流され王―句集 (1983年) (河叢書〈72〉)

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感想・レビュー・書評

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  • 角川春樹氏の句集は以前にも読んだけど(「檻」)、その才気は充分に感じつつ、ナマナマしいところがそのまま出て来るというか、句としての熟成がというか、味わいがうんぬんというようには感じなかった。

    この「流され王」は(意味としては、ヤマトタケルノミコトであり、それを巨大な父源義氏との複雑な関係を含めて自らに投影したものらしい)、その点、より静謐でありながら背中から立ち上ってくるような凄みを感じさせる内容になっている。

    これはと思った(サラリとしているようで雄大な情景を感じた)のを三句。

    青山河われ縄文のこゑ聴けり
    朽舟のいづくに翔つや冬銀河
    深谿へ崩(なだ)るる櫻吹雪かな

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著者プロフィール

昭和十七年一月八日富山県生まれ。國學院大學卒業。父・源義が創業した角川書店を継承し、出版界に大きなムーブメントを起こす。抒情性の恢復を提唱する俳句結社誌「河」を引き継ぎ、主宰として後進の指導、育成に力を注ぐ。平成十八年日本一行詩協会を設立し、「魂の一行詩」運動を展開。句集に『カエサルの地』『信長の首』(芸術選奨文部大臣新人賞・俳人協会新人賞)、『流され王』(読売文学賞)、『花咲爺』(蛇笏賞)、『檻』『存在と時間』『いのちの緒』『海鼠の日』(山本健吉賞)、『JAPAN』(加藤郁乎賞)、『男たちのブルース』『白鳥忌』『夕鶴忌』『健次はまだか』『源義の日』など。著作に『「いのち」の思想』『詩の真実』『叛逆の十七文字』、編著に『現代俳句歳時記』『季寄せ』など多数。
俳誌「河」主宰、角川春樹事務所社長。

「2019年 『角川源義の百句』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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