しまっていこうぜ!〈第26巻〉 (1979年) (少年チャンピオン・コミックス)

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  • 秋田書店
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  •  Jコミ読了。
     野球漫画の巨匠吉森みき男先生の代表作品。気の弱い中学2年生沢村大介、家族にも臆病と言われクラスメイトに煽られてもヘラヘラ笑ってしまう。そんな男が惚れた女のために野球の世界に入り奮闘していくストーリー。

     最初ダメダメだった大介の変化にどんどんついていくのが楽しくなりました。最初のほうは本当にひどくて、ルールもわからずただひたすらに自分ができることを一個一個やるんですが、それすらもうまくいかない。そんな彼ですが絶対に諦めない強さも持っています。好きな女の子である一ノ瀬純子が心臓の病気で苦しむ中、彼女を励ますために身を削ってでも全力を出し続ける彼の姿はとてもカッコ良かった。巻が進むうちにキャプテンとしての資質、相棒に頼らない姿勢など立派な人間になっていく様は少年漫画の主人公として申し分なかったです。

     そんな大介の成長に多大な影響を与えたのが後輩である池田宏通称チビ。最初に大介の才能を気づいたのは彼であり、その後の大介を支え続けもしました。大介に対してのブレーキ役でもありアクセル役でもあった彼はとてもクールに試合運びをします。自分がいなければしっかり投げれない大介に喝を入れ、控えのキャッチーにキャッチーに一番大事なことを伝えたときはなんてカッコいい女房キャラなんだと思いました。

     まだまだたくさんいるキャラそれぞれの魅力もありましたが、野球自体についても面白い部分がありました。内野シフト移動や超スローボール、クロスファイヤーなど技術の解釈もさることながら重要な位置を占めていたのは試合の勢いです。現在連載中の高校野球漫画「砂の栄冠」でもピックアップされてましたが、いかに球場を味方にできるかも試合をするうえで重要なことです。大介たちのチームはたいていピンチになります。しかし、主人公サイドの人間たちは誰ひとり諦めず声を張り上げ場を盛り返すことを諦めません。そういったキャラの姿勢をみていると作者の吉森先生の野球愛が直で伝わってきてこちらも熱くなりました。

     最後はなんだか尻切れトンボな終わりでしたが、26巻も刊行し人気を博した理由はよくわかる作品でした。少年たちのひたむきさはどんなに時代を経ても不変的な熱さをもっている素晴らしい感情ですね。

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