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- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
感想・レビュー・書評
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神奈川県民なら、おそらくみんな知っている、あの氷川丸。
山下公園のなかほど、横浜マリンタワーのそばに繋留されている、客船氷川丸。
戦前は華々しい米国航路に就航する外航船として活躍し、太平洋戦争にあっては軍に徴用され病院船として、多くの傷病兵を救った。
戦後すぐは、引揚船として多くの軍人、そして民間人の引揚者を日本に帰還させる業務に従事し、そして、戦後はフルブライト留学生はじめ、多くの旅行者を海外に送り届けた。
その、彼女が見てきた壮絶な世界、そして送り届けた人々、人生を、自らも傷病兵として氷川丸によって救われた新聞記者が、記録し、後世に伝える意味を持った書籍だと思う。
戦前、あのチャップリンは、本船を利用しアメリカに渡る、そして、あの加納治五郎氏はオリンピック招致の旅の途中、本船上で亡くなった。
日本の歴史のなかで、非常に大きな役割を果たし、多くの人々の人生に影響を及ぼした彼女は、いまは、静かに山下公園の桟橋に繋留されている。
本書を読み終えて、また、彼女に会いに行きたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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