- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
感想・レビュー・書評
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めちゃめちゃ面白かった。昭和57年(1979)発行の書籍なので、現在とは学名にかなり変更があったりはするので、そこらへんは注意が必要だが、ラテン語とギリシャ語が併記されていて、語源などが面白く紹介されている。容姿形状や鳴き声、ビヘイビア由来の学名はもちろん、人名由来の学名も大変興味深い。シーボルトが日本で採取し、日本の採取された場所の住民から呼称も採集したので、方言がそのまま学名になったもの、その他の外国で通訳誤訳や意思疎通の齟齬から生まれた面白い有名な名前の由来なども紹介されている。
細かく言い出すとキリがないぐらいツボったが、例えば、a(ア)の意味は否定、強調、ともに、といった意味があるので、aがついてるから否定!と考えたらあかんとか、あと、個人的にはギリシャ語がまったくダメなので、ラテン語とギリシャ語を併記して、その語源の歴史的なところからの考察なんかが非常に萌えた。
>”アカイエカの学名は、クレックス・ピピエンス(Culex pipiens)となっています。属名のクレックスは、ラテン語でカやアブをさす語です。種名のピピエンスは、ラテン語で「小鳥のピーピー声」をさすのですが、ここではカのプーンという羽音をさしているのでしょう。”
鳥のピーピーと蚊のプーンを同じ表記にしてしまうところがねぇ、とても西洋さを感じる(主観)こういうところも、ラテン語のめんどくささの一因を担っているかと。
とくに、音に関しては人種や国、言語、地方によって、聞こえ方と表記の仕方がものすごく違うので、そこらへんの面白さが深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
動物の学名についての本。だけど、「散策」というタイトルのとおり、ある動物の学名について語っている最中に、その動物の習性の話になったり、同じ由来をもつ別の(目すら違う)動物の学名の話に飛んだり、英名の話になったり、俗説を糾したり、上野動物園でのエピソードに派生したりと読んでて楽しい