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- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
感想・レビュー・書評
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芸人としての古川緑波についてはまったくしらないけれど、
この本は、ただおいしいものが好きで食べることを大事にする人の
食日記、エッセイとして読み応えがありじゅうぶんにたのしめる。
戦中(末期)の食生活も人気のある俳優なりに恵まれているが
それでもおいしいものに飢えているさま、強がったり愚痴ったり
ごちそうを前にしたら舞い上がったり、食に翻弄される悲しさが
率直に書かれている。
戦後の日記(昭和33年の一部)はまたおいしいものを食べ歩く
ようになっているが、本式の西洋料理にこだわるかと思えば、
日本食や酒の肴も苦手で、いわゆる洋食や肉料理をばんばん
食べながらグイグイ飲むとか、甘いものも大好きだとか、
きどりがなく自分の欲求や感覚にすなおで、憎めない人だと思う。
食談エッセイは戦前をなつかしむ内容が目立ち、
それは昔はよかった式の感傷なのか、
実際に昔のほうがおいしいものがあったのかわからないけれど、
登場するいろんなレストランや食べ物をいちど試してみたくなる。
(2013年2月13日中央図書館)詳細をみるコメント0件をすべて表示
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