世界悪女物語 (1982年) (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • 12人の悪女たちのことを綴ったエッセイ集。ルクレチア・ボルジア、ブランヴェリエ侯爵夫人、カトリーヌ・ド・メディチ、マ リー・アントワネット、クレオパトラ・・そこに書かれる悪女たちのなんと絢爛で享楽で残忍なことか。それは時代の生み出した欲望と凄惨。とんでもない悪女たちなのだが、切なくもさせるのはそこにその時代というものが彼女たちを作ったとはっきり描かれているからだ。
    特にエルゼベエト・バートリ にはなんとも言えない気持ちになる。この12人の悪女の中でもとびきり残忍なのだが(女を虐待し殺しその血の風呂にはいる!)、その虚無、その無感動、悔悟の全く無い無表情。そして最期は漆喰で塗り固められて全く光の差し込まない塔に幽閉され、3年目に死ぬのだがなんという死に方。絶対の孤独。この章の最後の「あらゆる出口を塞がれた永遠の牢獄から、どこの世界に飛び立つことが出来ただろう?」っていうのがとても印象的だった。

  • ルクレチア・ボルジア、エリザベト・バートリなど、史上名高い悪女たちの魔性にみいられた悪虐非道の生涯を物語りながら、女の本性、悪の本質を浮き彫りにするベストセラー・エッセイ集。(アマゾン紹介文)

    思っていたよりさくさく読めてびっくり。何冊目で反撃を食らうことやら…。
    掲載されている「悪女」は数名を除き、歴史の教科書にも出てくる有名どころばかり。とはいえ、その所業を教えてもらっているわけではないから、読んでいて新鮮といえば新鮮。

  • 情念だなあ・・・。恐ろしいほどの生命力と生命欲を感じる。ヨーロッパの歴史の裏舞台。

  • なぜかこの本マルキドサド作、澁澤龍彦訳かと読んでる途中で思ってた笑
    歴史上の悪女をひたすら紹介している内容だけど、エリザベス女王とかマリーアントワネットとかクレオパトラとか歴史上の有名な女性は悪女多いな笑。って本当に昔過ぎる人物ばかりだけど。てか権力者だからそうなるか。
    ほんと昔って戯曲を読んでても思うけど、毒殺が多いよね。ほとんどの悪女はヨーロッパの人だったけど、日本人はそこまでの悪女はいないから取り上げられなかったってのが、なんか悪女ってよくないけど少し残念だった笑。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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