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感想・レビュー・書評
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ナボコフがロシアから亡命して、ベルリン、マリエンバード、パリ、ボストンで書かれた小説群は、どこかとらえどころがない。
気取ったカフカ? あと、鉄道に関する細かい描写や、幻のような女性が、どことなく足穂くさい。
「ロリータ」で感じたアメリカ文学にない違和感っていうのが、はっきりとする。
気に入ったのは、
鉄道模型の細かい描写からはじまり、タガを転がす少女で終わる「初恋」、
妻を寝取られたのか? 妻を殺したのか? 妻はいたのか? あいまいになる「いつかアレッポで・・・」
当たった懸賞旅行の先で他の参加者からぼこぼこにされられるなんとも薄気味悪い「城、雲、湖」
裏表紙の本書の紹介に「“文体の魔術師”ナボコフが、SF、ポルノ小説、童話、探偵小説などの体裁をとりながら、彼独自の世界を見事に結実させた短編集」とあるが、ポルノ小説ってどれ??
1ダースなのに13編の短編が入っているのは、「パン屋の1ダース=13個」から。
ナボコフってチェーホフとピンチョンを結ぶ線のどこかに位置する作家だ(大雑把!)。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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