ロッパの悲食記 (1983年)

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  • 六興出版
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感想・レビュー・書評

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  • 芸人としての古川緑波についてはまったくしらないけれど、
    この本は、ただおいしいものが好きで食べることを大事にする人の
    食日記、エッセイとして読み応えがありじゅうぶんにたのしめる。

    戦中(末期)の食生活も人気のある俳優なりに恵まれているが
    それでもおいしいものに飢えているさま、強がったり愚痴ったり
    ごちそうを前にしたら舞い上がったり、食に翻弄される悲しさが
    率直に書かれている。
    戦後の日記(昭和33年の一部)はまたおいしいものを食べ歩く
    ようになっているが、本式の西洋料理にこだわるかと思えば、
    日本食や酒の肴も苦手で、いわゆる洋食や肉料理をばんばん
    食べながらグイグイ飲むとか、甘いものも大好きだとか、
    きどりがなく自分の欲求や感覚にすなおで、憎めない人だと思う。
    食談エッセイは戦前をなつかしむ内容が目立ち、
    それは昔はよかった式の感傷なのか、
    実際に昔のほうがおいしいものがあったのかわからないけれど、
    登場するいろんなレストランや食べ物をいちど試してみたくなる。
    (2013年2月13日中央図書館)

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著者プロフィール

1903年東京生まれ。喜劇役者、エッセイスト。男爵家の六男に生まれ、編集者から喜劇役者に転身、「エノケン・ロッパ」の一時代を築いた。著書に『ロッパの悲食記』『古川ロッパ昭和日記』ほか。1961年逝去。

「2023年 『ロッパ食談 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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