オートバイ (1979年) (白水社世界の文学)

A.ピエール・ド・マンディアルグ 生田耕作

感想・レビュー・書評

[pandoraさんの感想 · 2019年10月20日]

マンディアルグといえばぁゃιぃジャンルかと思いましたが、誤解でした。
誤解ではありましたが、ひたすら恋人を想ってオートバイで疾走するというだけの物語が、なんともエロティック。
５月のある早朝、フランスの田舎町からハイデルベルクの情夫の元へ（おそらく数百kmの距離を）彼女は1200ccのハーレーでスタートします。白い毛皮裏のつやつやした黒革レーサー服の下は、薄い下着以外身につけていない。という状況から始まり、あとはひたすら五感に訴えてくる文章を生田耕作さんの素晴らしい訳で堪能。