで…」とかは建前で、戦闘シーンをやりたかったから作ったって自分で言ってたらしいからです。笑
    (ただ、スピルバーグの映画では父と子がテーマになってることが多いので、そのテーマ性がゼロなわけではない)

    ※追記
    上記のようなことを思って調べてたら、惜しい某監督もほぼ同じようなことを言ってました。
    (日経ビジネス『押井守監督の「勝つために見る映画」』)
    「押井:あの冒頭と終わりの墓参りのシーン、あれを切っちゃえばわかるよ。それだけのことで、あの映画は全然違う映画になるんです。そういう意味では、スピルバーグの真意はわかる人間にはわかるようになってるんだよ。一般のお客さんはそんなことはわからないだろうけど。」
    「押井:スピルバーグは、エンターテインメントの爽快感と、社会派としての感動と、その両輪が必要なんだと考えて、あの墓参りのシーンをいれたわけ。この両輪が見事に回ったからオスカーも取ったし、映画も大ヒットしたし、戦争映画の傑作だということになったわけだ。言うことないじゃん……と思ったら、僕に言わせれば大間違いでさ。」


    この映画をより楽しむために、どういう映画に影響を受けてるかを、自分が観た範囲内で思いつくままに書いてみる。

    骨子は『捜索者』。
    冒頭のちょっとしたシーンは『用心棒』→『ジョーズ』。
    『捜索者』と黒澤映画は、ルーカスやスコセッシなど同世代のお仲間たちはみんな好きですね。
    つまり『スターウォーズ』のレイア姫や『タクシードライバー』のジョディフォスターの役まわりがライアン二等兵。マットデイモンはお姫様。

    戦争映画だと『史上最大の作戦』…ってこの映画も絶対に観るべき作品なんで当然だけど。(ちなみに私が初めて観た『史上最大の作戦』はカラーライズ版でした。これがけっこうお金がかかってたらしいので、再調整してDVD化して欲しいんだけど出てないはず)

    あとは『橋』とか『最前線物語』なんかでしょうか。
    『コンバット!』は私の父親世代の作品だからちゃんと観たことないんだけど、武器やキャラ付けの面でモロに影響受けてんだろうなあと昔から思ってたらやっぱりそうみたいです。

    連想した映画、意外と少なかった。笑

    あと、劇中で使われるFUBARはベトナム戦争でのFUGAZIと同じスラング。

    久し振りに観たら、翻訳者が岡田壮平さんに変わったバージョンのやつだった……。
    最初のやつはもちろん戸田奈津子。
    人名のアパムがアプハムになってたり、カパーゾがカパルゾ?になってたりするんだけど、ここは変えなくてもよかったんじゃね?と思う。

    んで、戸田なっちゃんと言えばやっぱり「くっつき爆弾」。新訳版は普通に「粘着爆弾」かなんかになってた。

    なっちゃんは「誤訳の女王」とか「クソ字幕の女王」として有名だけど、この人は特に専門用語になるとミスが多いみたいですね。
    ただ、なっち節の良い訳、面白い訳もけっこうあったりする。

    「くっつき爆弾」にはみんながズッコケたけど、実は一発で概念を理解できる超訳でもあったよなあと、この歳になって思います。
    漢字で「粘着爆弾」って読むよりも、「くっつき爆弾」って平仮名の方が一瞬で読みやすい。あと、子供でも理解しやすいし。
    ダメな人は「観る人を小馬鹿にしてる」「雰囲気が崩れる」ってのが理由だと思うし、私もそうは思うけど。
    訳って「そんなもん」な時もあるし、英語がわかれば問題ないので、時間が経つとこれはこれでネタとしてオモロかったなーって思う。

  • 久しぶりに観た。涙がポロポロと出てしまう…
    戦争の惨たらしさをこれほどまでに表現している作品はそんなにも多くない。痛いなんてどころじゃない。あまりにも簡単に人が死んでいく。
    それは偽善かもしれないがたった一人の母親の為に国が一肌脱いだようなこの命令…アメリカならあり得る。日本だと絶対ないと思える。そんなアメリカのバカっぷりは時としてカッコいいなと感じる。
    軍隊における命令って、とても理解できない。死ぬ事を厭わないで従う。それは勇気?それとも蛮行?戦争を知らない僕には一生で理解できないのかもしれない。
    降参した敵は殺してはならない…それは国際法上で定められた約束だけど、ここで逃がしたら、今度はそいつに撃たれる羽目になる…そんな現実を簡単に拭い去る事は出来ないだろう。作中でもそうなって死んでしまった。敵味方…永遠に終わらない気がするその嫌な響きを断ち切ったり、緩め解いたり、そんな事が出来る世の中にしたいと思う。この作品は観るのが辛いと思えるほど辛苦に満ちている。だけど懸命に生きるという事、為すべき事を為すって事がどれほど人生において大事なことかを伝えていると思う。
    とても久しぶりに観たので色々発見があった。ヴィンディーゼル、ジョバンニリビシが出てたね。めちゃ若い。
    エドワードバーンズはかっこいいなぁ~それと冒頭のシーンにブライアンクランストンが出ててビックリした。
    ブルーメスを作る前は片腕で軍隊にいたんだね(笑)

  • スピルバーグが このような作品を作るとは・・・
    『戦争』というものを リアルにとらえる。
    ニンゲンは いとももろく壊れやすいものであるか
    を 戦争を通じて 直視する。
    トムハンクスが 落ち着いた役に徹している。

    実際にあったことだというから 
    その軍上層部の身勝手さにはおどろく。
    ライアンを探し出すにも 戦場だから、命がけである。

    最初の上陸作戦の シーンは まさに戦争とはこういうものだ
    というものを感じさせる
    動いている 阿鼻叫喚の地獄絵図 の如し・・

    ここまでのシーンは かなりタフな精神がないと描けない。
    スピルバーグのもつ リアリティの すごさなのだろう。

    戦争は ゲームでもないし スポーツでもない。
    ヒトとヒトが殺しあうことである。

  • この映画を劇場で初めて観たときは「息子を亡くした母親のために、1人残った息子をアメリカの精鋭部隊が救出する」というエンターテイメント性あふれるストーリーに興奮しつつも、こんな安っぽい美談で戦争を正当化されたらたまんないなと思ったものです。

    今回久々に見返してみて、ちょっと見方が浅かったかなとも思いました。印象に残るのは「たった1人の命を救うために何で自分たちが危険を冒さないといけないのか」と公然と不平をこぼす兵士に対し、主人公が「戦争で理不尽じゃない命令があるか」と答えるシーン。そう、スピルバーグはこの作戦を「理不尽」と言い切っているのです。「3人の息子を亡くした母親のために」なんて美談めいた大義名分は、戦争という大きな理不尽さの前では完全に無効で、兵士たちの命は容赦なく奪われていくのです。この映画はアメリカのプロパガンダなんかではなく、戦争の理不尽さを描いたものなんですね。

    戦闘シーンのにリアルな描写、みごとに描き分けられる人間味あふれる兵士たち、挿入される印象的なエピソードなど、ほかにも語るべきことは沢山ある映画ですが、「エンターテイメント映画の枠組みの中で伝えるべきメッセージを伝える」という難しい作業を成し遂げた点を讃えたいです。傑作!

  • 鑑賞するたびに泣けてくる。

  • 海から上陸を目指す米兵とそれを機関銃で阻止するドイツ兵との戦い。数10分のオープニングシーンはそのリアルさ、残酷さ、悲惨さは映画史に残る名シーン。あっさりと兵士は死に、その死体を別の兵士が飛び越える。人の生死が曖昧すぎる世界。これが戦争だ。

    そんなヨーロッパ戦線とは対照的に、アメリカ国内では、女性たちが戦場の生死を一心不乱にタイプライターで記している。そして、3人が戦死、1人が行方不明というライアン4兄弟の情報がもたらされる。

    発動された「ライアン救出作戦」。歴戦のベテラン兵士たち8名が生死不明の青年兵士を探し出し、本国へ生還させるというミッションだ。

    この作戦に意義はあるのか。そんな疑問を持つ前に行動せよ、そして悔いなき人生を送れ。と、トム・ハンクス演じるミラー大尉は語る。理不尽な作戦に巻き込まれてしまったことは不幸だが、人生にはそんなこともある。

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