リボンヌ (1979年)

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  • 【シジミとチヂミ】、【「セ」と「ラ」】、【リボンヌ】、【ミミオ】、【シュラバとキラバ】、【DALECA】の六篇収録。先ず金子國義の絵があり、それに舟崎克彦が文章をつけたと思われる大人のためのお伽噺。
    可笑しくて可愛くて妖しい。懐かしくて切なくて恐ろしい。物語がひとつ進むごとに追憶の水面で揺れる波が大きくなっていくようだった。

    「リボンヌ」は真紅の絹のリボン。夜空を舞踏する肉体のないドレス。甘美な愛の記憶が隠微な死の予感に変質したとしても、いかに陰湿な悪夢でも悪質な現実よりは優しいことを知っている少女たちが自ら進んで華々しい呪縛に捕われにいくのだ。
    窓の錠を外し、あちらがほんとうでありますようにと祈りながら眠りに落ちる。頬を薔薇色に輝かせて。

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