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感想・レビュー・書評
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3編の中編長編が収録されているが秀逸はMRジェイムズの「五つの壺」。森の中で見つけた5つの壺が「私」に5つの能力を与えてくれる。そのおかげで「私」は妖魔と魔物の戦に巻き込まれて…。あまりに面白いので話を簡単にして幼稚園の娘を寝かしつける時のお話にしたら娘がハマってしまいました。絵本はないのかなあ。
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M.R.ジェイムズ唯一の長編「五つの壺」と、G.マクドナルドの「お目当ちがい」「城 -ひとつの寓話」収録。
このうち長年読みたいと希望していた「五つの壺」だが、古書店など心づもりして見て回ってきたが出会いが無く、この度ついに図書館から借りての読了。
怪談作家として高く評価されるジェイムズが書いたファンタジーだけあって、悪い存在やその不可解な力の描写、それに対する抗戦方法などに真骨頂を感じる。
作中末頃に現れる「枠のつきの小さな鏡」で動く絵による物語を見るくだりがスマホによる動画鑑賞のようで、ジェイムズに現代のデバイスを見せてあげたらどんなにか驚き喜ぶだろうかと夢想した。(作品は1922年のもの)
マクドナルドの作品は今回初めて読んだが、ファンタジーは没入できる環境で読まないと心から楽しむことが難しいものだと改めて感じた。こういうものは、押入れの中でや布団を頭から引っ被って楽しむべきである。この世の物で無いものの描写を克明に観るためには、物語に対する大きな集中力が必要だと感じた。 -
小川のせせらぎを聞いているうちになんだかそれが自分に話しかけられているような気がしてきて、導かれるままに進んで、そこに夢にみたとおなじ特徴のある草を見つけ、「木に聞いてみろ」と言われたので木にそれを採取して良いかを尋ね、たまたまドングリが落ちてきたのをOKサインとして持ち帰ると、その草が緑の球になってしまい、それを勘で飲み下すと見えざるものが見えるようになり、それぞれ別の能力を身につけられる5つの壺を手に入れるオトコの物語。
と、一気にまとめたら割と長いね。見え、話せて仲間となれた小人の助けを借りてなんとか5つのチカラを手に入れたオトコが姪に書く手紙、といった形式のこの話。むかーし読んだことがあって懐かしさに手にとった。
しかしこのおっさんも、こないだのアリスよろしくなんでも口にいれるなあ。怪しい壺の液体を身体に塗るし。
別にアリスを思い出したわけではないけど解説読んだらこの作者も、ややそのけがあった?のか、年若い少女を30年保護し、生涯独身だったそうです。そういうの、あたりまえだったんだろうか。
そのロリ‥じゃなかった作家は、イギリス怪奇小説の巨匠、M・R・ジェイムズ。ミステリ界のコナン・ドイルとも言われるそうですよ。なんでも吸血鬼ものの元祖ともいわれる「マグナス伯爵」は、かのラヴクラフトをも嘆息せしめた傑作だとか。
あらすじによると、軽々しく口走った言葉で、怪奇の世界に魅入られた話らしい。この短編も見方によれば軽々しく聞きかじった言葉であっちの世界にいってしまった話であって、たまたま危害が加えられなかっただけで状況は同じ、単にラッキーかいなかといえないこともない。
なんかこの話昔も怖かったけど、そういうことだったのか?ん? -
枕の下に入れて寝ていました。おとぎ話集です。マクドナルドの本ではこれが一番好きだったかも。