本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本
感想・レビュー・書評
-
美術史の研究者であり、ジェンダー論の業績もある著者が、美術史の中から12人の女性芸術家を紹介している本です。取り上げられているのは、シュザンヌ・ヴァラドン、アルテミジア・ジェンティレスキ、エリザベート・ヴィジェ・ルブラン、アンゲリカ・カウフマン、ケーテ・コルヴィッツ、上村松園、ラグーザ・玉、山下りん、マリー・ローランサン、レオノール・フィニ、ナターリャ・ゴンチャローヴァ、そして多田美波です。最終章は著者と多田の対談になっています。
「私は、女たちの歴史を語るときに、歴史家として、と同じほど私自身を語っているような気持ちにならされる。なぜなら、私もまた、それなりに、男性中心の社会の中で、じつにみじめなたたかいと屈辱をくりかえしながら、自分の職業を続け、一人で食べてきた女の一人であるから」と述べられていますが、その著者の思いは史実と作品について知りたいという読者の関心を妨げることはなく、それでいて女性芸術家たちに対する著者の共感や反発が文章に浸透して魅力的な筆致を形作っているように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示