階段 (1974年)

  • 立風書房
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感想・レビュー・書評

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  • ヒッチコックが映画化した「ファミリー・プロット」は未視聴。カニングも初読み。表紙が良かったので図書館で探して読んでみた。
    繰り返される国家的重要人物の誘拐を追う特別組織からの視点、ちょっと不思議ちゃんな女性霊媒師とその彼氏の視点、影のある大富豪の老女、そして犯人たちの視点…と、まさに映像が浮かびそうな構成で進むサスペンス。
    これはどう収まるのか、と期待したけれど、残念ながら現代の我々が納得するには予想がつきすぎたラストだった。綺麗といえば綺麗、当時は衝撃的だったのかな…。
    上手い、と思うけれど、時の流れには抗えないまとめのように思えた。

  • 転落死した兄の跡を継いで大きな屋敷を守る老婦人が呼んだ霊能力者。彼女とその愛人の男は屋敷の相続人となる老婦人の甥探しを引き受ける。
    一方巷では権力者に的を絞った営利誘拐が密かに進行していた。

    ヒッチコック監督の【ファミリー・プロット】原作。映画は未見。
    キャラの立ち方が見事で、知らぬうちに誰かに肩入れしてしまう。自分は女霊能士。
    なかなか事件が動かないと思ったら、最後に畳み掛けるような展開が待っている。
    地味でありながら緊迫感十分。
    古い作品でありながら翻訳も違和感なく読めた。
    カニングの他の作品も読んでみたくなった。どこかが再販しないかなー。

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