馬追原野 (1972年)

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  • 明治24年
    自分の土地を求めて、北海道へと渡ってきた男・秋月運平

    明治維新後の拓殖政策は政府の思うようには進まなかった

    広大な土地を貸下地として手に入れ
    1万坪のうち、1坪か2坪のみ開墾・播種し、残り9千9百9十坪は未開墾のままでも、払下げ価格を上納すれば私有地となった

    土地投機を目的とする人々の食い物になっていた

    馬追原野に土地を持つという関谷の誘いに乗り
    開墾を始めることとなる

    「ニレ、シオジ、イタヤ、センなどの巨木が鬱蒼と立ち並び、下草は身の丈ほどの熊笹が生い繁っていて、一歩入れば方位も、目当てもつかぬ原生林」
    「バッタ堀人夫=バッタが秋になって土にもぐったのを、土を掘って殺す」
    「市来知の監獄から囚徒が逃げ出す」「若い衆が炭山炭山と夕張にでも行ってしまった」「燕麦、馬鈴薯、玉蜀黍、大根、人参、牛蒡、蕎麦、冬は鉄砲で獣を獲る」


    明治開拓当時の様子が良くわかる
    「筆舌に尽くしがたい労苦」などという文章を
    良く耳にするが
    ”希望”もあったのかもしれない

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