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- / ISBN・EAN: 4988103631221
感想・レビュー・書評
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クローネンバーグとヴィゴは最強コンビだと思います。
かつて殺し屋だった男は、いかにして現在の幸せな家庭を守るのか、という映画です。
父親と息子の対比の仕方がいいですよね。
過去を忘れてコーヒーショップのオーナーに徹していながら、結局家族を守るために銃を取る父親(ヴィゴ)。
同級生のイジメというか嫌がらせを冷静に受け流しながら、父親の名前を出されて、いじめっ子を殴り返す息子。
息子が父を守るためにギャングを射殺するシーンが、自分の中ではクライマックスです。上手く言えないけどこのシーンはすごい。
最後、情けない感じのヴィゴが家庭に帰ってきますが、ここの一家はお母さんが強い女性なので(それが幸せかどうかは不明ですが…)また強い絆を取り戻していくんじゃないかな?
バイオレンス映画ながら、ヴィゴ一家の家族愛とその葛藤も美しかったと思います。
濡れ場…というか、サービスショットみたいなのはいろいろあったのに、全く色気を感じないのは私がおばさんだからでしょうか?それともクローネンバーグだからでしょうか?
中年夫婦がチアガールのコスプレで…(自重します)…とか、面白いんだけどなぁ…しかし色気が足りない。
マリア・ベロは色っぽい女優さんだと思うのに…
…念のために書いておきます:こういう趣味をしてますが、私も一応生物学上は女です。たぶん。 -
鑑賞2回目。黒沢清が『トウキョウソナタ』を撮る際、参考にしたと言っていたが、そんな参考にするところあったか?っと思ったので再び鑑賞。
タイトルからして主題は「暴力」に一貫しているが、隠された主題として「家族」の問題もあったことを忘れていた。それがわかって腑に落ちました。
やっぱり夫婦喧嘩のあと、階段でなし崩しのセックスシーンがクローネンバーグらしい変態性を出していて好きだ。
ヴィゴ演じるトム(ジョーイ)の事件により、家族が崩壊していくのではなく、それ以前からそもそもそれぞれが壊れかけていることがよく見るとわかる。
例えば、妻のコスプレであったり、息子が弱虫のいじめられっこにしては生意気な姿勢であったり。
エンディングが少し腑に落ちないが…先の読めそうなシンプルなストーリーなのにぐいぐい引き込まれた。
後半から畳み掛けるように話が動き始める。人格のギャップが同じ人間なのに明らかに別人と思わせる演出が見事だ。
1回目、2009/3/27 -
生々しいセックスシーンや過激な暴力描写に目を覆うことが多かったのですが、家族の揃った最後のチャプターがすごく良かったです。ゴッドファーザーパート?のラストシーンみたいに、何か訴えかけてくるような無言だった気がする。最後のシーンは、人によって受け取り方が違うのだろうか? 決して冷淡なラストシーンではなかったと思います。ぎこちなかったけれども、父親に「お帰りなさい」って言ってたんじゃないのかしら。
終始淡々とした感じがアメリカ映画っぽくなくて、面白かった!
ヴィゴ・モーテンセンの枯れ具合が絶妙。かっこいいです。 -
まさに「A History of Violence」
Violence
・猛烈,すさまじさ; (あらしなどの)猛威; 猛烈さ.
・暴力,乱暴.
体が覚えているViolence、心が覚えているViolence 名前を変えても消えることは無い。
2005アメリカ
2019.4.13レンタル -
トム(ヒーロー)/ジョーイ(ダークヒーロー)
かつての凄腕ギャング。仲間内からも「イカれている」と評されていた。
静かな田舎町で良き市民、として、小さなダイナーを経営していたが、そこを襲った泥棒を返り討ちにしたことから、テレビで取材され、かつての仲間に付け狙われることなる。
家族を守るため、暴力を振るわざるを得ず、最終的にはボスであり実の兄弟である兄をも殺して帰宅することとなった。
性格は普段は至って温厚でむしろ寡黙。ただ、殺人を犯すときは凄みがある。
エディ(ヒロイン)
トムの妻。
弁護士。気が強く、常に筋を通そうとする。
トムとの間に2児をもうけ、いまでもラブラブだが、トムのかつての過去を知り、悩む。
(エンディングでは最終的に彼を許す、と思われる)
ジャック
トムの息子。学校ではイジメられっ子だが、父親のことを言われて、激高し暴行沙汰寸前となる。
サラ
幼い娘。
フォガティ(敵)
かつての仲間で、敵。
ジョーイに、有刺鉄線で目を抉られたことを根に持ち、復讐に燃えている。が最終的には返り討ちに遭う。
リッキー(敵)
実の兄&ギャングのボス。
ジョーイの失敗で地位が危うくなったことがあり、やはり、復讐に燃えている。が最終的には返り討ちに遭う。
サム(援助者)
町の老保安官。トムの過去に不信を覚えつつも、一市民として、彼らを守ろうとする。
<世界観:現代アメリカ>
彼岸 フィリー(フィラデルフィア 「Philly」【フィリィ】)
かつて「ジョーイ」として属していた世界。
金、銃、女、(酒、ドラッグ)の無法地帯。
此岸
「古きよきアメリカ」。ここでは「トム」として小さなダイナー(コーヒ、パンケーキ、パフェ)を経営している。
善良な市民として、そして愛する家族や同様に善良な市民に囲まれて。
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GYAOで視聴。
お恥ずかしいですが、観始めるまでクローネンバーグの映画とは知りませんでした。
古いですが、「ラビッド」や「スキャナーズ」、「ザ・ブルード」「ヴィデオドローム」等のクローネンバーグのイメージが強いので、「フライ」以降あまり観る気がせず、「裸のランチ」で私の中で終わってました。(「クラッシュ」だけは例外)
で、映画の感想としては何もありません。全く心動かず。エド・ハリスやウィリアム・ハートもミスキャストとしか思えません(2人ともあんな目を剥くような演技は不本意なんじゃないでしょうか)。ひとつ妻役のマリア・ベロは良かったです。ERの時から好きでしたが、益々好きになりました。 -
デヴィッド・クローネンバーグならではのクールな質感を伴った映像は流石である。だからここからは本当に好みの問題。前半部にもう少し丁寧に伏線を張っておけば……と惜しく思われる。いや、この映画には暴力(=「バイオレンス」)が充満している。主人公がどんな暴力沙汰に手を染めるかは言うまでもないが、息子も苛めに対抗して暴力を振るうしまたダイナーで交わされる世間話も暴力に纏わるものなのだった。セックスも含めて至るところに「暴力」の気配は漂っているが、例えば北野武映画のようにそれが不穏な雰囲気を匂わせる……というところに行かないのはクローネンバーグ監督が結局のところ「生々しい」暴力を描けない限界なのかもしれない。無機質なものを撮ってこそ映える監督が自己矛盾に挑戦したという野心作ではあるが、その野心がどれだけ成功しているかは評価に苦しむところではある。駄作だとは思わないのでこの点数に。