粗い石 (1973年)

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感想・レビュー・書評

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  • 清貧で有名なシトー派修道院の建築家ギョームさんが、痩せてろくな資材もない土地で、悪戦苦闘しながらル・トロネ修道院を建築する話。信仰と創造について示唆深く、脇役もキャラが立っていて読み物としても面白いです。今だと南洋堂書店ウェブショップとかでしか買えませんでした。

  • 12世紀フランスのシトー会修道院。その設計・工事監督を担った修道士の日記という体裁をとった小説。著者自身、建築家とのこと。40年ほどまえに書かれ訳出された。最近出版されたシトー会修道院の写真集『石と光』のあとがきに本書が紹介されていたので読んでみた。おもしろい。建築関係の記述にはよくわからないところもあるが、800年以上前の修道院建築の工程やそこで働く人々の様子が生き生きと描かれている。主人公やそれをとりまく人々のエピソードも、聖・俗の思いが交錯しながら感動的。本のテーマや体裁からは抑制的な物語を予想させるが、年老いた主人公は意外にヒロイックで、ラストはかなりドラマチック。写真集『石と光』および本書の巻末解説を読んだ上で、物語を楽しんでみてください。修道士として霊的生活に憧れながら、建築家としての実務的生活に愛着=執着してしまう主人公の思いや、大きな仕事を担うリーダーとしての主人公の孤独や気遣い、等々、読みどころはたくさんある。

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