日本人と嘘 (1978年)

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  • ロングセラーズ
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  •  あの小沢一郎元民主党代表の裁判に関する判決が無罪の形で出た。裁判で真実を明らかにするために始まったとされる裁判。出てきた真実といえば、有罪のシナリオに沿って粛々と裁判を進めて手柄を上げたがっている検察の姿勢。検察は、控訴してさらに争うつもりなのか。嘘の上塗り、嘘の三重奏といってもいい。

     うその語源について気になって著書を開いて見ると次のような説明があった。うその語源は意外と新しい。中世の中期以降に登場した。起源に関しては、諸説入り乱れてはっきりしていない。うそだけに真実は闇の中といったところか。

     良く「本音」と「建前」という言葉を耳にする。「建前」とはどういう由来があるのか気になった。著者によると、古い日本の建築用語だった。建前は、「家が出来上がるまえのだいたいの構造を他人に披露する式といえる」と述べている。いつの間にか表面上取り繕うような意味になっている。言葉の意味の変化はいろいろだ。

     「うそと謝罪は怖い」で、うそと謝罪をめぐる日本人の人間関係について考察している。
    「うそはある程度まで許容されるという日本社会の状況がある。その状況のなかで、うそが問題視されたら謝罪すれば済む、という妙な概念が一般化している」。この本が出版されたのは1978年。それから状況が変わったか言えば、怪しさ100パーセント漂ってくる。うそで厚化粧した謝罪会見が話題になったことがあった。老舗料亭、大阪吉兆の謝罪会見。空々しさがテレビの画面から伝わってきたのを思い出す。

    今日と明日は、無罪判決のニュースが流れ続けるのだろうが、マスコミは同説明するのか。ついこの前まで、はっきりクロと断定してないまでもクロに近い言い方で報じてきたので大好きな「説明責任」をどう果たすのか見ものだ。

    21世紀版の「日本人とうそ」が読みたい。誰か書いて出版してくれないかな。

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